明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1990)「被爆国」という言う表現は正しいのだろうか?「被爆国」論では日本政府を免罪することにしかならないのでは? 被爆国論の再考-1

2021年02月23日 12時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210223 12:00)

「被爆国」との言い方をみんなで再考したい!そんな考えをまとめました。3回に分けます。一緒にお考え下さい。

日本政府はアメリカ軍の国民・住民への攻撃を避けるための努力を怠った。被害者ではまったくない!

本年1月22日に核兵器禁止条約が発効しました。画期的なことです。ぜひ締約国を増やすだけでなく内容的な深化も実現したいです。
この際、ぜひ考え直す必要があるのでは?と僕が強く思うのは日本政府への迫り方です。
政府が条約を締結しないことを繰り返すことに対して、「被爆国としておかしい」「唯一の戦争被爆国の政府なのになんなんだ!」という声がたくさん聞こえますが、率直に言って、強い違和感を覚えるのです。

なぜか。そもそも僕には日本政府が原爆の被害者だとはまったく思えないからです。「被爆国政府なのだから条約を締結すべき」というのは「被害者なのになぜ声をあげないのか?」ということですが、おかしくないでしょうか?
日本政府、正確には敗戦までの大日本帝国政府は、アメリカによる原爆による大量虐殺も、その前の都市への無差別空襲や沖縄戦での大量虐殺も、避けることができたし、避けるべきでした。しかし避けませんでした。
その点で国民と住民を米軍の攻撃から守る努力を決定的に怠りました。被害者などではない。無謀な戦争を起こし、国民、住民にものすごい苦しみを背負わせ、挙句にアメリカの攻撃から守ろうとしなかったすごく大きな責任があります。

まず問うべきはこのことです。日本本土や沖縄だけのことではありません。植民地としていた地域もひどい戦闘に巻き込まれました。とくに南太平洋の島々はひどかった。島々と海が米軍に奪われ、その後に核実験が繰り返されました。
それらの責任にかけて日本政府に、戦争でのあらゆる加害の反省の上にたった核兵器禁止条約への参加を迫らねばならないと僕は思うのです。戦争責任を問う中でこそ、政府に平和の道を選ぶことを強制しなければなりません。


核兵器禁止条約発効を祝して 京都市円山公園枝垂桜前で 20210122 守田撮影


国民・住民を守るためにとっとと降伏すべきだった

もちろんあのときアメリカの攻撃を避けるとは降伏して戦争を止めることでした。そして実はそれ以外に道はありませんでした。大日本帝国軍は1944年秋のレイテ沖海戦まで敗北を続けてほとんど壊滅し抗戦能力がなかったからです。
それどころか開戦を決めた「御前会議」に参加していた大臣の誰一人も、実はアメリカに勝てるとは思っていなかった。だったらせめて1944年末の段階で降伏すべきだった。そうしたら本土空襲も沖縄戦も原爆攻撃もなかったのでした。
事実、日本政府は何度も戦争終結の道を模索していたことが分かっています。ただし降伏ではなく都合よく和平をむすび、大日本帝国をそのまま継続させる形で戦争を終わらそうとしていたのでした。

その間にアメリカは1945年3月10日の東京大空襲を皮切りに、多くの都市への焼夷弾(ナパーム弾)を多用した無差別空襲を開始しました。民間人を狙った大量虐殺であり、明らかな戦争犯罪でした。
これに対して日本はほとんどまともな防空活動ができませんでした。とくにサイパン島とテニアン島を日本軍から奪取したアメリカによるB29を使った波状攻撃にまったく歯が立たなかった。毎日、諸都市で虐殺が繰り返されました。
どう考えたって勝ち目はなく、とっとと降伏すべきだった。それなのに大日本帝国は和平の条件を少しでも有利にしようと考えて戦争を長引かせました。繰り返しますがそれがなければ空襲も沖縄戦も原爆攻撃もなしに戦争を終えられたのです。

にもかかわらず日本の指導層の自己保身のため、天皇制の存続のために無残な戦闘が続けられた。「アメリカに一泡吹かせる」とか言って。
そんな中で、多くの若者を年代遅れでアメリカの戦闘機にたちまち撃墜されてしまう攻撃機に載せて米軍艦船に特攻させました。ほとんどはただ撃ち落とされただけ。また太平洋のさまざまな島々でも「玉砕」が繰り返されました。
あまりに腹立たしい。あまりに悲しい。国民・住民を守るために、さらには若き兵士たちを救うために、もっとはやく降伏したら1945年の悲劇などなかったのでした。度重なる大量虐殺や無残な自爆攻撃のすべてを未然に防げたのでした。


日本全土に焼夷弾をばら撒いた米軍のB29戦略爆撃機 アルバカーキ―の核ミュージアムにて 守田撮影

続く

#核兵器禁止条約 #被爆国論の再考を #空襲は戦争犯罪 #大日本帝国政府は国民住民を守らなかった #被爆国 #唯一の戦争被爆国

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明日に向けて(1989)『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会 at せかままcafe 第二回目、こんな感じでした!次は23日(火・休日)午後1時からです

2021年02月22日 22時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210222 22:30)

せかままcafeでのBOOK読み会2回目を行いました!

2月14日に、せかままcafeで2回目のBOOK読み会を行っていただきました。今回はせかままcafeノルウェー店のYoko Shinoharaさんが主宰してくださいました!ありがとうございました。
今回もたくさんの嬉しい感想が寄せられました。
被曝影響のところをガッツリ行い、あまり分かりやすく話せなかったかなあ・・・と思いもしましたが、みなさん、きちんと学びとってくださったようでとても嬉しいです。

読みやすくするためにいくつかにまとめてみましたが、どれにもまたがっている感想もあります。
なお「放課後タイム」とは、講演の予定時間終了後に残れる人でおしゃべりする時間のこと。ずいぶん色々なことがざっくばらんに話せました。
実はこういうなんでも話せる場を広げることも、にょきにょきプロジェクトが目指しているところ・・・。せかままはもう前からそんなあったかい世界を作りだされているのですね~~。ともあれお読み下さい。


せかままcafeでの2回目の読み会から


今回も素敵な感想が!

