goo blog サービス終了のお知らせ 

人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団 ✕ 東響コーラスで J.シュトラウス2世「芸術家の生涯」、リゲティ「レクイエム」、タリス「スぺム・イン・アリウム」、R.シュトラウス「死と変容」を聴く

2019年07月21日 07時22分57秒 | 日記

21日(日)。大学時代の友人で千葉県勝浦市在住のS君から海産物セットが届きました アジ、サバ、あこう鯛、イカが箱から はみ出さんばかりに詰まっていました   S君ありがとう。持つべきものは友だちです

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1752日目を迎え、トランプ米大統領は19日、日本と韓国の間で高まる緊張の緩和に向けた仲介を韓国文在寅大統領から依頼され、「もし彼らの双方が求めるなら、私は関与するだろう」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      発言がコロコロ変わるトランプに仲介を頼んだとは 文在寅大統領のセンスを疑う

     

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第672回定期演奏会を聴きました   プログラムは①ヨハン・シュトラウス2世「芸術家の生涯 作品316」、②リゲティ「レクイエム」、③タリス「スぺム・イン・アリウム」(40声のモテット)、④リヒャルト・シュトラウス「死と変容 作品24」です 演奏は②のソプラノ=サラ・ウェゲナー、メゾ・ソプラノ=ターニャ・アリア―ネ・バウムガルトナー、②③の合唱=東響コーラス、指揮=ジョナサン・ノットです

この日の不思議なプログラミングについて ジョナサン・ノットは、東響のプログラム冊子「Symphony  7月号」誌のインタビューで、まず東響コーラスとの共演を考えたそうです 「何でも暗譜で歌うこの素晴らしいアマチュア合唱団がどこまでできるのか知りたくなった」とのことで、その結果がリゲティの「レクイエム」と「スぺム・イン・アウリム」の選曲となったそうです   もう一つのテーマが、二人のシュトラウスです。そして、全体を通してのテーマは「人生と死」ということです。ノットのプログラミングはいつも考え抜かれていますね


     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置、いわば”ノット・シフト”をとります    コンマスはグレヴ・二キティン。チェロの首席には西谷牧人氏がスタンバイしていますが、プログラム冊子の「NEWS&TOPICS」によると7月21日付で退団するとのこと。西谷氏は2008年に入団し11年間首席チェロを務めました どこのオーケストラにトラバーユするんだろうか。気になります

1曲目はヨハン・シュトラウス2世「芸術家の生涯 作品316」です この曲はヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)が1867年に作曲したワルツで、「美しき青きドナウ」とほぼ同時期に初演されました

ジョナサン・ノットのタクトで演奏に入ります。ゆったりしたテンポで奏でられるウィンナ・ワルツは、ウィーン・フィルの演奏とは一味違う、それでも優雅と言う点では共通する堂々たる演奏でした フルート首席の相澤政宏、オーボエ首席の荒木奏美の演奏が冴えわたりました

東響コーラスの男女混声合唱団約120名がP席にスタンバイし、ソリストのソプラノ=サラ・ウェゲナーとメゾ・ソプラノのターニャ・アリア―ネ・バウムガルトナーが指揮者の左サイドにスタンバイします

2曲目はリゲティ「レクイエム」です この曲はジェルジ・リゲティ(1923-2006)が、1963~1965年に作曲した作品です ①入祭唱、②キリエ、③審判の日:続唱、④ラクリモーサから成ります

曲は、まるで声明(しょうみょう)のような静かな合唱によって開始されます その後、合唱の各声部は絡み合うような動きを見せますが、リゲティはこれを「ミクロポリフォニー」と呼んだそうです 「キリエ」の緊迫した合唱を聴いていて、スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」で、この部分が使われていたな、と思い出しました たかの舞俐さんのプログラム・ノートによると、このキリエは「リゲティへの断りなしに映画に用いられ、リゲティの名前を世間に浸透させたことでも知られている」そうです 「審判の日」は劇的です。この曲のハイライトと言っても良いかも知れません リゲティはこのレクイエムについて「死者のための完全なミサ曲ではない」と語ったそうですが、これほど緊張感に満ちた音楽が続いては、死者もおちおち死んでられないでしょう とにかく合唱が素晴らしい


     


プログラム後半の1曲目はタリス「スぺム・イン・アリウム」(40声のモテット)です この曲はトマス・タリス(1505頃~1585)が1570年頃に作曲した全40声部(5声部の合唱8組)により歌われるモテットです 「スぺム・イン・アリウム」(御身より他に)は「神より他に望みを託せる方はいません」という意味です

