昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(十五)

2017-06-24 22:41:46 | 小説
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。 吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。  小倉の地にて。  佐々木小次郎の妻女然として振る舞う朱美だが、周囲の誰もが当然のこととして受け入れている。 実のところ小次郎の口からは一言もない。 朱美にしても、小次郎に対して恋い慕う素振りを見せてはいない。 . . . 本文を読む

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(十四)

2017-06-17 10:30:43 | 小説
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。 吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。 「討ち取ったり!」  体を起こしたムサシががなり立てた。見事に策が当たった。しかしこれが裏目に出た。烏合の衆的な若い門人たちが「幼子を手にかけるとは、何ごとか!」「木の上に潜んでの襲撃とは、卑怯なり!」と、いきり立った。 . . . 本文を読む

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり! (十二)

2017-06-03 16:12:12 | 小説
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。 吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。  すっくと立ち上がった清十郎は、武蔵に向かって一礼すると、静かに語りかけた。 「先ずはムサシ殿に言上したい。先日の門人どもの非礼の段、お許し願いたい。師範代共々に留守に致した身共の失態でござった。血気盛んな若者ゆえの暴走とお許し願いたい」 . . . 本文を読む

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