昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(十九)

2017-07-30 21:52:25 | 小説
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。 吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。  そして、舟島にて。  小倉の地からはさ程に離れていない小島だが、隣接している岩礁は難所として恐れられており、漁師ですら立ち寄らない。 「見世物にしてはならぬ」という藩主の命により、見物人を立ち入らせぬためとして、この島が決められた。 . . . 本文を読む

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(十八)

2017-07-22 16:14:43 | 小説
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。 吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。 小倉屋に逗留の間も、毎朝夜明け前から鍛錬に励むムサシだった。 大声を発しながらの素振りで、重さが三貫はあろうかという太い木剣が上段から振り下ろされるたびに「ブォンブォン」と空気を切り裂く鈍い音がする。 . . . 本文を読む

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(十七)

2017-07-17 11:31:11 | 小説
「ムサシなり!」と叫ぶ、赤ら顔の大男。 吉岡英二先生が創り上げた武蔵像を、根底から覆した新しい発想の、ムサシ像です。  遊郭に誘われたムサシの前に「こじろうさま」「がんりゅうさま」と、あちこちの遊女たちに声をかけられる者が居た。 その主は、スラリとした長身に面長で涼しげな目を持つ端整な顔立ちをしていた。 そのすり足で歩く様に、思わず「おなごか、あの者は?」と、案内の手代にムサシが尋ねた。 . . . 本文を読む

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