明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1380)どうなる?東芝・高浜・福島 後藤政志さん・筒井哲郎さんにお聞きします。

2017年05月11日 12時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)
守田です(20170511 12:00)

原発メーカー東芝が坂を転げ落ちるように崩壊しています。安倍政権の成長戦略の主要な柱の原発輸出路線が大きく揺らいでいます。残りの原発メーカー三菱重工も日立製作所も苦況に陥っていて経済誌でさえ輸出政策が無謀であることを指摘し出しています。

これに対し政府と原子力規制委員会は原発再稼働を急いでおり、高浜原発がこの5月17日にも再度、動きだそうとしています。輸出の道が閉ざされて焦っているのでしょうが、だからこそとても危険。この流れを止めるために東芝・高浜・福島を最もよく知るお二人の緊急講演会を設定しました。大津市、京田辺市、京都市の3会場で行います。

まずお二人に話していただいてから、僕がコーディネータを努めて、ディスカッションをしてみんなで内容を深めていきたいと思っています。ぜひご参加ください。

後藤政志さんをご紹介します。後藤さんは博士(工学)で1989年から東芝で柏崎刈羽原発6号機、浜岡原発、女川原発の格納容器設計に携わられ2009年に退職されました。
福島原発事故時は何が起こっているのかを的確に解説され、その後技術者などからなるNPO法人APASTを主宰しつつ国の再稼働の動きを批判し続けておられます。原子力市民委員会などさまざまな分野で活躍されています。
最近では東芝問題でも社会的発言を深めておられます。原発輸出を進めた東芝の幹部たちの内情もよくご存知ですが、ゴシップ的な話題は極力避けて、原発輸出の何が最も問題だったのかをきちんと抽出し、分かりやすくお話されているので、ぜひ聞いていただきたいです。すでに一度、4月23日に京都市で緊急講演をしていただき、その主旨を「明日に向けて」にまとめていますが、今回はこれに加えて17日にも4号機が再稼働されようとしている高浜原発の構造的危険性についてもお話いただきます。
なお僕とは福島原発の事故当時、後藤さんの発言を僕が次々とノートテークし、文字起こしして発表したことからご縁を結ばせていただいてきています。これまでに京都市、舞鶴市、彦根市などでもジョイント講演をさせていただいています。

続いて筒井哲郎さんをご紹介します。筒井さんは東大工学部卒で1964年から千代田化工建設で国内外のプラント設計・建設に携わり、イラク製油所プロジェクトのエンジニアリングマネージャーを務められました。ほかでも各種のプラント建設にプロジェクトマネージャーとして関わられた経験をお持ちです。現在はプラント技術者の会や原子力市民委員会などで原発の危険性を訴え続けておられます。APASTの理事でもあります。
僕は後藤さんのご紹介でお会いさせていただきました。そのときイラクで数千名の技術者を率いてプロジェクトリーダーをされた経験を聞いて「凄い方だな」と思ったのですが、そのとき筒井さんが「守田さん。私たち技術者は束でなんぼなんですよ。1人じゃ何にもできないのです。集まらないとダメなのです」とおっしゃったことがとても印象的でした。ちっとも偉そうなところがなくて、ますます「本当に凄い方だなあ」と思いました。
筒井さんはアマゾンブックレビューでも有名な方で、実にたくさんの書評をなされています。しかもどれも的確です。僕の本もとても良く紹介してくださっています。以下をご覧下さい。

書評「内部被曝」
https://www.amazon.co.jp/review/RYVAX92WRS2DJ/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4002708322&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books
書評「原発からの命の守り方」
https://www.amazon.co.jp/review/R1SF9YWLEW6YBN/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4907717431&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books

後藤さんも筒井さんも、豊富な現場経験をお持ちで、そこから原発の抜本的な危険性、再稼働に向けた新規制基準の愚かさ、そして難航する福島原発の事故処理の現状などを解き明かされ続けています。
それにとどまらず、安全工学の考え方や技術のあるべき姿も説かれているのですが、こうした方達のお話を聞いていていつも思うのは「実は日本の技術はこんなに高度で優秀なんだ」ということです。
こうした技術者のまっとうな声が通れば、社会はもっと安全でよくなるはずなのに、それを政治と経済が歪めているのです。僕はお二人のお話を聞かれるみなさんに、単に原発の危険性だけでなく、本来、技術とは何なのかを学び、考える契機もつかんでいただければと思っています。

そもそも技術は私たちの世を成り立たしめる根本にあるものであり、それそのものが社会的共通資本です。けして市場の弱肉強食の論理や、官僚の恣意的差配に委ねてはいけないのです。
技術者と市民からなるもっと開かれた社会的共通資本としての技術の管理のあり方を私たちは見つけだしていく必要があります。
そんなことをも射程に含めつつ、ぜひ学びに来てください。

大津会場
5月18日(木)
午後5時半から8時まで
大津市生涯学習センターにて
JR琵琶湖線「膳所駅」下車徒歩20分
主催 後藤さん筒井さんの話を聴くしが実行委員会
連絡 09082080423 にしむらしずえ

京田辺会場
5月19日(金)
午後1時半から3時半まで
京田辺市社会福祉センター3階和室
近鉄新田辺駅下車徒歩15分
主催 3.11ゆいネット京田辺
連絡 09021901258 坂本まゆみ

京都会場
5月19日(金)
午後7時過ぎから9時半まで
当日は関西電力京都支店前行動があるので終ってから始めます。
キャンパスプラザ京都第1会議室
JR京都駅下車徒歩3分
主催 自由と平和のための京大有志の会
連絡 09050155862 守田敏也

参加費は各会場とも1000円

〜お二人の話を同時に聞くことができる機会は、しが、京都では滅多にありません。ぜひお誘い合わせの上、ご参加ください!〜

全体統括
後藤さん筒井さんの話を聴く会(09050155862守田敏也)

Facebookイベントページも紹介しておきます。
https://www.facebook.com/events/312551532497978/
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