オーケストラの出番はないため、照明はジョナサン・ノットと合唱団のみに当てられます 合唱団は男声と女声が左右に分かれて歌う前半の「レクイエム」とは違い、「ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス」約15人から構成される8つのグループに分かれてスタンバイします

曲は、8つのグループが様々な順序で応答していくため、聴いている側はホールトーンに包まれる感じになり、音響効果(ステレオ効果)が最大限に発揮されます とにかく合唱が素晴らしい 日本の合唱団で素晴らしいと思うのは新国立劇場合唱団とバッハ・コレギウム・ジャパンのコーラスだと思いますが、アマチュア合唱団では東響コーラスは相当レヴェルが高いのではないかと思います しばし、拍手が鳴り止みませんでした

最後の曲はリヒャルト・シュトラウス「死と変容 作品24」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)が1888年から翌89年にかけて作曲し、1890年6月21日にアイゼナハで作曲者の指揮により初演されました

リヒャルト・シュトラウスは評論家フリードリヒ・フォン・ハウスエッガーへの手紙で「非常に高い理想へと邁進するひとりの芸術家の死の瞬間を描こうとした」と記しています この日のプログラミングに立ち返ると、最初に「芸術家の生涯」で開始したコンサートは「芸術家の死」で終わることになります。私は個人的には「英雄の生涯」とか「家庭交響曲」とかいった誇大妄想的な作品は好きではありませんが、24歳の若き日に書いたこの「死と変容」は好きです ノットのタクトに導かれた東響はリヒャルト・シュトラウスの管弦楽の魅力を十分に生かした素晴らしい演奏を展開しました

最後に、前の曲を歌い終わってP席に座ってこの曲に耳を傾けていた東響コーラスの面々も ノットの指示で立ち上がり、度重なるカーテンコールに応えていました とてもいいコンサートでした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新国立オペラでプッチーニ「トゥーランドット」を観る ~ イレーネ・テオリン、テオドール・イリンカイ、中村恵理にブラボー! 物議をかもすアレックス・オリエによる斬新な演出

2019年07月20日 08時36分06秒 | 日記

20日(土)。昨夕、元の職場の同僚S氏、E氏、現役社員のT君と4人で内幸町のNPCビル地下の焼き鳥0で呑みました 本当は西新橋の行きつけの店K亭で呑む予定でしたが、どうやら店が潰れたようでシャッターが降りたままになっていたので、急遽変更したのです K亭は料理がとても美味しい店だったのでとても残念です 一方0の方は7時から団体予約が入っているというので1時半限定で呑みました その後、地下で繋がっている飯野ビルのベトナム料理店「イエローバンブー」に行き、ベトナム焼酎ネプモイを飲みながら名物「生春巻き」などを食べて歓談しました 店長のMさんはベトナム難民(ボートピープル)で、36年前 漂流中に日本の実習船に救われ、日本語の勉強をしてベトナム料理店を開いた苦労人です 今月14日の沖縄タイムス紙に、当時の実習船の船長と再会したというニュースが写真入りで掲載されています 実は、数年前にこの店で子どもたちと食事をした際、娘がベトナムに旅行したことがあるという話をしたら、明日から働いてくれないか と頼まれて、無職だった娘は これ幸いに 約2年ほど働いていたのです Mさんによるとベトナムからの留学生アルバイトを束ねて店を仕切っていたようです 店では現役のT君の話をOB3人が聞くという感じになりましたが、限られた人員の中で仕事のやりくりをしなければならない状況は変わっておらず、一番社歴の浅い若者に仕事が集中しがちになっているようです 上に立つものは部下のモチベーションを高めるように、悩みがあればそれに耳を傾けて一緒に解決策を考えるなり、たまには呑みながらざっくばらんに話をするなり、普段から風通しの良い職場環境づくりを心掛けてほしいと思いました

ということで、わが家に来てから今日で1751日目を迎え、トランプ米大統領は18日、中東のホルムズ海峡で米強襲揚陸艦「ボクサー」が、イランの小型無人機が米側の警告を無視したため撃墜したことを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     フェイクニュースを平然と連発するトランプの言うことはどこまで信じられるか

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のトマト煮」と「生野菜サラダ」を作りました 「鶏のトマト煮」は娘のリクエストです。材料はカット・トマト缶、塩、ブラックペッパーです

 

     

     

         

 

7月16日(火)の日経夕刊第1面のコラム「あすへの話題」に芸術文明史家の鶴岡真弓さんが「『トゥーランドット』と東洋」というタイトルでエッセイを寄せています 超訳すると、