【分かりやすかった】
◯お話が分かりやすく、とても勉強になった。原爆については学校の歴史で習いましたし、震災から10年も経つのにこんなことも知らないできたのかと自分の意識の低さを痛感しました。
◯守田さんのお話はいつもわかりやすくてありがたいです。(放射線の話とずれますが)守田さんがおっしゃっていた食事の話や、にょきプロの西村さんがお話されていた内容も助産師に通ずるものがあり、興味深く聞いてしまいました。
◯今までぼんやりとしか、わかっていなかったけど、丁寧に解説してくださったので、とてもわかりやすかったです。もっとじっくり読んで落とし込みたいと思いました。録画を子どもたちとも視聴しようと思います。洋子さん、直子さん、ありがとうございました!

【放射能のこと、副読本のことがよくわかった】
◯放射能のこと、原発のこと、近くに住んでいないため、深く考えたことが無かった。読み解きブックはとても分かりやすく、国が子どもたちに出す資料がこれでいいのか、残念な気持ちになった。勉強会の中でなんと言っておられたか、、現場に近い方々でさえ情報に対して感覚が麻痺している、というのも衝撃的だった。さらに無知ってなんて怖いんだろうと思った。放課後ルームでの守田さんのお話がとても刺さった。今なお福島に住んでいらっしゃる方々それぞれの考え方、苦悩など計り知れないと思った。原発事故後の牛乳を測定したら凄い値が出てきたと言う話や野菜の話、鹿の話、、、全てが濃かった。さて明日から自分の生活にどう活かそう。
◯はじめて参加させてもらいました。本日はありがとうございました。世界の方々とのzoomということでとても緊張しましたが、みなさん温かい雰囲気でとてもよかったです。リラックスして参加することができました。
中学生の娘がこの間理科で放射線について習ったというので見てみたら、たった1ページに載っているだけ…なんだかなあと思ったので、理科の先生にこのすっきり読み解きbookを読んで欲しくて、娘に持って行ってもらいました。このすっきり読み解きbookが皆にもっと広まっていって欲しいです。本当に勉強になります。知ることができて良かったです。はじめに、というページを読むと胸が熱くなります。。

【放課後タイムなどでの交流が楽しかった】
◯放課後タイムがおもしろかったです。読み解きブックが生まれたきっかけの方の想いを聞けたのが良かったです。自分の中に生まれた小さな疑問をスルーしないで、同じ想いを持つ方と繋がっていったのもすごいなと思いましたし、こんなにわかりやすい本を作ってくださってありがとうございます!という思いです。1番大事な事が書かれていない「放射線副読本」が、公教育の場を使って拡散される恐ろしさには、とても共感しました。原子力立地給付金の事実にも驚きました‥(私も、もっと額が大きいと思っていたので)。みなさん、とってもリラックスしてのお話しだったので、心地よかったです。
◯世界のママとつながりながら一緒に学んだり考えたり意見交換できたりすること、楽しかったです。また参加したいです☆
◯前半の読み解きはもちろんよかったのですが、質問や作った方の思いなどが聞けたのがよかったです。


次回は明日23日(火・祝日)午後1時から京都市のキッチンハリーナにてです

今回は2回目で放射線被曝の影響を可能な限り小さく見せているところを扱います。ここをしっかりと読み解く中で、被曝の危険性をみんなでしっかりとつかみます
スライドも用意してあります。福島原発事故でどんな被曝被害が出ているか、僕が取材で集めてきた内容をご紹介します。かなりコアなものになりますが、これが原子力防災のコアです。
事故が起こった時なぜとっとと逃げる必要があるのか。一にも二にも被曝が怖いから。反対にここをしっかり把握していないといざという時に逃げ出せなくなってしまいがちなのです。

『放射線副読本』が「原発事故を二度と起こさない」などとは一言も語らないし、被曝の危険性についてほとんどまともに論じないのもこのため。被曝が怖くなければ逃げる必要もないし、原発を避ける必要もない。
だったらこの点を学ぶことこそが最も大事なポイントです。被曝の危険性を覆い隠すトリックをすらすらと見破る素敵なスキルを身に着けるために、今回の読み解き会に来てください。

2月23日(火・休日)午後1時から3時
キッチン。ハリーナにて(京都市左京区北白川西町85-4)
主催 ウチら困ってんねん@京都
参加費1000円(学生500円)

Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/887993125322081


BOOKは現場で購入できます。あらかじめ手に入れたい方は以下からダウンロードしてください。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #放射線防護 #キッチンハリーナ #せかままcafe

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明日に向けて(1988)福島第一原発水位低下問題のその後ー実態がきちんとつかめない!

2021年02月21日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210221 23:30)

主だった変化は報じられてないもののそもそもざっくりとしかわからない

2月19日に東京電力が衝撃的な発表を行いました。福島第一原発1号機と3号機の水位が減っていると言うのです。
13日の震度6強(サイト付近では震度6弱)の地震で格納容器の損傷が拡大したと思われるとのこと。さらに拡大が続けば極めて深刻な状況になるのでどうなることかとウォッチを続けていますが、後続の発表も報道も出て来ない。
それでいろいろと調べてみて、事態がかなりざっくりとしか報じられていないことが分かりました。


福島第一原発の水位低下を報じるTBS(20日)

まず後続の報告では東京電力ホールディングスのホームページに「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」というコーナーがあり、水位について次のように報告されています。(21日午前11時現在)

1号機:現状の水位は、水位計L3(T.P.+6,264mm)と温度計T2(T.P.+5,964mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,744mmである)
3号機:現状の水位は、水位計L3(T.P.+10,064mm)と水位計L2(T.P.+9,264mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,044mmである)

