書く Ⅵ
如何しても、書ける間に!!
と、執念のような拘りがあって
ここ数年と数か月
その幸いの集中期間のように
賞味期限の末日のように
書く事に熱中してきた
それ故、内容の
深い浅いや濃い薄いや広い狭いや
重さや軽さや注目度の多少に
些かの相違が生じているかも知れないが
それは棚上げして、とにかく
書き残してゆく行為こそが
今は、大事なのだと・・
*
書く事を一日休めば
その日に
齎されるかも知れなかった
天恵の供物を
受け取り損ねた感覚が残って
それが執拗に
僕を落ち着かなくさせる
何一つとして
約束の事象などないけれど
そんな時には
確かに胸の平凡を突いてゆく
鋭角な嘴があって
そいつが
無性に胸の柔らかさを抉るのだ
(言辞が降ってきたり
(胸に突き刺さったり
(ココロを疼かせたり
それが、生きて在ることの意味を
僕に、気づかせてもくれるのだが・・
そんな風な日常に
在籍してきた身には
丸々一日の空白は
血溜りに穴を穿つ程の痛手なのだ
-其処に永遠の虚空を感じたりして
-其処に不作為の無を築いたりして
*
僕はここ数か月に亘って
ほんとうに
たくさんの事を書いてきたから
降り続くものを
そのまま
脇目もふらず活字にしてきたから
其れは、何時でも、何処までも
僕に与えられた能力なのだと・・
けれど
天の器のなみなみから
零れだすものが
底をついたのかも知れぬと
不意に思ったりする瞬間がある
(そんな不遇に巡り会ったとしたら)
僕のココロは
一体いつまで正常でいられるのか?
そのガラン洞を如何して埋めるのか
(見当もつかない)
再び循環が始まるまで
休んだとしても(約束さえ有れば)
一向に構わないのだけれど
(誰の催促も、𠮟責も聞こえないのだけれど)
「bokudenaiboku」を
どのようにして上書きしてゆくのか・・?
そんな詰問が
銃口のように突きつけられる・・!
*
03/28 05:55:55