「トゥーランドットという印象深い姫の名の由来はなにか その語源に物語全体は象徴されている。紀元前のペルシャ以来、『中央アジア』の騎馬遊牧民を指した『トゥーラン』に由来する 近代史では思想的術語で西洋に強烈な専制的東洋のイメージも与えた 『首を賭けた謎解き』の筋書きには、西洋から見た畏怖と好奇が重ね合わされていた

なるほど、それで第1幕でペルシャの王子が出てくるのか、と納得しました。首を切られてしまいますが 気の強い姫の名前の由来は騎馬遊牧民だったのですね 新聞を読んでいると、いろいろと勉強になります

さて、一昨日  18日(木)夜、新国立劇場「オペラハウス」で、新国立オペラ、プッチーニ「トゥーランドット」を観ました この公演は新国立劇場と東京文化会館の「オペラ夏の祭典2019-2020」合同プロジェクトのため、オペラパレスではこの日がプルミエ(初日)公演ですが、東京文化会館ではすでに上演されています ダブル・キャストで、初日公演はトゥーランドット=イレ-ネ・テオリン、カラフ=テオドール・イリンカイ、リュー=中村恵理、ティムール=リッカルド・ザネッラ―ト、アルトゥム皇帝=持木弘、ピン=桝貴志、パン=与儀巧、ポン=村上敏明、官吏=豊嶋佑壹。管弦楽=バルセロナ交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、びわ湖ホール声楽アンサンブル、児童合唱=TOKYO FM少年合唱団、指揮=大野和士、演出=アレックス・オリエです

 

     

 

舞台は伝説の時代の中国・北京。絶世の美女ではあるが氷のように冷酷な心を持つトゥーランドット姫は、夫となる男の条件として3つの謎を解くことを課す 解けなければ斬首の刑に処せられる すでに多くの外国の王子が謎解きに挑戦し全問正解できず首をはねられてきた 姫に一目ぼれしたタタール王子カラフは謎解きに挑戦し、すべての謎を見事に解き明かす 動揺する姫にカラフは「翌朝までに私の名前を当てれば、命を捧げよう」と約束する。カラフの名を知る女奴隷リューは拷問を受けるが、口を閉ざしたまま姫の前で自害する 真実の愛に目覚めたトゥーランドットはカラフの名前を「愛」と叫ぶ

 

     

 

前述の通り、本公演はオペラパレスでの初日公演とはいえ、すでに同じ演出により東京文化会館で上演されていることから、フィナーレ部分を除いてネタバレになっています。その点ご承知の上お読みください

第1幕に入る直前、3人の登場人物による無言劇が演じられます 演出のアレックス・オリエによる「プロダクション・ノート」には次のように書かれています

「トゥーランドットは祖先が異国の男性に激しく乱暴されたことが原因で、男性を愛することができなくなり、満たされない復讐の欲望を抱き続けているが、このトラウマこそがゾッとするほどの彼女の残忍さの源となっている

無言劇は この考え方に基づいて、トゥーランドットのトラウマの原因を形として表した演出と言えます 台本にない”劇前劇”については賛否両論があるでしょう

そして管弦楽による力強い演奏により冒頭動機が鳴り響き、物語に入ります 舞台は周囲の壁がまるでエッシャーの無限階段のようになっていて、祭司や民(群衆)らはそこを登ったり降りたりします。そしてトゥーランドットの登場は、舞台中央の上空から、まるで「未知との遭遇」に出てくる「空飛ぶ円盤」のごとく 四角い物体が光とともに降りてきます 

第1幕の舞台を見てまず感じたのは、階段の上の方に登場する人物(トゥーランドット姫、アルトゥム皇帝、官吏、祭司など)は白い清潔な衣装を身に着けているのに対し、階段の下に登場する人物(カラフ、リュー、ティムール、ピン、パン、ポン、群衆など)は地味で目立たない衣装を着けていることです これは、演出者オリエの「物語に存在する冷酷な社会階層の世界」を目に見える形で反映させたものです

演出を見ていて、「おやっ」と思ったのは第3幕でリューが自害する場面です。台本では、「リューが兵士の短剣を奪って自分の胸を刺して死ぬ」となっていますが、今回の演出では「リューが衣服の中(脚)に隠し持っていた短剣を取り出して、自分の首を切って死ぬ」となっていました 私はこれを見て、「何か意図があるはずだ」と直感しました それに続くシーンもこれまで見てきた演出とは違っていて、「おやっ」と思いました。通常の演出ではリューの死体をいつまでも舞台上に残しておくことはせず、何人かの兵士たちが舞台から運び去るのですが、この演出では、ラストまで舞台の中央に残し、その上、トゥーランドットが死んだリューの顔を撫でたり、添い寝のような仕草を見せたりします ここでも「何か意図があるはずだ」と直感しました そして最後にトゥーランドットが「彼の名は・・・愛」と叫んで、「誰も寝てはならぬ」の旋律を用いた歓喜の合唱で幕を下ろすのですが、その直前、トゥーランドットがあり得ない行動に出て、どんでん返しが起こります リューの自決のやり方、そしてトゥーランドットのリューの死体に対する親密な態度は、この結末の前触れだったのか と気付くことになります