極めて分かりにくいですが、水位はどこかというと1号機なら水位計L3と温度計T2の間ですからその間の300ミリにあるとされているわけです。なおそれから原子炉格納容器底部の数値を引いた値が実際の水位になります。
3号機の場合はこの間が800ミリ=80センチとなっている。その80センチもの幅のどこかが水位だということで、その低下が続いているのか止まっているのかどうかもここからは分かりません。
ともあれ30センチの間のどこか、80センチの間のどこか・・・としかここからは分からない。

では19日以降の変化は確認できるのかというと19日の発表後に出された20日の日報でも同じことが載せられている。つまりやはり水位計と温度計の間にあるとされていて変化があったかどうか確認できないのです。
損傷が拡大しているのか、とりあえずは止まっているのか、肝心なことが霧の中です。


情報開示が少なすぎるー東電を撤退させて廃炉公社に作業を任せるべきだ

こんな状態で東電はきちんと水位を把握できているのでしょうか?
実は19日の会見では別のデータも出されていました。水位が減ると当然にも水の体積が減るので格納容器に与える圧力が下がります。
圧力の変化は水位よりもリジットに把握されているので、この圧力からの水位の推定値(詳しくはS/C圧力から水頭圧換算で計算した評価値)では14日から15日かけてはじまった水位低下の進行具合がグラフで表されています。


東電19日発表の資料より

この続きが出されれば少なくとも水位が下がり続けているのかどうかはより推測しやすいのでこれを出すべきですが、大雑把な報告しかなされていない。事態の深刻さに比して情報開示が不十分であり、残念なことにマスコミの追及も少ない。
このため水位がどうなっているのか分からないし、東電が分かっているのかどうかも分からない。あらためてこれが東電の起こした原発事故なのだと痛感しています。
放射線値が高すぎで必要な多くのことがリジットにつかめないことと東電の情報開示不足、ないし隠ぺいがいつも折り重なっている。

そもそもこれまでたくさんのウソや隠ぺいを行ってきた東電ですから、ひょっとして地震による汚染水漏れの拡大をいいことに、溜まっているものを海に放出しているのではないかとの疑念も生じてしまいます。
いやそもそもまさにいま柏崎刈羽原発でもウソ、不正、隠ぺいを繰り返している東電に、これ以上、事故収束および廃炉作業を作業を任していてはいけないのです。真っ当でうそをつかず、情報をきちんと開示してくれる人々に変えないと。
そのためには東電とは利害を共有しない廃炉公社を作り作業を任せるべきです。この声を大きくしましょう。

#福島第一 #水位低下 #格納容器損傷 #東電 #廃炉公社を

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明日に向けて(1987)福島第一の水位低下を見すえ放射線被曝の危険性をしっかりと把握しよう- 放射線副読本すっきり読み解きBOOK 読み会atハリーナ2回目のお誘い(2月23日)

2021年02月20日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210220 23:30)

被曝の危険性を学ぶことが原子力防災のコア

2月23日(火・休日)午後1時から3時のスケジュールで、『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』のリアル読み会を行います。京都市のキッチン・ハリーナにてです。お近くの方、ぜひご参加していただきたいです。
今回は2回目で放射線被曝の影響について書かれているところ、正確には影響を可能な限り小さく見せているところを扱います。ここをしっかりと読み解く中で、被曝の危険性をみんなでしっかりとつかみたいのです。
1回目で放射線とは何か半減期とは何かなどのアウトラインをつかんだ方にぜひご参加いただきたい。もちろん初めての方にも分かりやすく解説します。

今回はスライドも用意します。福島原発事故でどんな被曝被害が出ているか、僕が取材で集めてきた内容をご紹介します。かなりコアなものになりますが、これが原子力防災のコアです。
事故が起こった時なぜとっとと逃げる必要があるのか。一にも二にも被曝が怖いから。反対にここをしっかり把握していないといざという時に逃げ出せなくなってしまいがちなのです。
『放射線副読本』が「原発事故を二度と起こさない」などとは一言も語らないし、被曝の危険性についてほとんどまともに論じないのもこのため。被曝が怖くなければ逃げる必要もないし、原発を避ける必要もない。

被曝影響のものすごい過小評価は、広島・長崎での大量虐殺後に強められてきました。とくに遺伝的影響が徹底して隠されました。そうでないと広島・長崎への核攻撃が人類への罪として断罪されるからです。
かつまたその後の核実験も当然許されなかったし、核戦略など維持できなかったのです。だから放射線の危険性、人体への影響が本当に何重にも隠されてきました。
『放射線副読本』も明らかにその流れの中で作られています。騙しのオンパレードです。そのトリックを打ち破るためにぜひ被曝被害がどんなものか、今回の読み解き会に来てください。


写真は1回目のハリーナ読み解き会より


福島第一原発の格納容器損傷の拡大-水位低下も見すえながら

昨夜福島第一原発1号機3号機の水位が低下していることが発表されました。東電によると2月13日の震度6強の地震で、格納容器の損傷部分が拡大したと推測されるとのこと。
1号機は遅くとも15日から、3号機は同じく17日から水位低下が始まったとされています。13日に直ちに始まったのではないのは不気味です。その後に裂け目が拡大したわけで、今後のことが強く懸念されます。
最も恐ろしいのは格納容器が大きく破損して溶け落ちた核燃料を水没状態にできなくなること。冷却もできなくなるし、放射線をさえぎる水のシールドが無くなったら放射線値がさらに跳ね上がって、周辺での作業ができなくなるからです。


東京新聞より

そうなったらどう被害が広がるか、予想することは難しいですが、一つはっきりしているのは、事態が深刻化してもまたも東電も政府も人々を逃がしてくれないだろうということです。
それどころか山下俊一氏や高村昇氏らのラインで「放射線災害復興学」が進められています。次の核災害を前提とし被曝環境下で「人々が明るく前向きに生活する」ことを目指すものだそうです。壮大な騙しの準備です。
私たちの側もこれに対して備えなくてはなりません。自分が危険性を自覚するだけでなく、人々を騙しから救うこと、逃げさせるすべを学ばなければ。

そのために『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を使って共に学びたいです。ぜひ2回目の読み会にご参加ください!

