[ もしも彼が生きながらえていたら… ]===== 忠節橋手前の通りで右に折れ、北税務署を左に見ながら少し走ると美江寺観音の交差点に出る。その斜め前には、忌々しい裁判所が現れる。つい先日に速度違反の切符を切られ、罰金を支払う羽目になっていた。
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[ もしも彼が生きながらえていたら… ]=====「OK!」と答えるや否や、町の外れにある、さほど高くはない山に作られた金華山ドライブウェイ――金華山の南に瑞龍寺山(通称水道山)があり、西麓の岐阜公園と南麓の岩戸公園を結ぶ山道――に向かって車を走らせた。 . . . 本文を読む
きょうに こころのいとをむすべずとも
あすにはきっと むすびます
わかいふたりのことだもの
君を遠くから 見てるぼく
君は どんな気持ちでいるの?
知りたい……
どうして君は、そうなんだい?
ぼくだけに与えて欲しいと願う笑顔を みんなにふりまいて。
恋心……
ほんとに恋してるぼくだよ
そして
それを知ってる君なのに
なぜ……
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[ もしも彼が生きながらえていたら… ]=====息苦しさを感じ始めた彼に「どうしたの、声が裏返ってたわよ。そうそう、ドライブウェイに乗って。わたし、プラネタリウムに行ってみたいから」と、貴子の声が明るく車中に響いた。 . . . 本文を読む
半世紀も前に書き綴った、わたしのポエムです。===== 自然が はてしもなく長い糸を、無関心によじながら紡ぎに巻きつけている時、
万物の雑然たる群れが不快に入り乱れて響いている時、
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