人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ティム・フェールバウム監督「セプテンバー5」を観る ~ 1972年のミュンヘンオリンピックで起きたパレスチナ武装組織によるイスラエル選手団の人質事件を描く

2025年03月11日 00時05分03秒 | 日記

11日(火)。わが家に来てから今日で3710日目を迎え、トランプ米大統領は就任から48日間で、トランプ氏が所有するフロリダ州の「マー・ア・ラゴ」に近いゴルフ場を13回訪れたが、本人と側近は大統領専用機で移動し、車列に必要な車両は軍が大型輸送機C-17で運ぶため、納税者が負担したトランプ氏のゴルフ費用は すでに1800万ドル(約26億5500万円)を超えている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

米政府効率化省トップのイーロン・マスクは 当然トランプのゴルフ費用を無駄使いと認定するはず

         

昨日、夕食に「ビーフシチュー」と「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」を作りました ビーフシチューは今回 ブロック肉を使いましたが、じっくり煮込んだので柔らかくて美味しく出来ました    ビーフシチューには赤ワインですね 腰痛持ちはお酒を飲んではいけないのですが、まあたまには良いのではないかと

         

昨日、TOHOシネマズ新宿でティム・フェールバウム監督による2024年製作ドイツ・アメリカ合作映画「セプテンバー5」(95分)を観ました

1972年9月5日。西ドイツのミュンヘンオリンピックで、パレスチナ武装組織「黒い九月」8人が選手村を襲撃して2人を殺害、イスラエル選手団9人を人質に立てこもる事件が発生した 彼らはイスラエルに拘束されているパレスチナ人の解放を要求した。そのテレビ中継を担ったのは、ニュース番組とは無縁の米ABCテレビのスポーツ番組の放送クルーたちだった エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、機能しない現地警察 全世界が固唾をのんで事件の行方を見守るなか、テロリストが定めた交渉期限は刻一刻と迫り、中継チームは極限状態で選択を迫られる

これほど最初から最後まで緊迫した映画を観たことがありません それは、テロリスト、人質、警察などの視点を一切排除し、舞台をほぼスタジオの副調整室に限定し、主人公ジェフ(ジョン・マガロ)が目の前に並ぶモニター画面を観ながら、電話や無線機によるリポート、複数のカメラの映像を切り替えながら、刻々と変化する事件をリアルタイムで報道するのを映し出すスタイルを採っているからです 警察による報道規制により、カメラが建物内に入ることが出来なくなったジェフは、クルーの一員を偽造IDカード等によりオリンピック選手に仕立て上げて内部に送り込むことに成功します。現在では考えられないことです。警察官が極秘に建物の屋根で待機している映像を目にしたジェフは、「選手村の各部屋にもテレビはある。警察官の裏の動きはテレビを通じてテロリストたちも観ているはずだ」と感づくことで葛藤が始まります 「差し迫った時間の中で、報道の自由と人質の命とどちらを尊重すべきなのか」「人質が殺される場面を報道してよいのか」と自問することになります

この点に関して、2月21日付の朝日新聞夕刊にフェールバウム監督のインタビュー記事が載っています

「フェールバウム監督は『ジェフのモデルになった人物を取材した。生々しく劇的なサスペンスがそこにあった』と語る 人を殺す場面を放送してしまうかもしれない。救出作戦の妨げになるかもしれない。そんな葛藤や重圧について聞くと、『ただただ時間がなかった』と答えた。『これが決め手となった 追いまくられる焦燥と緊張に焦点を当てた』と語る」

この映画を観て思ったのは、女性通訳の役割の大きさです ドイツ人女性の米独通訳がいなかったら、ジェフをはじめとする放送クルーは時々刻々と変化する事件を生放送することは出来なかったと思います

この事件は、人質9人を含む選手11人全員と警察官1人、犯人5人が死亡する大惨事となりました 米ABCテレビによるこの事件の生中継は、世界中で9億人が視聴したとのことです

あの事件から53年経った現在、パレスチナ問題は解決するどころか、トランプ米政権の誕生により益々混迷を深めています

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