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2月23日(火・休日)午後1時から3時
キッチン。ハリーナにて(京都市左京区北白川西町85-4)
主催 ウチら困ってんねん@京都
参加費1000円(学生500円)

Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/887993125322081
BOOKは現場で購入できます。あらかじめ手に入れたい方は以下からダウンロードしてください。
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#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #放射線防護 #キッチンハリーナ

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明日に向けて(1986)要注意!福島第一原発1号機3号機の水位低下 格納容器損傷拡大の可能性大

2021年02月20日 01時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210220 01:30)

水位低下から考えられること

東京電力が昨日19日に福島第一原発1号機と3号機の原子炉の水位か下がっていることを発表しました。
1号機で1.9メートルの水位が40~70センチ下がり、3号機も6.3メートルあった水位が約30センチ下がっているようです。
東電はこれを13日夜に原発を立地している大熊町と双葉町で計測された震度6弱の地震の影響で、10年前の事故で損傷した部分が広がり、原子炉建屋内に漏れ出る量が増えたためと分析しています。


東京新聞より

周辺での放射線値の変化はないそうですが、すでにあった亀裂が広がったのですからとても心配です。
万が一、損傷が拡大して格納容器が大きく損傷してしまうと、いまは格納容器の中に残っているとみられている溶け落ちた核燃料(デブリ)が外に出てしまう。
怖いのはデブリの冷却ができなくなることと、水という放射線に対するシールドも失ってしまうことです。そうなると一気に放射線値が高くなり、今よりももっと原子炉に近寄りがたくなります。

最悪の場合、福一の現場にすらいられないのではないか。その中でデブリの冷却ができなくなり、対処ができなくなるわけですから避難を拡大するしかなくなってしまう・・・。

その他、あれやこれや考えられますが、明日になったらさまざまな人士にお聞きするなどして状況をより深くつかみたいと思います。
ともあれいまは原発に近い方に十分な警戒を呼びかけます。
とくに怖いのは大きな地震が再度起こること。ちょうど20日で気象庁が警戒を呼びかけた一週間が過ぎることになりますが、まだまったく安心できません。


地震大国で原発はあまりに危険

今回、私たちはあらためて地震大国におかれた原発があまりに危険であることを突きつけられています。
稼働原発だけではありません。すでに激しく壊れている福島第一原発もとても危ない。今回も揺さぶられて裂け目が拡大しています。
原発は地震がなくても世界各地で深刻な故障事故を起こしていますが、その上に日本では世界で起こる震度6以上の地震の2割が起こっているのです。

しかもいま、動いてない原発で核燃料が入っているのは、堅牢でもなんでもない燃料プールの中です。
きわめて脆弱なプールの中に恐ろしい物質が沈められている。
それやこれやで地震のたびに「原発はどうなった??」とドキドキしながら懸命に情報を集めなければならないのです。

ともあれいまは福島第一原発の現状にみんなで十分に注意を傾けましょう。
つかんだ情報は-真偽を見極めながらですが-どんどんシェアして私たちの力で私たちを守りましょう。
それをしながら、原発を即時止めて廃炉にせよ!の声を高めていきましょう。


TBSより

#福島第一 #水位低下 #格納容器損傷の広がり #震度6 #地震大国の原発はあまりに危険

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明日に向けて(1985)朗報です。再び東電ともに国に賠償を命じる判決が出ました(東京高裁)

2021年02月19日 22時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210219 22:30)

千葉県内に避難した人々が勝訴

本日19日に福島原発事故のために千葉県に避難した人々が東電と国を訴えた裁判の控訴審が行われ、東京高裁が東電とともに国の責任を認め、賠償を命じる判決を下しました。
同様の裁判は約30件行われていますが、控訴審判決は今回が三つ目。昨年9月に仙台高裁が東電と国の責任を認め、今年1月に東京高裁(足立哲裁判長)が国の責任は否定、今回は東京高裁(白井幸夫裁判長)が東電と国の責任を認めました。
画期的なのは一審千葉地裁では認められなかった国の責任が認定されたこと。逆転判決です。勝訴を勝ち取られた原告のみなさま、弁護団、支援者のみなさまにお祝いと感謝の拍手を送りたいと思います。


原告勝訴を報じるNHK

判決は次のように述べています。「平成14年に国の地震調査研究推進本部が公表した長期評価に基づいて津波の評価をしていれば、原発の敷地の高さを大きく超える津波が来る危険性があることを認識できた。防潮堤の設置などの対策を取れ
ば、すべての電源を喪失する事態にならなかったと認めるべきだ」「元の居住地へ帰るために暫定的な生活を続けるか、帰るのを断念するかといった意思決定をしなければいけない状況に置かれること自体が精神的な損害だ」。
事故に対する国の責任の明確化とともに、避難生活に対する慰謝料だけでなく、生活の基盤が大きく変わったことも賠償対象としていて素晴らしい。みんなでこの勝訴を喜びたいと思います。


避難者の率先避難こそが被害を軽減し原子力政策に待ったをかけてきた

福島原発事故からもうすぐ10年になりますが、改めて確認したいのはこうした避難者みなさんの率先避難とその後の努力が、被曝影響を少しでも減らしてきたし、原発廃炉促進の力ともなってきたことです。
「率先避難」とは災害に際して先んじて逃げ出すこと。それが正常バイアスなどの罠にとらわれ、逃げ出すことができずにいる人の避難を促すのです。
あるいは避難できなくても、せめて水や食べものに気をつけるなど、多くの方に放射性物質からの被曝を防護する意識を喚起することになりました。

