「あのお、こちらに…あっ、いた、いたあ!」
息せき切って、青年が飛び込んできた。
そして酔いつぶれた女を見つけると、満面に笑みを浮かべて、肩を揺すった。
「まあまあ。ほらっ、水でも飲んで。落ち着きなさい」
「店に迎えに行きましたらこちらだろうと言われたもですから。
どうも、ご迷惑をおかけしまして、すみません。
サチ子、連れて帰ります。帰るよ、起きてよ」
差し出された水を一気に飲み干すと、また女を . . . 本文を読む
カウンターを片付けながら、マスターが声をかけてきた。
「駆け引きを楽しんでみえるんですよ、遊びの上手な方でしてね。ホステスを落とすのなんか、お手の物です。今は、『若いホステスをからかうことが楽しいんだよ』とか『一人前の、本物のホステスは居なくなった』なんて、おっしゃってますがね」 . . . 本文を読む
「バチーン! って、あたいの頬を叩きやがったんだ。
親だって叩けないんだよ、あたいを。びっくりだよ、こっちは。
それなのにあいつ、泣いてるんだ。
目に一杯涙をためてるの。冗談じゃないよね。痛いのはこっちだよね。
打(ぶ)たれたのはあたいなんだからさ。泣きたいのは、あたいだろうが。
あいつね、優しいんだ。
あたいのことで、喧嘩したことがあるんだ。
あたいにイタズラをしようとした男にね、食って掛かっ . . . 本文を読む
「バチーン! って、あたいの頬を叩きやがったんだ。
親だって叩けないんだよ、あたいを。びっくりだよ、こっちは。
それなのにあいつ、泣いてるんだ。
目に一杯涙をためてるの。冗談じゃないよね。痛いのはこっちだよね。
打(ぶ)たれたのはあたいなんだからさ。泣きたいのは、あたいだろうが。
あいつね、優しいんだ。
あたいのことで、喧嘩したことがあるんだ。
あたいにイタズラをしようとした男にね、食って掛かっ . . . 本文を読む
「ばかやろう、が。酔ってないよ、喉が渇いただけさ。どいつもこいつも、あたいの体が目当てで近付きやがってえ。健二だろう、聡だろう、勝に、武雄…。数えるのも疲れるわ。あいつ、あたいのこと、どう思ってんだろ。 . . . 本文を読む
ぎりぎり間に合いました。
23:43 やっとの思いで、送信です。
結果は、11月頃に受賞者に連絡とのこと。
自信ですか? お聞きになるんですか?
そうですよね、他人の不幸は蜜の味ですもんね。
あるといえばあるし、ないといえばないし。
不安だらけなんですよね、正直のところ。
あまりに短すぎました。
当初考えていた内容とは違う作品になりましたし。
名古屋を舞台にという前提条件付きなのですが、応募 . . . 本文を読む
慌てて彼は、女のグラスにウィスキーを注いだ。ラベルにハートマークがありその中に何やら描かれているが、何を示しているのか彼には皆目分からない。しげしげと見つめる彼だった。
「おっぱいだよ、あたいの。あんたもスケベだね、男なんだ」
. . . 本文を読む