「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。
吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。
小倉の地にて。
佐々木小次郎の妻女然として振る舞う朱美だが、周囲の誰もが当然のこととして受け入れている。
実のところ小次郎の口からは一言もない。
朱美にしても、小次郎に対して恋い慕う素振りを見せてはいない。 . . . 本文を読む
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。
吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。
「討ち取ったり!」
体を起こしたムサシががなり立てた。見事に策が当たった。しかしこれが裏目に出た。烏合の衆的な若い門人たちが「幼子を手にかけるとは、何ごとか!」「木の上に潜んでの襲撃とは、卑怯なり!」と、いきり立った。 . . . 本文を読む
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。
吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。
すっくと立ち上がった清十郎は、武蔵に向かって一礼すると、静かに語りかけた。
「先ずはムサシ殿に言上したい。先日の門人どもの非礼の段、お許し願いたい。師範代共々に留守に致した身共の失態でござった。血気盛んな若者ゆえの暴走とお許し願いたい」 . . . 本文を読む