残念なときにあのとき、日本のどの政党も、革新団体も、宗教団体も、組織としての避難の呼びかけをしてはくれませんでした。この点はぜひ捉え返していただきたいです。社会変革にとってとても大事な点だからです。
しかしそんな中でも多くの人々が自主判断でどんどん動きだしたのでした。あっという間に政党も、組織も越えられました。
さらにその後、全国に散った避難者の方たちが、原発事故の恐ろしさと被災することの悲しみを各地で語りだし、それぞれの地域の脱原発運動の大きな推進役となったのでした。


法廷に向かう千葉訴訟原告・弁護団 朝日新聞


さらなる裁判勝利で原子力政策を止めていこう 

これらの結果、現在、稼働可能な原発は33基まで減り、そのうち再稼働しているのは9基(ただしたった今の実働は川内2基、玄海1基、大飯1基のみ)です。福島原発事故前の54基から大きく減りました。
原発の稼働をめぐる裁判でもたびたび運転停止命令が出されて、これに加えて原子力規制委員会の設置許可を取り消す判決も出ています(昨年12月大阪地裁)。
これらにより電力会社も国も原子力政策の展望を失うばかりで悶絶しています。社会的に罰せられ、賠償を課せられることも大きな痛手。しかもそんな中で時間を稼ぐ予定だった海外への輸出計画もすべてとん挫してしまいました。

もちろん原発はまだ稼働していて危険だし、核廃棄物の問題はこれから未来にわたって長く続いていきますが、それでもこれだけの原発がとまり、廃炉になったことで私たちの安全マージンは大きく広がっています。
その展望を大きく切り開いてくださったのが率先避難者のみなさんでした。私たちは私たちみんなと未来の人々の命と幸せを守ることに貢献してくれている率先避難者の活動に、再度、感謝とリスペクトの拍手を送りましょう。
また、だからこそ、後続の裁判も上告審も共に勝ち、その中で原子力政策も止めていきましょう!


原子力発電所の現状 2021年2月8日時点 資源エネルギー庁

#原発賠償千葉訴訟高裁勝訴 #国の責任を認める #原発再稼働反対 #率先避難者に感謝を 

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明日に向けて(1984)『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会、「せかママcafe」と「キッチン・ハリーナ」で2回目を行います!ぜひご参加を(本日14日と23日)

2021年02月14日 13時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210214 13:30) 

連投をお許しください。本日14日(日)午後9時からと23日(火祝日)午後1時から『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会2回目を行います。
といっても1回目に参加してなくてもまったく大丈夫!また1回目だけ参加の方にもぜひその続きに参加していただきたいです。以下、明日に向けて(1963)をリメイクしてお伝えします。

 BOOKはこんな風にして作りました!

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会、いろいろな形で行われています。
たくさんの方にご参加いただけているのは、とても分かりやすく作れたから。自画自賛なのではありません。一緒に作成に参加した高橋さちよさん、中村あゆ美さん、にしむらしずえさんの力によるところが大きいです。
3人とも「放射能のことを何も知らず、政府のことも信用している人たちをおいてきぼりにしないで一緒に歩んで一緒に考えて、被曝の危なさにみんなで気づいていきたい」と語り、BOOKをそのように編むことに懸命になりました。

舞台裏を明かすと、基本的には僕がベースとなるスクリプトを作ったのですが、それをみんなでポンスカトントンとものすごく叩く。
「守田さんはすぐに怒るからダメ!」とか「すぐに難しい答えをいうからダメ!」とか「そんなん言ったら、なんでも文句つけたがる人に思われる!」などなどダメ出しの連続。でもそれは僕にとってもとても新鮮な体験でした。
それは4人全体にとってもそうで、一巡して最後までいったら、それぞれの言葉がなんだか決めつけ的に見えてきた。それで作り直して三巡目に入ったら、また「ああ、こんな言い方では心に届けへんな」と新しいことが見えてきました。

それで1年間かけて、頭から終わりまで三回巡回して現行のものに辿り着きましが、それで完成したのかというと、その後の読み会からのフィードバックなどでさらにバージョンアップが重ねられています。
この繰り返しの中から、新たな話の輪を広げられたらいいとも思っています。そうやって自由闊達にみんなが話し合える場を広げようというのも、わたしたち「にょきにょきプロジェクト」の思うところです。


にょきにょきプロジェクトのBOOK作成ミーティングより


世界への広がりが嬉しい。

そんな思いで作ったBOOKの読み会、世界にも広がっています。
とくに在英日本人有志の方たち、加藤啓子さんなどが中心になってくださって、欧米におられる方とzoomでつながって3回の読み会が実現されました。
またそこから派生して同じく在英の西川直子さんを中心に「世界のママが集まるオンラインカフェ」と「EARTHママ」共催の読み会を行っていただきました。今回はその「せかママcafe」での2回目の読み会が行われます。

今回、中心になってくださるのは、せかママカフェ、ノルウェー店の篠原ヨウコさん。本日14日(日)の日曜日、日本時間21時~22時半に行います。
ノルウェーではオスロで13時~14時半、ドイツ、フランスも同じかな。ロンドンは12時~13時半、アメリカ・ニューヨーク7時~8時半です。
今回はzoomに加えてFacebookでのライブ配信もするので、よりたくさんの方にご視聴いただけます。積極的に質問もしたい方はぜひzoomでご参加ください。

こういう世界各地とのつながりは、僕にはコロナ禍でなければ出来なかったものでした。しかしできてしまえばコロナに関係なく広げられる。
これまで世界への発信のためには英語を頑張らねばと思ってきたし、その努力はこれからも続けますが、しかし世界各地にさまざまな言語圏と日本語圏を繋いでくださる方がたくさんいます。
今回、はからずもその輪ができたのがとても嬉しいのです。みなさんにもこの輪に入っていただきたいです。


せかままcafeの案内をご紹介します!こちらからお申し込みを

第2回 世界のママが集まるオンラインカフェ 勉強会
原子力発電所と 放射線について知ろう ~すっきり読み解きBOOKを読む~
2月14日(日)日本時間21時~22時半 録画視聴OK
https://onl.tw/Sb618VD
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★

世界のママが集まるオンラインカフェ、ノルウェー店の篠原ヨウコです。
もうすぐ東日本大震災から10年がたちますね。
大震災がおこったとき、私はすでにノルウェーにおり
こちらのTV局から流れてくる日本からのニュースを、
茫然とした気持ちで見ていたことを覚えています。

大震災で原子力発電所が被害を受けたにもかかわらず、
自分たちの命に関わる現状が伝わってこない、
そもそも原子力や放射線の事がよく分からない。

モヤっとしていて良く分からない
原子力発電所や放射線、そして再生可能エネルギーなどについても
詳しい情報を得て、自分の意見をもてるようにしませんか?

