5日(月)。昨日、いつものように池袋まで歩き(約30分)、夕食の食材を買ってバスで帰ってきました バス停で、同じマンションに住むKさん(80代)と一緒になったので、バスの中で話しながら帰りました 「相変わらずコンサートに行ってるんですか?」と訊かれたので、「ぼちぼち行ってます」と答えました Kさんは元宮内庁職員で、天皇を中心とする皇室のメンバーが文化的な行事に出かける時には同行していたとのことです 平成天皇がサントリーホールでバーンスタインが指揮し後藤みどりがソリストを務めるコンサートを聴いた時も同行したとのことで、その時の話をしてくれました(後で調べたら1990年7月10日のロンドン響の来日公演でした)。「席を替わってほしいと頼んでもダメだという人がいるんですね 条件のいい席を提示してもなかなか承諾してもらえず、往生しました」とのこと。つまり、皇室のメンバーがコンサートを聴くときは本人の席だけでなく、その周囲の警備の人たちを含めた席を幅広く確保しなければならないので、急きょ皇室がコンサートを聴きたいと言い出したり、招待されたりした場合は、あらかじめ席を取っていた人にどいてもらい、別の席に移ってもらう必要があるということです Kさんは天皇がホール内で演奏を聴いている間、ホールの外の椅子に座って待機していたそうです Kさんは「この時のコンサートは、バーンスタインが途中で病いで倒れてしまい、急きょ佐渡裕か誰かが代わりに指揮をしたので、納得できない一部の客と主催者側とでトラブルになり大変でした」と語りました。これも調べてみたら、1990年7月10日の公演の時、バーンスタインの病状悪化が周囲には知らされていなかったとのことで、これ以降の公演はキャンセルされたそうです 当日、バーンスタインの代役として佐渡裕ではなく大植英二が「ウェスト・サイド・ストーリー」の「シンフォニック・ダンス」を指揮したことから、一部の客が「勝手に指揮者を変更するとは何事だ」と怒り出し主催者とトラブルになったようです バーンスタインはこの年の10月9日に指揮活動からの引退を表明し、それから5日後の10月14日に肺がんのためニューヨーク市内の自宅で死去しました(享年72歳)
いつの世も、コンサートは何が起こるか分かりません
ということで、わが家に来てから今日で3065日目を迎え、著名人らを繰り返し脅迫したなどとして暴力行為等処罰法違反容疑などで逮捕状が出ている、前参院議員のガーシー氏の帰国を前に、同容疑者が所属していたNHK党(現・政治家女子48党)の党首だった立花孝志氏が4日午後、東京都内で会見を開き、「逮捕はイコール有罪確定ではない。司法での戦いを党として全力でサポートする」と述べ、次期衆院選や2年後の参院選で「再度、国会議員に挑戦してもらいたい」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
こんないい加減な奴は前代未聞だ マスコミは一切無視して報道しない方がいいな
青山美智子著「お探し物は図書室まで」(ポプラ文庫)を読み終わりました 青山美智子は1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。デビュー作「木曜日にはココアを」で第1回宮崎本大賞を受賞 本作と「赤と青とエスキース」で本屋大賞2位
小学校に隣接する「コミュニティハウス」の中にある小さな図書室。本について相談すると、司書見習いの森永のぞみちゃんがゴーストバスターズに出てくる「マシュマロン」のように白くて大きい司書の小町さゆりさん(47歳)に取り次いでくれます 小町さんは関係図書とともに一見相談内容と関係なさそうな本も含めた推薦図書一覧表を打ち出して、自分で作った羊毛フェルトの「付録」と一緒に手渡します 「本当にやりたかった仕事ではない」と、自分の仕事にコンプレックスを抱いている婦人服販売員21歳の朋香には「フライパン 🍳」。アンティークショップ経営を夢見る家具メーカー経理部員35歳の諒には「猫 」。出産後の職場復帰で雑誌編集部に戻れず「仕事を取り上げられた」とモヤモヤする出版社の資料部勤務40歳の夏美には「地球」。絵を描くことが好きなニート30歳の浩弥には「飛行機 」。洋菓子メーカーで42年勤め上げた後、何をして過ごせばよいか分からず戸惑う65歳の正雄には「蟹 🦀」の羊毛フェルトです。相談内容と関係なさそうな本と羊毛フェルトを前に、相談者は「なぜ?」と疑問に思いますが、それぞれの解釈で、その付録に意味を見出していきます
婦人服販売員・朋香の物語は、「たいした仕事じゃない」ではなく、自分が「たいした仕事をしていない」ことに気づかされ、今の仕事を見直して前向きに生きる姿勢が描かれています
家具メーカー経理部員・諒の物語は、安易に仕事を辞めて趣味を仕事にするのではなく、仕事で生計を立てながら副業的に趣味を生かしていくのが良いこと、その上で同じ趣味のパートナーがいれば、思い切って趣味を仕事にすれば良いーということを学ぶ姿が描かれています
出版社の資料部勤務・夏美の物語は、他の部署に左遷させられたと嘆いているよりも、これまでの経験・知識が生かせる仕事がないか、友人・知人に網を張っておく大切さが描かれています
絵を描くことが好きなニート・浩弥の物語は、就職は必ずしも会社に所属して働くことだけでなく様々な道があること、好きなことを仕事に活かすには、物事を幅広く柔軟に考えて取り組むことの大切さが描かれています
定年後何をしてよいか戸惑う正雄の物語は、何かに取り組む時に、「役に立つか」「モノになるか」という価値基準で判断するのでなく、「心が動くこと自体が大切なのだ」ということに重きを置いて何かにチャレンジすることの大切さが描かれています
5つの物語に共通しているのは、「運命の女神は常に準備が出来ている人に微笑む」「今やるべきことに全力を注ぐことが大事 どこかで誰かが見ていて、新しい道が開ける可能性がある」ということです 本書は、現状から一歩踏み出そうとしている人をそっと後押ししてくれます
本書は2021年「本屋大賞 第2位」でしたが、個人的には第1位にしても良いくらい素晴らしい本だと思います 久しぶりに良い本を読みました
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