明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1382)被ばくのリスクといかに向き合い生き抜くのか(5月27日西宮市でお話しします)

2017年05月23日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)
守田です(20170523 23:30)

5月27日阪神・市民放射能測定所4周年企画に呼んでいただきました。西宮市勤労会館で午後1時よりお話しします。
測定所の設立記念に呼んでいただけるのはとても光栄です。しかもこの測定所では4年前の開設式にも呼んでいただいています。
放射線被ばくから人々を守るために奮闘してきたみなさんの4年間の思いをしっかりと受け止めてお話しします。

今回は以下のような構成でお話しします。
1、福島原発事故後の放射線被ばくの現実
各地への取材の中でつかんできた、「いま実際に起こっていること」をお話しします。岡山に避難移住された三田茂医師からいただいた、東京での被ばくデータの一部も紹介します。
2、被ばく影響が深刻化していながらなぜそれがまともにとりあげられないのかの原因についてお話しします。端的には放射線防護学が広島・長崎の被爆者調査を下に、核戦略を進めるアメリカのもとで作られて来たこと、だからこそ被ばく影響が徹底的に過小評価されたことについてです。先日参加した「全国被爆2世3世交流と連帯の集い」の中での被爆2世の健康問題を扱った分科会で得た最新の知見についても触れます。
3、被ばく影響過小評価のからくりの根幹にある隠されて来た被ばく=内部被ばくの実相についてお話しします。
4、被ばくの避け方を外部被ばくと内部被ばくの双方、および両者の合わさった「汚染」に即してお話しします。なおこれらは黄砂やpm2.5からの防御にも適用できます。
5、被ばくに対抗するための食べ物の選び方や食べ方についてお話しします。

前半が被ばくの現状と歴史と論理、後半がリスクと向き合うための実践編です。
これからの時代の中で命を守り抜くための知恵です!

ちなみに僕はこの間、群馬県に繰り返し講演に赴いたり、あるいは各地からの避難者の方達から情報を頂いたりする中で、被ばく影響が本当に深刻にあらわれていることを痛感しています。
これに向かい合おうとしない点において、この国の現政権や為政者たちが滅びることはもはや確実なのですが、問題はこのままでは多くの人々がこの崩壊に巻き込まれてしまうことです。
この事態を転換するためにまず一人一人が命を守っていただき、同時に、命を守るすべをつかんでできるだけ多くの人に伝えていただきたいのです。
守るべきは子ども達だけではありません。もちろん子どもを守ることは当然ですが、しかしそのためにも大人達が身を守らなくてはなりません。大人が倒れたら子どもを守れない。

また「自分は高齢者でどうせもう先が長くないからいい」とおっしゃる方が時々おられますが大きな間違いです。
「先が長くない」といっても、その期間をどのように過ごすのかで人生は大きく変わります。
最後まで楽しい生を送れるのか、それとも病の苦しみにもだえながら生きるのかです。

この間、よくみられるのは、被ばくによって現にある身体の弱み、悪いところが急速に悪化していくことです。
もともと高齢化することは、さまざまな身体の不調がでてきたり、何らかの病にかかったりすることですが、被ばく影響はそれを加速させ、苦しみを増します。
その場合、ご本人も辛いですし、周りで診なければならない人も辛い。誰もが辛いです。
だからご本人に、人生の残された時間を可能な限り、病の苦しみにとらわれず、あるいは少なく生きていただくことが、実は周囲の誰にとっても幸福なのだと僕には思えるのです。もちろん病と格闘しながらの充実した人生も現にたくさんみてきましたが、だからといって痛みや辛さは誰にも味わって欲しくない。

とりわけどうみても脳の被ばくは認知症を促進させます。記憶をつかさどる海馬帯が放射線被ばくに弱いからと解釈されていますが、認知症になると何より本人が不安の中に落ち込んでいきます。介護する側も大変ですが、本人も苦しいのです。
これに対しては社会的介護体制をもっと充実させていく必要がありますが、しかしこの国はまったく逆方向に走っている。高齢者、そしてまた障がい者の社会的介護体制の脆弱さが、本人にも介護者にも苦しいあり方を促進させています。だから私たちは高齢者を、そしてまた障がい者をみんなで守らなくてはなりません。
子どもとともに高齢者、そして障がい者もまた放射線弱者であることをしっかりとみつめて、誰をも被ばくから守ってゆくことが大事です。

そのために大事なのは現状認識を深めることと、防護の知恵を少しでも膨らませて、実現可能な防護策を実践していくことです。
そのために「被ばくのリスクといかに向き合い生き抜くのか」を心を込めて精一杯お話ししますので、ぜひ会場に足を運んでください。

最後に企画案内を貼付けておきます。
僕も「だるま森+えりこ」の歌・演奏、朗読を堪能してからお話しします。

*****
 
原発事故から6年 脱被ばく社会の実現をめざして
阪神・市民放射能測定所4周年企画
https://nukecitizen.ojizo.com/publish/20170527_4syunenkikaku.pdf

原発事故から7年目に入りました。原子力緊急事態宣言は解除されていないにもかかわらず、避難者への住宅支援の打ち切りや避難区域の解除が強行されています。

過酷な汚染実態や健康被害実態は隠され、原発事故への国民の関心が薄められようとしています。しかし、子どもたちの命を守ろうと避難移住した人々、汚染された大地で少しでも被ばくを避けて生きようとする人々が存在する事実を消し去ることはできません。

多くの市民が、原発事故をきっかけに脱被ばくを選択する権利が認められ、原発のない社会をめざそうと決意しました。私たちは、この思いにこたえて、取り組みを続けて行きます。未来に希望をつなぐ和やかな交流ができたらと思います。是非ご参加ください。

記念講演(13時)
「原発事故から6年。被ばくのリスクと向き合い、未来を生き抜くために」
守田敏也さん(フリーライター)
放射能汚染や健康被害隠しの実態や被ばくを避けて生き抜くすべなどをお話しいただきます。

5月27日(土)11時〜16時30分
西宮市勤労会館 第8会議室
資料代500円 阪神西宮駅東へ10分・JR西宮駅南7分
キッズスペース用意します

プログラム
11時 開場
会場では測定結果等の展示や有機野菜やお昼弁当なども販売します。ゆっくり過ごしていただけます。

12時30分 歌・演奏と朗読
総合工芸芸術家
だるま森+えりこ 
「After311のこどもたち」

13時 測定所からのあいさつ
記念講演
守田敏也さん
質疑応答

15時 交流会(発言予定)
有機無農薬栽培農家
避難移住の方々

16時30分 終了

企画内容
●展示:土壌・肥料・食品等測定結果
●3年間の測定記録冊子等書籍販売
●有機無農薬野菜販売(放射能測定済)
●お昼弁当販売(有機無農薬・測定済)
●放射能無料測定(1リットル要)

阪神・市民放射能測定所
〒662-0916 西宮市戸田町5-21
Tel 050-5317-4016 Tel/Fax 0798-34-2315
mail: shs.hanshin@gmail.com
blog: http://hanshinshs.blog.fc2.com
コメント (3)
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