第1回目に引き続き、京都で「にょきにょきプロジェクト」の活動をされている守田敏也さんをお招きして、放射線について学んでいきます。
チケットの申し込みはこちらから にょきにょきプロジェクトへの応援もお願いします!https://peatix.com/sales/event/1765473/tickets



せかままcafe1回目はこんな感じでした


京都市のキッチン・ハリーナでも2回目の読み会を行います!2月23日(火・祝日)午後1時から

こちらは京都市のキッチンハリーナにてやはり2回目の読み会です。
ウチら困ってんねん@京都主催。詳しくはFacebookイベントページをご覧下さい。
https://fb.me/e/1bw0Z23aU

みんなであれやこれや語り、言いたいことをポンスカいいながら、にょきにょきと顔を出し、声をあげ、私たち民衆の力を強めていきましょう!


ハリーナでの1回目より

#放射線副読本 #すっきり読み解きBOOK #せかままcafe #放射線防護 #にょきにょきプロジェクト

*****

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明日に向けて(1983)宮城県・福島県で震度6強の地震発生!さらなる地震に警戒を

2021年02月14日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210214 11:00)

地震のエネルギーがまだまだ溜まっている可能性が

昨日2月13日午後11時7分に宮城県と福島県で最大震度6強を観測する地震が発生しました。
この地震でいまのところ100人の方がケガをされたと伝えられています。お見舞い申し上げます。
一方、亡くなられた方の情報はまだ入っていません。また深刻な家屋の倒壊、大きな事故の発生も入っていません。原発も福島5,6号機の燃料プールから水が溢れたこと以外、特段の異常の報告は出ていません。

気象庁はこの地震は10年前の「東日本大震災を起こした地震の余震と考えられる。今後一週間程度、同規模の地震に注意して欲しい」と呼びかけています。
実際に2016年4月に発生した熊本地震では14日21時26分に震度7(最大震度)の地震が発生し、さらに16日1時25分にも震度7の地震が発生しました。この間の15日0時3分にも震度6強の地震が発生し、16日以降も地震が続きました。
同じようなことが起こらないことを祈るばかりですが、可能性は高いです。十分な備えが必要です。震源地に近い方は避難の準備も含めてぜひとも備えを逞しくしてください。


tenki.jpより


地震の可能性が高まっているのは東北だけではない

同時にぜひとも今回の地震を「他人ごと」にせず、それぞれのお住まいの地域で地震対策を強めていただきたいです。
こう書くのは2020年は日本中のどこでも大きな地震(震度6弱以上)が起きなかったからです。震度5弱以上が4回。反対に言えばその分、エネルギーが溜まっており、いつ大きな地震が起きても不思議ではない状態と考えた方が良いです。
この点、昨年末に行った連載「原発からの命を守るために」の中で詳報しましたが、(明日に向けて1940など)再度、同じことを書いておきます。

2020年の震度5弱以上の地震は3月13日石川県能登地方地震(震度5強・M5.4)、6月24日千葉県東方沖地震(震度5弱・M6.2)、9月4日福井県嶺北地震(震度5弱・M5.0)、11月24日茨城県沖地震(震度5弱・M5.7)だけでした。
これに対して2019年には震度5弱以上の地震が9回、2018年には11回起きました。しかも4月島根県西部地震が震度5強、5月長野県北部地震が震度5強、6月大阪府北部地震が震度6弱とより大きな地震が多発しました。
9月には北海道胆振東部地震(震度6強)が起こり、北海道が一次全域でブラックアウト。大阪と北海道の地震では犠牲者も出てしまいました。こうした震度5弱以上の地震は2017年は8回、2016年熊本大地震を含め33回でした。

日本列島では地震は周期的に必ずおきます。とくにプレートのぶつかりから生じる海溝型地震とひずみ集中帯地震は必ず起こる地震です。
それらから2020年は地震が少なかった分だけ、地震のエネルギーがより溜まっていると考えるべきです。


地震・火山月報のデータを合成


ひずみ集中帯地震も怖い

海溝型地震、内陸地震、いずれも怖いですが、注目すべなのは最近になってはじめて発生の仕組みがつかめだしたひずみ集中帯地震です。
海溝型地震は、海側からプレートが押し寄せてきて、列島が乗っているプレートの下に潜りこむ状態の中で発生する地震です。潜りこむときに列島のプレートの一部を巻き込むのですが、それが一定の間隔ごとに元に戻る際に発生するのです。
ひずみ集中帯地震は、それまでの間、海側から押されてできた「ひずみ」で発生する地震ですが、分かったのは1995年の阪神大震災後。GPS機能が発達し、精密な地震観測が可能になったためでした。

大事なのはこの国の地震対策がそれ以前に作られていて十分に更新されていないこと。とくに原発のほとんどがそれ以前に建てられたことです。「ひずみ集中帯」など知らずに建設を進めてしまったのです。
北海道地震で大停電が起こったのも「ひずみ集中帯」の上に北海道の電力の半分も賄う火力発電所が置かれていたためでした。地震で激しく壊れてしまい、北海道全体がブラックアウトになる引き金となったのでした。
これが冬だったら大惨事になっただろうし、同じようなことが原発で起こったら、福島原発事故の再来になりかねませんでした。福井の原発銀座も世界最大規模の柏崎刈羽原発もひずみ集中帯の上!絶対に動かしてはならないのです。

