金沢市尾張町、東茶屋街・主計町にほど近い橋場町交差点に建つ「金沢文芸館」。元々は昭和4年(1929)に「石川銀行橋場支店」として建てられたものです。
公式HPによれば「風変わりなモダニズム建築。ひと目見ただけでお洒落~!! と声がもれてしまうほど絵になる外観は当時の雰囲気をそのまま生かしています。簡略化された擬ルネサンス様式で、ファサード(正面)をフリーズとコニースと呼ばれる水平の突起が縦にほぼ1対2の割合で上下二層に分けています。1~2Fの5個のアーチ型の窓、3Fの角窓も特徴的です。」
鉄筋コンクリート造4階建てですが、開口部の配置や胴蛇腹の対比から3階建てのようにも見え、また平面は、敷地の形状に合わせながら角部分に曲線を採用することで柔らかな印象を与えます。玄関の両脇にイオニア式の付け柱を配したこの建物は、1993年に「金沢市指定保存建造物」に、2004年には「国登録有形文化財」に指定されています。
文芸館の向って右手の石柱は、道路の起点・終点などを表示する「石川県里程元標」。聞きなれない「里程元標」ですが、明治6年(1873)の「太政官達」により、全国主要街道の県庁所在地且つ、交通要所の起終点に建てられた標柱の事。その隣に立つ「ガス灯」は、明治41年に初めて設置されたガス灯を復元したものです。
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金沢市長町にある「聖霊修道院聖堂」。大正末期から昭和初期に日本に滞在したスイス人建築家マックス・ヒンデルの設計による教会堂建築により、昭和6年(1931)に竣工されました。
木造平屋建。外観は高さを低くおさえるために二層に分け、白く塗られた下見板貼りのロマネスク様式を基調としたデザイン。隅柱や窓枠はこげ茶色に塗ってめりはりを付けています。
内部は見学できませんでしたが、黒漆塗りの柱や群青を用いた壁など、金沢の伝統工芸の粋が凝らされており、昭和初期に建てられた貴重な洋風建築として市指定保存建造物とされています。
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金沢市千日町と片町一丁目を結ぶ犀川中流に大正13年(1924)に架かけられたワーレントラス形式の鉄骨トラス橋「犀川大橋」。車道上部の梁には、当時石川県知事であった長谷川久一が記した橋名板が掛けられています。
この犀川大橋が完成したのは大正13年(1924)、総工費は当時のお金で26万7000円と言います。昭和32年(1957)には石川県による大修理が行われ、昭和51年(1976)に老朽橋となった事で、翌年補修工事が行われています。金沢市中心部と南部を結ぶこの橋は、2000年12月4日、国の登録有形文化財に登録されました。
訪問日:2011年10月13日
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