降って来るもの

写真と散文とぽえむ

書く

2017-03-01 13:14:42 | 徒然

 

          書く Ⅰ

 

出掛ける時は何時も

何の書き込みもない

真っ新な用紙を携える

 今日、降ってくるものが

昨日の埃で汚れぬように

こんな調子で

原稿用紙の桝目を埋めてゆくと

 そのうちに

書く事が無くなってしまうか

書ける場所を失うか

 或いは

書く能力に翳りが出てしまうのか

吉凶や禍福や運不運は

大概は順番でやって来るから

ときどき心配になる

こんなに書けるという裏には

 若しかしたら

一生分の桝目を使い切ってしまうという

隠された陰謀があるのではないかと・・

ここ一週間前から

右膝のお皿の周囲に鈍い痛みが走るのだ

歩き過ぎているのか?

適度を超過してしまったか?

 

同じように

降ってき過ぎで

書き過ぎではないかと

 秘かに気を揉み訝っている

 

痛みという気懸かりが

知恵熱や成長痛や恋煩いの部類なら

むしろ歓迎だけど

 

書けることが無尽蔵であることの

証左の戸惑いなら

 大歓迎だけれど・・

書けるという道具を持っているので

僕は

僕の均衡を

概ね良好に保っている

03/01 13:42:13

 

 

 

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Narcist

2017-03-01 06:06:06 | 

        Narcist

 

一篇一想一冊を

自分の作品だと

胸を張って言えない

物陰から覗く

厳しい視線に晒されて

たじろぎ後退りしていじける

その魂が取り残されて・・

 何故?

僕はただ

降ってくるものを受け止める

receiverだから

 

人よりは少し

書くことに長けているから

書けることが

選考対象だったから

搾り出す手間を

免除された面映ゆさ・・

 

師は「藤村のようだ」と

賛辞をくれたけれど

それが

妙に後ろめたくて

落ち着かないのだ

 

ただ少し

人よりは文章が書けると

自負はあるけれど

 それとて

自慢できるlevelでもない

 

僕は唯

仲介者のように

降ってくるものと

受け取るものを結んで

秘かに悦に入る

 narcistかも知れぬ

03/01 06:06:06 万甫

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授業中

2017-03-01 04:23:16 | 

        授業中

 

僕の時間が廻って来ると

一生に一度のチャンスのように

僕は真っ暗闇を移動して

僕の教室に入る

(軽々と 音もたてずに

(忍びの頭領のように

(日常に紛れて 完全に

それから

千載一遇の機会のように

僕は闇雲に

握ったペン先の動くままに

夢中で

前頭葉のもやもやを紡いでゆく

(繭から艶艶の絹絲を取り出すように・・

(僕のそれが シルクの光沢を放つかは

(全くもって 不明だけれど

それが

当たり前の授業のように

天啓からの言葉を漏らさず受け取る

無我に

(真夜中の三時だと

(pierrotたちが姦しく騒いでも

(微動だにせず

生きてゆく為に課された

僕の命題に向かうように

僕は此処に居て

晴れやかに

授業中だ!!

 

一限目が終了すると

僕は速やかに身支度を整えて

二限目の講義室の前に佇む

まるで

当たり籤の引き換えのように

そわそわ わくわくして・・

* 03/01 04:47:04

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