ともあれ大事なのは、次の地震に備えること。やはり宮城・福島県は可能性が高いので震度6強以上に備えてください。でも日本中の他のどこでも大きな地震が起こって不思議はないのです。逞しく備えましょう。
ご家庭での対応のノウハウなどがたくさんネットで流されているので、対策を重ねてください。1人1人が小さな対策を積み上げておくことで、地域全体として地震への強さが高まります。
また原発との関係ではぜひとも万が一の避難を考え計画しておいてください。稼働原発に近い方(半径250キロ以内の方)は安定ヨウ素剤も手に入れて下さい。大災害から命を守りましょう。


ANNの報道より

#震度6強 #宮城福島 #海溝型地震 #ひずみ集中帯 #地震と原発  

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明日に向けて(1982)コロナ禍の社会をどう生きるか ー藤原辰史さんに聞いてみようー(2月15日月曜日日本時間の午後7時からzoomで行います)

2021年02月13日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210213 23:30)

コロナの中をどう生きるか。藤原さんに聞いて考えよう!

タイトルに掲げた企画を行います!実は昨年6月に一度企画したもの。藤原さんが「パンデミックを生きる指針」という一文を書かれ、多くの方が共感したことを受けてのことでした。
しかし企画の中心を担っていた僕の兄が危篤になり、急きょ、延期させていただきました。兄は残念ながら亡くなりましたが、最後の数日、しっかりと見送ることができました。ありがとうございました。

さてさてあらための企画は2月15日(月)午後7時からです。zoomで開催します。主催はウチら困ってんねん@京都です。
司会を蒔田直子さんが務め、まずは藤原さんに1時間たっぷりと話していただきます。続いて僕・守田が20分ほどコメントさせていただき、その後、みなさんから質問をいただいて質疑応答にしたいと思います。
ただしかなりの人数の参加がすでに見込まれているため、質問はチャットで書き込んでいただき、こちらでそれを拾い上げてお答えしていただく形をとります。その点、ご了解ください。

以下に案内を貼り付けますが、あらかじめてお伝えしておくと、ブログ・ホームページ・Facebookタイムライン・イベントページに掲載されている藤原さんと蒔田さんと守田の写真の真ん中に貼ってあるQRコードから申し込みにすぐに飛ぶことができます。
申し込んでいただくとすぐにzoomのアドレスとパスコードをお送りできます。



2月15日(月)日本時間午後7時から9時まで。zoom開催です!

緊急事態宣言がさらに延長された2月、私たちはコロナ感染への怖れや、ますます広がる貧富の差、これからの生活や身近な人間関係など、毎日の暮らしの中でさまざまな困難に直面しています。
それは不安で、先が見えないトンネルのように感じられます。
昨年4月に藤原辰史さんが発表された、「パンデミックを生きる指針」は大きな反響を呼びました。これまでにない事態の中で、私たちは今を生きる手がかりを求めていたからです。
https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic

藤原さんは、農と食べ物、毎日の暮らしを軸足に据え、100年の歴史を紐解いて過去の声に耳を傾け、現在から未来へと視線を向けます。
どうにも信用ならない政府が、無能なだけでなく基本的人権を制限し、いっそう管理が強まるのではないか?そんな不安もあります。私たちが自分でものごとを考え、確かな足どりで歩き始めるために、知恵を寄せ合う時間を持てたらと思います。
ぜひふるってご参加ください。

以下のフォームからご予約をお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfRMB3WyzMbp0KKY2XMY33EGDVjsjUYPjuNzjBGJHfwX1gdTQ/viewform?vc=0&c=0&w=1&flr=0

参加費・・・投げ銭、お気持ち次第でけっこうです。でもわれはと思う方はぜひ支えてください。
ゆうちょ銀行 448支店 口座番号 14440-50025191 
ウチラコマッテンネンアットマークキョウト

なおすでに参加予定が100名に近づいているので+6700円を払ってzoomをアップグレード。大人数でも参加できるようにしました。
初めは100名までと宣伝していましたが、いまは500名まで可能ですのでどうか安心してご参加ください。よろしくお願いします。

*お話 藤原辰史さん
京都大学人文科学研究所准教授
専門は歴史学、とくに農業史と環境史。20世紀の食と農の歴史や思想について研究しこれまで、戦争、技術、飢餓、ナチズム、給食などについて考えてきた。
『ナチス・ドイツの有機農業』『カブラの冬』、『稲の大東亜共栄圏』、『ナチスのキッチン』、『食べること考えること 』、『トラクターの世界史』、『戦争と農業』、『給食の歴史』、『食べるとはどういうことか』、『分解の哲学』、『縁食論』、『農の原理の史的
研究』など著書多数。

シリーズ「疫病と人間」より 
https://mainichi.jp/articles/20200829/ddm/010/040/007000c

*コーディネーター 守田敏也
フリーライター。京都「被爆二世三世の会」世話人、兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員を兼ねる。福島原発事故降、被曝地を度々訪問。
各地で放射線防護と原子力災害対策の講演を行い、丹波篠山市では安定ヨウ素剤の事前配布を実現。ヨーロッパでも度々講演し、日本からの原発輸出が計画されているトルコに4回訪問している。ブログ「明日に向けて」で情報を発信。
著書に原子力災害対策をまとめた『原発からの命の守り方』(海象社)、共著に物理学者矢ヶ﨑克馬氏との共著『内部被曝』(岩波ブックレット)、『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』(にょきにょきプロジェクト)がある。

ブログ 明日に向けて
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011


「パンデミックを生きる指針」を伝える京都新聞 「いい記事を書いてくださいました」と藤原さん・・

#コロナ禍の社会をどう生きるか #パンデミックを生きる指針 #藤原辰史 #ウチら困ってんねん京都 #蒔田直子 #守田敏也

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明日に向けて(1981)要注意!「放射線災害復興学」=核事故の被曝下で生きよと唱える学問が始まっています!-『すっきり読み解きBOOK』読み会へのお誘い(2月14日午後9時~、23日午後1時~)

2021年02月12日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210212 23:30)

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会を再び開催します。
2月14日(日)午後9時から10時半 せかままカフェ主催
2月23日(火祝日)午後1時から3時 ウチらこまってんねん@京都主催
詳しくは記事をご覧下さい。


放射線災害復興学にご用心!

