イノチの目次
春分も無事に過ぎ、確かに明るさが暗さを少しづつ追い払ってゆく感覚があるので、五時五十分のこの時刻なら、そんなに配慮したり遠慮しなくても普通の声色で最初の言葉を吐けそうですよね。と言う訳で”~~~ヾ(^∇^)おはよー♪ございます!!”。
予報通り雨の朝です。と言っても、外に出て雨空を眺めているのじゃないですけど、水玉達が大地や建物に衝突して立てる物音が、鮮やかに雨降りの映像を脳裏に描きます。
今朝も午前四時半までには真っ暗闇の空間に存在していました。布団の中で安寧の暗闇に醒めて、暫く、起きるべきか寝るべきか・・まるで単純な禅問答のような一人での質疑応答に参集してきました。
其処に例のもの達の息遣いが聞こえないか?注意深く精査するための数刻を確保し、影も形もないのを確認しては、少しがっかりした気分を持て余しながら、丑と寅の刻の間に起立したのでした。
何時ものようにスムーズに、何時もの手順で何時ものことを手際良く熟し、濃い目のblackcoffeeを傍らに、小さな電熱ストーブで足許に暖を補給しながら模詩を一篇か二篇書く。それから用意ができていれば”随想か徒然”のコラムをひとくさり。若しくはカテゴリーを選んでそれに相応しい画像付きの記事を書き込んでUP。
僕の通常の朝の幕開けはその様に始まり、其の数歩の足跡を今日の日付のTOPに上乗せしてゆくのだ。それから・・。
それから、随分と夜明けが早くなってきて、もはや明るさが充満している六時を回ったら、洗濯機を回し、もう一度淹れた珈琲とパンの朝食を済ませたら、東の方角に連なる山々の頂からお天道様が顔を出すか出さないかのtimingで、何時でも”降ってくるもの達”との一期一会の邂逅のチャンスを想像しては、胸を躍らせながら外に飛び出すのだ。
決まりきった仕草のように、三色(途中で書き込んだ記事の、更なる訂正や加筆の為に便利なのだ)のボールペンと、もはや四分の一程に(百枚は綴られていただろうが)減った伝言memo帳を、気温零℃の防御に纏った中綿入りジャンパーのpocketに押し込んで出発。
それから六十分前後は僕の授業中だ。耳朶を引き伸ばしては、よりたくさんの音を拾うreceiverに。小脳を全開にしては、一言のお触書にも反応して収め忘れのないように。胸の器を究極に磨いては、そこに立つ砂粒程の波紋も見逃さぬように。
そのように、全ての雑念を払拭した上で、真っ新なイノチのnoteに新しいイノチの事を上書きしてゆくのだ。僕の朝毎の仕組みはその様に組み立てられ、それは、この歳のこの日のこの時刻の”確固たる僕”そのものに成っている。
そんな風に積み重ねた日常から、日々折々に吸い上げたさまざまな想いを醗酵させて、何時かそこから滴って来るエキスの様に、僕は十数冊の詩歌集と幾編かのコラム集を編んできたのだ。それは間違いなく、僕が生きた時間を滋養にして産み出されてきた、僕のイノチの目次だとの確かな自負もある。
これから先に幾つの目次を加え、一体何ページの物語を編めるのか!?自分でも期待しながら、最後の重いperiodを打つまで書き継いでゆきたいとの決意を披歴して、ひと先ずは此処でその途次の句読点を置くことにする。
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2017 03/21 06:50:50