昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

お知らせ

2015-12-26 21:28:26 | お出かけ
明日12月27日から二泊三日の関西旅行です。交通費節約のために、車での移動です。姫路、京都、そして奈良へと、まるで昔の修学旅行ですよ。 . . . 本文を読む

にあんちゃん ~警察署の一室においてのことだ~ (二)

2015-12-26 10:26:53 | 小説
孝男の勤める銀行においても、上司からの叱責に給湯室に駆け込む女子行員がいる。男子行員の殆どが、その上司に対して「そこまで言わなくても」といった顔を見せる。しかし孝男はそう思わない。どころか心内で、泣くぐらいなら手を出すなよ、と思う。己の能力以上のことに手を出して、結果失敗したとなれば叱責を受けて当然だ。過信は慢心だ、と思う。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十九)もうお母さんじゃないんだ

2015-12-23 08:27:06 | 小説
言葉にするにつれ、すべてが消えていった。兄妹と口にした途端に、早苗が女に見えた。身内と口にした途端に、早苗が見知らぬ女に感じられた。好きか? と口にした途端に、激しい劣情が湧き上がってきた。涙目の早苗が、憂いを秘めた女に見えてきた。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十九)兄妹みたいに育ってきたじゃないか

2015-12-22 09:02:34 | 小説
「早苗の気持ちは嬉しいよ。でもな、僕たち二人は兄妹みたいに育ってきたじゃないか」 涙目の早苗にティッシュを手渡しながら、低いトーンでなおも続けた。 「早苗の気持ちは嬉しいよ。こんなステキな女の子に想われ続けて、ほんとに嬉しい。 これは、本心だ。でもな、だめなんだ。どうしても考えられないんだ」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十九)精一杯のもてなしをしたつもりだった

2015-12-20 09:10:07 | 小説
彼の前にお膳を置いた早苗は、お屠蘇を差し出した。 「なんだよ、早苗がするのか? お母さんを待つよ」 「おばさんに、頼まれたんだもん。少し遅くなるからって、お願いされたもん。さあ、おじいさんが起きる前にすませようよ」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十九)男の恥、よ

2015-12-15 09:10:48 | 小説
昨夜の雪が嘘のような晴天だった。 道端に残っている雪が、大雪だったことを証明しているだけだ。 車の行き交う道路は、もう殆ど乾いている。 時折チェーンを巻いた車が走っている所を見ると、裏通りには未だ残っているのかもしれない。 彼が目覚めた時には、既に真理子の姿はなかった。 あの日のように、走り書きのメモがテーブルに残されているだけだった。  おはよう、タケシさん。  先に、帰ります。一緒に帰る . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十九)信号無視してでも、行けば良かった

2015-12-13 10:47:18 | 小説
やっとの思いで国道に辿り着いた。走行中の車はまばらではあったが、雪はシャーベット状になっていた。信号待ちの折に車から降りると、フロントガラスの雪を取り除いた。雪まみれになったコートを脱いで車に乗り込むと同時に、信号が青に変わった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十九)〝うおおぉ!〟

2015-12-11 14:33:28 | 小説
突如、雄叫びが響いた。 神社の方角から聞こえた。 どうやら、新年を迎えたらしい。 「タケシさん、明けましておめでとう!」 「明けましておめでとう。今年も、よろしく!」 「わたしこそ、よろしくね。ねえ、タケシさん。前に、来ない」 「そうだね。バックミラー越しでは、話しにくいよね」 車外に出ると、雪が道路を覆っていた。 ホンの四・五分だというのに、五センチ程の積雪になっている。 雪は、間段なく降り . . . 本文を読む

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