放射線災害復興学というものを知っているでしょうか。長崎大学と福島大学の共同プロジェクトとして始まり、広島大学でも始まっています。
中心になっているのは高村昇教授。かの山下俊一氏をサポートしてきた御仁であり、「放射線副読本」の執筆者の一人です。
このことを教えて下さったのは、高槻市でクリニックを解説している山口研一郎医師。長崎医大出身で山下俊一氏と同窓生で、福島で人々を騙した山下俊一氏を鋭く批判されている方です。

山口さんは『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』も丹念に読んでくださり、嬉しい評価をして下さいましたが、同時に「副読本」執筆陣に高村昇医師がいることを指摘し、この方が「核との共存」について研究していることを教えて下さったのです。
「原発反対小浜市民の会」の機関紙「はとぽっぽ通信」227号(2019年2月)にも「原発被災地・フクシマに漂う『核との共存』ー被爆地・ナガサキも同じ過ちを経験したー」というタイトルの論稿を寄せて言及されています。


広島大学のプログラムのバナー

核との共存を学問体系化?

山口さんの論稿の「『核との共存(放射線災害への対応と復興)』の学問的体系化」から抜粋させていただきます。長崎大学の広報誌「Choho」(2017年3月発行)に載った長崎・福島両大学の共同事業を説明してこう記しています。

「長崎大原医研教授の高村昇氏が、共同大学院の目的・構想、しくみについて解説しています。「放射線復興災害学」という新語が提起され、放射線災害を生じた場合の対応、災害後の長期的復興について、「学問体系」化し人材を育てるの
が設置の目的とされます。ここでは、原発の存在が大前提であり、その結果「次の複合災害」が生じることを仮定して対策が立てられています」
「その他誌面には、随所に「リスクコミュニケーションを通して、住民が明るく楽しく毎日を送れる」「新たな村作り」「放射線の不安を持っている人たちの科学的な理解を深め、その不安を緩和するためのコミュニケーションができる人材」「放射線はわれわ
れの生活になくてはならないもの」といった文面が並び、共同大学院の理念といったものが見えてきます」。

引用はここまでとしますが、ともあれ驚くべき「学問」です。次の原発事故、ないし核事故が起こることを前提し、放射能汚染下で「住民が楽しく毎日を送れる」ようにする。そのために「不安を緩和する」というのです。
これはひどい。端的に言ってまたしても人々を騙して被曝の危険性をないものにし、放射線防護意識を解体し、避難などさせずに人々を被曝するがままそこにまかせようというのです。実際に山下俊一氏と高村昇氏が10年前に福島で行ったことです。
危険な原発事故をなくそうと努力するのではなく、次の事故のときに人々を「怖がらせない」=被曝を受け入れさせることを狙ったひどい内容です。そのための研究が学問の名の下に進められつつあるのです!


「放射能から社会と子どもを護る」といいながら「社会不安の軽減」「コミュニティ再構築」「放射能汚染ストレス下における健全な子育て」などの言葉が並ぶのみ

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』の活用で、放射線被曝の危険性をきちんとつかもう

「放射線災害復興学」を「放射線副読本」の執筆者の一人である高村昇氏が進めているのはある種の必然性があります。副読本そのものが、被曝の危険性から目をそらさせることを目的に編まれているからです。
その点で「放射線災害復興学」で使われているテクニックは「副読本」とよく似ていると思われます。だとするならば私たちの側は、「放射線副読本」をしっかりと批判的に読み解いていくムーブメントを広げる必要があります。

そもそも各地の原発は今も小規模な故障事故を繰り返し、放射能漏れも起こしています。そもそも福島原発からも漏れ続けている。その上に不幸にしてまた深刻な事故が起こるかもしれない。
だから人々の命を被曝から守る動きを逞しく強めていく必要があります。有効なのは被曝を強制しようとしている側の騙しのテクニックをしっかりとつかみとること。騙されない賢さを身に着けることです。
そのためにBOOKはとても有効だと自負しています。ぜひ各地の「読み会」に参加してください。主催もしてください。


写真はキッチンハリーナでの第1回読み会より


次の読み会は2月14日(日)午後9時から!2月23日(火・祝日)午後1時からも行います

次の読み会は2月14日(日)午後9時から。世界各地にいる日本人ママさんたちをつないだ「世界のママが集まるオンラインカフェ」での2回目の取組となります。
今回、中心になってくださるのは、「せかママカフェ・ノルウェー店」の篠原ヨウコさん。日本時間2月14日(日)21時~22時半、オスロ・ボン・パリ13時~14時半、ロンドン12時~13時半、アメリカ・ニューヨーク7時~8時半です。
今回はzoomに加えてFacebookでのライブ配信もするので、よりたくさんの方にご視聴いただけるかと思います。

詳しくは以下をご覧下さい。
https://onl.tw/Sb618VD
チケットの申し込みをこちらからお願いします
https://peatix.com/sales/event/1765473/tickets


せかままcafe企画のバナー


その次は2月23日(火・祝日)午後1時から京都市のキッチンハリーナにて行います。

ウチら困ってんねん@京都主催です。詳しくはFacebookイベントページをご覧下さい。
https://fb.me/e/1bw0Z23aU

なおBOOKは以下から無料ダウンロードできます。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/
クラウドファンディングもお願いしています。よろしくお願いします。

#放射線災害復興学 #山口研一郎 #高村昇 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #放射線防護 #にょきにょきプロジェクト #せかままcafe

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