「北越潜行」七言絶句
行無輿兮帰無家 行くに輿(こし)無く 帰るに家無し
國破孤城乱雀鴉 國破れて 孤城雀鴉(じゃくあ)乱る
治不奏功戦無略 治は功を奏せず 戦は略無し
微臣有罪復何嗟 微臣罪あり 復(ま)た何をか嗟(なげ)かん
聞説天皇元聖明 聞くならく 天皇元より聖明
我公貫日発至誠 我公貫日(かんしつ)至誠に発す
恩賜赦書応非遠 恩賜の赦書(しゃしょ)は 応(まさ)に遠きに非ざるべし
幾度額手望京城 幾度(いくたび)か手を額にして京城を望む
思之思之夕達晨 之(これ)を思い之を思うて 夕(ゆうべ)より晨(あした)に達す
憂満胸臆涙沾巾 憂は胸臆(きょうおく)に満ちて涙巾(きん)を沾(うるお)す
風淅瀝兮雲惨澹 風は淅瀝(せきれき)として 雲は惨澹(さんたん)たり
何地置君又置親 何れの地に君を置き又親を置かん
秋月悌次郎
諱(いみな)・・秋月胤永(かずひさ)、字(あざな)は子錫(ししゃく)、韋軒(いけん)と号する
後年、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)により、「神のような人」と言わしめた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます