人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

セバスティアン・ヴァイグレ ✕ 読売日響でベルク:歌劇「ヴォツェック」(演奏会形式)を聴く ~ オペラ指揮者ヴァイグレによる会心の公演

2025年03月13日 00時01分04秒 | 日記

13日(木)。わが家に来てから今日で3712日目を迎え、トランプ米大統領は11日、株価が急落した電気自動車大手のテスラ(イーロン・マスク氏が経営)を支援するため「新しいテスラ車を購入する」と表明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

美しい友情だねえ 感動で涙が出てくる これでマスクは気を良くして合理化に突っ走る

         

昨日、夕食に「豚バラとキャベツの醤油炒め」「生野菜と生ハムのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 豚バラ~は初めて作りましたが、何とか美味しくできました

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第646回 定期演奏会」を聴きました    プログラムはベルク:歌劇「ヴォツェック  作品7」(演奏会形式)です   出演は ヴォツェック=サイモン・キーンリーサイド、鼓手長=ベンヤミン・ブルンス、アンドレス=伊達達人、大尉=イェルク・シュナイダー、医者=ファルク・シュトルックマン、マリー=アリソン・オークス、第1の徒弟職人=加藤宏隆、第2の徒弟職人=萩原潤、白痴=大槻孝志、マルグレート=杉山由紀。合唱=新国立歌劇場合唱団、TOKYO FM 少年合唱団、指揮=セバスティアン・ヴァイグレです

「ヴォツェック」はアルバン・ベルク(1885-1935)が1914年から1922年にかけて作曲、1925年12月14日にベルリンで初演された全3幕15場から成る歌劇です 無調主義の歌劇として初めて成功した作品であり、表現主義の芸術としても高く評価されているオペラです

物語の概要は「貧しくしがない一兵卒ヴォツェックは内縁の妻マリーの間に子どももいるが、鼓手長と彼女との関係を知り、マリーを殺害、自らも池に身を投げて死ぬ」というものです

演奏会形式のため、オーケストラは通常のコンサート同様ステージの上で演奏します 弦楽器は14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは林悠介です 指揮台の左右に各2本ずつ楽譜スタンドが設置されており、歌手は出番が来るとそこに来て歌います

「ヴォツェック」は歌劇とはいえ、美しいアリアがあるわけではなく、どちらかというと台詞を絶叫調に歌うという感じです オーケストラ演奏部分も、ベルクも徴兵された第一次世界大戦の影響を受けたかのように不安に満ちています ベルクはどうしてこういうクライマックス(暗いMax)な曲を書いたんだろうと思ってしまいます

ヴォツェック役のサイモン・キーンリーサイドはイギリス出身のバリトンです マンチェスターの王立ノーザン音楽大学で研鑽を積み、ハンブルク歌劇場での「フィガロの結婚」アルマヴィーヴァ伯爵役でデビュー。世界各地の歌劇場で活躍しています 演奏会形式とはいえ、本当のオペラ公演のような迫真の演技により、魅力のバリトンを聴かせてくれました

鼓手長役のベンヤミン・ブルンスはドイツのハノーファー出身のテノールです ハンブルクで研鑽を積み、在学中にブレーメン歌劇場と契約、その後ドレスデン国立歌劇場を経て、2010~20年にはウィーン国立歌劇場に所属し活躍しました よく通るテノールで聴衆を魅了しました

アンドレス役の伊達達人は東京藝大大学院修了、新国立オペラ研修所修了、文化庁在学研修員としてベルリンで研鑽を積んだテノールです 二期会や新国立オペラ等で活躍しています。彼は新国立オペラ研修生の頃から聴いていますが、すっかり貫禄が出てきて、今回もリリックなテノールを自然に歌い上げました

マリー役のアリソン・オークスは英国出身のソプラノです ドイツで声楽を学び、ラウリッツ・メルビオール国際コンクール第1位など受賞多数 現在、世界中の歌劇場で活躍しています 美しくも力強いドラマティックなソプラノで聴衆を魅了しました

大尉役のイェルク・シュナイダーはオーストリア出身、ウィーン少年合唱団で最初の音楽教育を受けたテノールです ヘッセン州立歌劇場、ライン・ドイツ・オペラの専属歌手を務めた後、2007年からウィーン・フォルクスオーパーに所属、17年からウィーン国立歌劇場の専属歌手として活躍しています 良く通るテノールで横柄な大尉の役柄を見事に歌い演じました

医者役のファルク・シュトルックマンはウィーン国立歌劇場とべリリン国立歌劇場の両劇場で「宮廷歌手」の称号を持つバスです 現在、世界中のオペラ・ハウスで活躍しています 常にヴォツェックに不満を言う尊大な医者の役柄で低音の魅力を発揮しました

また、第1の徒弟職人役の加藤宏隆(バス)、第2の徒弟職人役の萩原潤(バリトン)、白痴役の大槻孝志(テノール)、マルグレート役の杉山由紀(メゾ・ソプラノ)も、揃って絶好調でした

新国立歌劇場合唱団はいつものように素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました またTOKYO FM 少年合唱団の皆さんも大健闘でした

さて、今回私が一番良かったと思ったのはセバスティアン・ヴァイグレ指揮読響の演奏です セバスティアン・ヴァイグレは1961年生まれ。ベルリン国立歌劇場の首席ホルン奏者から指揮者に転じ、リセウ大劇場音楽総監督を経て、2008年から23年夏までフランクフルト歌劇場の音楽総監督を務めました 今回の公演はオペラ指揮者ヴァイグレの面目躍如たる演奏と言っても過言ではありません 卓越した指揮でオーケストラ、合唱、ソリストを完璧に統率し、読響第10代常任指揮者として無調の傑作オペラ「ヴォツェック」公演を成功に導きました


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