明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2497)世界的に見ても原発がいきづまっているのは明らか 一見強気の建設計画も投機(株での儲け)のためだけで破綻は必至 確信を強めて脱原発の道を歩もう

2025年01月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20250131 23:30)

明日2月1日に『原発からの命の守り方2024』を読む会を行います。それに向けてさらに原発の世界的な行き詰まりについて考察しました。
なお読む会については記事の一番最後に紹介しています。

世界の電源構成における原発のシェア率は1996年以降、下がりっぱなし

昨年末、朝日新聞に極めて示唆的な記事が載りました。
「原発回帰の日本、世界は? 『もうひとつのノーベル賞』受賞者が解説」というタイトル
ライフ・LIVEリッド賞を1993年に高木仁三郎さんとともに受賞したマイケル・シュナイダーさんへのインタビュー記事です。
なおシュナイダーさんは「World Nuclear Industry Status Reports」を毎年発行しています。僕も直接、送って頂いています。

記事のアドレスを記しておきます。有料記事です。なお今回貼り付けた図・写真はみなこの記事から拝借しました。
https://digital.asahi.com/articles/ASSDK32YSSDKPLBJ002M.html?iref=ogimage_rek

大事なのは以下の図です。



これをみると原発のシェアは1996年の17.5%をピークに落ちるばかりで2023年は9.15%まで落ち込んでいるのが分かります。

発電量も2006年がピークで今もそれより少し下回っている状態ですが、これは特殊、中国だけが大きく伸びての数字。中国を除くと1990年代半ばの水準にすぎないのです。


● 原発の基数も減少 中国を除けば激減 新規建設もピーク時から激減

世界の原発の基数にも言及しています。ピークは2002年の438基。福島原発事故後に落ち込み、2018年から持ち直したものの頭打ち。2024年7月現在で408基です。
このうちわけでも中国だけが突出して伸びて、他の国々では減少していることが分かります。
世界の新規原発の運転開始は2004~2023年で102基ですが、同じ期間に104基が閉鎖。このうち中国は運転開始49基、閉鎖0基。それ以外では運転開始53基、閉鎖104基なのです。

これら原発の退潮傾向は以下の建設中の原発の数にもはっきりあらわれています。
ピークは1979年で234基でしたが、2024年7月現在で59基、4分の1に減っています。しかも59基のうち中国が半分の27基も占めていて、残りの国では32基しかない。ピーク時の14%弱です。



強気の建設姿勢を示しているのはなんと投機目的! 騙されてはいけない

この記事の中で僕が「なるほど!」と非常に納得したのは以下のシュナイダーさんの言葉です。
「原発への投資は、投機的なものと、戦略的な長期的なものとを、区別する必要がある。実際にSMRに長期的に取り組んでいる企業は限られており、投機的な投資が目立っている。
投機としては動きが激しく、短期で多くのお金を生み出すことができ、魅力的なのだろう。売るものがまだなく、認証された設計もない企業が、株式上の企業価値が数十億ドルとかあるのはまさに投機としか思えない。」

本当にもうまったく「なるほど!」です。実は僕はなぜさまざまな世界企業がこの間、原発に入れ込みだしたのか、十分にその意図が解けていませんでした。「なぜまったく技術的な展望がないのに強気なのだろう?」と疑問に思っていました。
答えは単純。投機のためなのです!要するに原発に展望があるようにみせかけて投資を募る。建設を歌う企業の株価を吊り上げる。それがバブルのように膨らんだら売り抜く!それで莫大な資金を稼ごうとしているのです。
悪徳です!クリントン政権以前はできなかった経済犯罪です。そのためにあたかも新世代原発に展望があるかのように振舞い、技術的な展望のないものがばんばん宣伝されている。こんなことにけして騙されてはいけない!


マイケル・シュナイダーさん


再生エネルギーが原発を完全に越えている

では投機ではなく、実際のエネルギーへの投資はどうなのかというと、すでに風力と太陽光力だけでも原発を大きく上回っています。ほぼ10倍でこの差は開くばかり。
さらに「革新軽水炉」は建設費が増大し、酷い場合には当初予算の4倍、5倍にもなっていますが、再生可能エネルギーはコストが大きく下がりつつあり、今後もさらに下がっていきます。
実は世界で唯一、原発を推進している中国でもエネルギー投資は再生エネルギーの方が大きくなっている。この傾向はやがて強まるばかりでしょう。

そんな中、日本ではすでに太陽光発電で昼間のピーク時の電力需要を上回る電気ができてしまっていて、なんとそれを捨ててさえいる状態です。しかしそれも蓄電池が発展してきているので、解決の道が見えつつあります。
つまりコスト面でもう原発は再生可能エネルギーに太刀打ちできないのです。だからまともにエネルギーを作ろうとする投資は、原発ではなく再生可能エネルギーに向かっているのです。
繰り返しますがそれでも原発に未来があるかのように叫んでいる人々は、投機で儲けようとしている人々だけ。かつまた核技術がなくなっては困る核兵器産業がそれを後押ししているだけです。そんな人々に騙されてはいけません。



原発はオワコン!これを学び宣伝し脱原発の力を強めよう

いま大事なのは原発が完全に行きづまり、オワコンであることをしっかり学び、宣伝し、脱原発の力を強めることです。
そのためにいま『原発からの命の守り方2024』を読む会を進めています。ぜひご参加下さい。次回は明日2月1日午前10時半から。ZOOMにてです。その次は4月5日(土)開催です。
リアルタイムで参加できなくても、アーカイブ配信を受けることもできます。ぜひご参加下さい。

詳しくはイベントページをご覧下さい。
https://fb.me/e/4XMJg8WvQ
申し込みフォームは以下に
https://forms.gle/m8sgasA8GmPVtJiJ7

『原発からの命の守り方2024』は無料でダウンロードできます。冊子版申し込みフォームも示しておきます。
https://forms.gle/h4cs7qjKyTAQn4837
https://forms.gle/T8EeCkJP4d1wW6Eb9

#原発からの命の守り方 #にょきにょきプロジェクト #マイケルシュナイダー #放射線防護 #原発はオワコン #原発のシェア率は探しっぱなし #原発推進を叫ぶのは投機が目的 #再生エネルギーが原発を越えている #原発新規建設も激減


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