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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

前橋汀子カルテットでベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴く~驚きのアンコール演奏

2014年11月22日 07時35分41秒 | 日記

22日(土)。わが家に来てから56日目を迎えた甘えん坊のモコタロです 

 

          

           コアラだっこしてもらっちゃった~ 落とさないでね

          

  閑話休題  

 

昨日は自宅のバスルームの工事の続きとトイレの全面リフォーム工事がありました。2つの工事を同時並行にやっていたため、朝9時に始まった工事は夕方3時ちょっと過ぎには終了しました。昨夜はシャワーしか使えませんでしたが、やっぱり新しくて綺麗なのはいいものですね

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

という訳で、午後7時からよみうり大手町ホールで開かれた前橋汀子カルテットのコンサートには余裕で間に合いました カルテットのメンバーは、第1ヴァイオリン=前橋汀子、第2ヴァイオリン=久保田巧、ヴィオラ=川本嘉子、チェロ=原田貞夫です。オール・ベートーヴェン・プログラムで、①弦楽四重奏曲第4番ハ短調、②同・第8番ホ短調「ラズモフスキー第2番」、③同・第16番ヘ長調です

 

          

 

 この弦楽四重奏団は、前橋汀子が実力者3人に声をかけて結成した初めてのカルテットです チェロは東京カルテットの創設メンバー・原田禎夫、ヴィオラは東京都交響楽団の首席を務めた川本嘉子、第2ヴァイオリンは水戸室内管弦楽団でも活躍する久保田巧という錚々たるメンバーです

自席は11列5番、左ブロック右通路側です。会場は文字通り満席です。隣席の人が、前の席の背中に着いているスライド式の机を取り出して「これは便利だ」と言っています 会場を見渡すと、多くの人が机を出しています。あとから来た人が中の席に入るのに邪魔になるので、また元にしまわなければなりません。日経ホールもスライド式の机が組み込まれています。新聞社の運営するホールはコンサートだけでなく講演会などにも使用する多目的ホールなので、メモが取れる仕組みが施されているのです

同じ新聞社系のホールでも日経ホールは、コンサートの時、アナウンスでスライド式机を使用しないよう注意を促しています 出入りに邪魔になるし、地震が来たとき、その机で腹を打つ可能性があるからです。読売ホールでもアナウンスすべきではないか 私は、言うまでもなく、講演会を聞きに来たわけではないので使用しません。嬉々として机を出している人を見ると「ここに何しにきたの?」と腹でせせら笑っています

さて、4人のメンバーが黒で統一した衣装で登場、配置に着きます 1曲目の第4番ハ短調は好きな曲です。第5交響曲”運命”と同じ調性であることからわかるように、激しい感情の吐露が聴かれます 前橋汀子の演奏は協奏曲やソロで聴いたことがありますが、弦楽四重奏曲を演奏するのを聴いたことはありません この第4番の演奏を聴いて、前橋汀子=弦楽四重奏曲、良いかも知れない、と思いました とくにベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いている時に感じるのは、演奏を通じた4人の会話のようだ、ということです。この4番も例外ではありません

このことは、次の第16番、つまりベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲を聴いた時も感じました。第3楽章の前半部分「レント」は良いですね 若干もたれ気味の演奏でしたが、ベートーヴェンの神髄は緩徐楽章にある、と思います

第3楽章後半の演奏を聴いている時、すぐ後ろの席から「ブーブー」という明らかにケータイのマナーモードの音が鳴りだし、しばらく鳴り続けていました コンサート会場では「演奏中はケータイの電源を切るように」とアナウンスをしています。マナーモードだけでは音が出ることは常識です。今の時代、コンサートの本番中にケータイの音を出す人がいるとは驚きです。猛省を促します

休憩後は第8番、つまりラズモフスキー第2番です。ラズモフスキーは3曲ありますが、私は第1番と共にこの第2番も好きです 前橋汀子は時に腰を浮かせて力を込めて演奏します。こんなに激しい前橋を観るのは初めてです

さて、驚いたのはアンコールです。前橋が「チャイコフスキーの第2番の第2楽章を演奏します」と言い、演奏に入りました いわゆる「アンダンテ・カンタービレ」です。私はこの曲を演奏する前橋のヴァイオリンの音に心底驚きました ベートーヴェンの時と全く違う音色で演奏していました。甘く、霞がかったような不思議な音です これが、17歳で旧ソ連国立レニングラード音楽院に日本人初の留学生として選ばれ、その後、米ジュリアード音楽院でロバート・マン、ドロシー・ディレイに学んだ前橋汀子の本当の実力であり、使用楽器のデル・ジェス・グァルネリウスの音色なのか、と初めて彼女の実力を認識しました

いわゆる”ロシアもの”を演奏する前橋汀子は、いまや日本における第一人者ではないかと思いました

 

          

          

コメント (2)
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