この演出に至った経緯について、アレックス・オリエは「プロダクション・ノート」に次のように書いています

「プッチーニが遺したこの未完のオペラの結末は、不思議なことに最終的にトゥーランドットとカラフは結ばれ、リューの死は二人の愛に何の影響も及ぼしません しかし、二人の愛の本質を考えなければならない、そして、この二人の愛は決して人間味のある愛ではない、と私は考えます 二人の愛は無慈悲な残忍さ、そして弱者への軽蔑に満ちた壮大な権力の賛美であり、幸せな結末はなく、見せかけの権力への賞賛しかないと思うのです (中略)トゥーランドットのトラウマの糸をたどっていくと、プッチーニが満足したであろう別の結末に辿り着きました。プッチーニはほかの全てのオペラにおいて、それぞれのヒロインの物語を論理的に書き上げていますので、私たちはその論理性を今回再現してみたいと思います

その「再現」が、トゥーランドットのあり得ない行動として表れていたのです   オリエが「プッチーニはほかの全てのオペラにおいて、それぞれのヒロインの物語を論理的に書き上げています」と語っている意味は、「トスカ」にしても、「蝶々夫人」にしても、「マノン・レスコー」にしても、「ラ・ボエーム」にしても、ヒロインは最後にどうなったかを想い起こせば理解できます オリエは「プッチーニが満足したであろう別の結末」をその点に着目して今回の演出の必然性を見い出したと言えます

私もこのオペラを観るたびに「王子と姫という上流階級の二人だけが幸せになるなんて、死んだリューが浮かばれない プッチーニは本当にこれで良いと思っていたのだろうか」と疑問に思っていました。その点では、今回の演出に共感を覚えるところがあります。しかし、今回の斬新な演出でも死んだリューは救われません いずれにしても、アレックス・オリエは今回の演出によって、従来のオーソドックスな「トゥーランドット」の演出に挑戦状を叩きつけたと言えるでしょう

 

     

 

話は変わりますが、ピン、パン、ポンという3人の役人が狂言回し的な役割で登場します ピンは大尚書官、パンは大宮内官、ポンは大膳部官ですが、プログラム上のキャスト一覧の表記はピン、パン、ポンの順になっています 第2幕はこの3人の登場によって幕が開きます。まず最初にピンが「どちらにしても用意しておこう。もし、あの異国の人が勝利を得れば婚礼のために、もしも彼に運がなければ葬式のために」と呼びかけ、ポンが「私は婚礼の用意をする」と言い、続いてパンが「そして私は葬式の用意を!」と言います この発言内容(呼びかけー結婚式ー葬式)からいえば、ピン、ポン、パンの順番の方が良いように思えます ちなみに、私が予習したマリア・カラスがトゥーランドットを歌ったCD(トリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団:1957年7月録音)の解説書では、ピン、ポン、パンの順に書かれています それでは なぜピン、ポン、パンの順にしないのかと言えば、多くの日本人は「ピンポンパン体操」を想像してしまうからだと思います   「トラのプロレスラーは シマシマパンツ はいてもはいても すぐとれる がんばらなくちゃー」という あの歌と踊りです この歌に合わせて踊る保育園児は「誰も寝てはならぬ」状態でした


     


歌手陣は充実していました トゥーランドット姫を歌ったイレ―ネ・テオリンは2008年の新国立オペラ「トゥーランドット」でタイトルロールを歌っていますが、恵まれた体躯を活かした強靭なソプラノ・ドラマティコです カラフを歌ったテオドール・イリンカイはルーマニア生まれのテノールですが、高音に伸びがあり歌唱に無理がありません 第3幕第1場における「誰も寝てはならぬ」は感動的でした 日本人で一番良かったのはリューを歌った中村恵理です 旧王ティムールに献身的に仕え、カラフのために命を犠牲にする女奴隷リューの心情を芯のある美しい声で歌い上げました

最後に特筆すべきは、大野和士指揮 バルセロナ交響楽団による迫力に満ちた演奏です METライブビューイングで観た「トゥーランドット」のスケールの大きな演奏を思い出しました そして、新国立歌劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、びわ湖ホール声楽アンサンブル、TOKYO FM少年合唱団の合唱が「これぞ、トゥーランドット」という迫真に満ちた合唱を聴かせてくれました

かくして、新国立劇場における「トゥーランドット」の初日公演は成功裏に終了しましたが、アレックス・オリエによる結末における斬新な演出は、今後物議をかもすに違いありません

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藝大モーニングコンサートでプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」(Pf:角野未来)、田野辺賢治「Urbi et Orbi」を聴く / 藝大プロジェクト「クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて」

2019年07月19日 07時16分16秒 | 日記

19日(金)。わが家に来てから今日で1750日目を迎え、公正取引委員会は ジャニーズ事務所がテレビ局対し、退所した元SMAPメンバーの稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの起用を見送るような働きかけがあった場合は独占禁止法違反につながる恐れがあると注意した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      草薙君の「ブラタモリ」のナレーション以外に公式なテレビ出演はないらしいな

     

         

 

昨日の夕食は「すき焼き」にしました 娘が春菊が嫌いなので代わりにキャベツを入れましたが、これが なかなか合うのです

 

     

 

         

 

昨日、午前11時から上野の東京藝大奏楽堂で第10回藝大モーニングコンサートを聴き、午後6時半から初台のオペラパレスで新国立オペラ、プッチーニ「トゥーランドット」を観ました   ここでは第10回モーニングコンサートについて書きます

プログラムは①田野辺賢治「Urbi  et Orbi」、②プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26」です ②のピアノ独奏は藝大3年・角野未来さん、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮=山下一史です


     


全席自由です。1階12列12番、左ブロック右通路側を押さえました

1曲目は田野辺賢治作曲「Urbi et Orbi」です 田野辺君は東大教養学部理科Ⅱ類を中退後、東京藝大作曲家に入学、現在4年生です

演奏前の本人による解説とプログラム冊子に記載のプログラム・ノートによると、「Urbi  et  Orbi」は「ローマと全世界へ」という意味で、ローマ教皇による祝福を意味しているとのこと。「我々の社会の有様をオーケストラに投射する」というのがこの曲のコンセプトだそうです プログラム・ノートには「全体は3つのセクションに分かれており、それぞれ原初的、中世的、近代的な社会分化の諸類型(社会分化形態の段階)に準えられた可変的構造を持つ」といったような小難しいことが詳細に書かれていますが、耳だけでなく頭の悪い私の理解の範疇を超えます 本人は「難しいことを書きましたが、音楽はそれほど難しいものではありません 複数の編成による演奏が同時に進行していく音楽です 例えば、3つの異なる音楽を同時に演奏したら混乱しますが、ある時点で素晴らしい調和が達成するところがあったりします この曲では、そういう点が多くなるように作曲しました」と解説しました

オケの編成は、珍しく左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対向配置をとり、センターにはグランド・ピアノがスタンバイしています。コンマスは植村太郎氏です

山下氏の指揮で演奏が開始されます 全体は3つの部分から成りますが、その区切りは分かりません 本人は「複数の編成による演奏が同時に進行していく音楽」と説明していましたが、私にはごく普通の”現代音楽”に聴こえました。たぶん、私の耳はこの種の音楽を理解できる能力を備えていないのだと思うと、とても残念です


     


アノの入れ替えと打楽器の配置換えを中心に相当時間がかかり、弦楽器の編成も変わりました。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴォイラ、その後ろにコントラバスという いつもの並びになりました

プログラム後半はプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26」です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)が1917年に作曲に着手したものの、その年に起きたロシア革命の混乱を避けてアメリカに亡命したため、作曲が一時中断され、1921年にフランスのブルターニュ滞在中に完成させた作品です 第1楽章「アンダンテ~アレグロ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

濃いピンクのシンデレラのようなドレスに身を包まれた藝大3年・角野未来(すみの  みらい)さんがピアノに向かいます

山下氏の指揮で第1楽章に入ります。冒頭クラリネットの素朴な旋律に続き、オケが上昇気流に乗ったかのようにスピードを増していき、独奏ピアノが軽快に入ってきます この疾走感はいつ聴いてもたまりません この曲は最初から最後まで超絶技巧を要する難解な作品ですが、角野さんは、演奏することに喜びを感じながら弾いているのが窺え、とても素晴らしいと思いました 全3楽章とも変化に富んだ曲想ですが、とくに第2楽章は、ピアノ・ソロによる美しい旋律美を堪能できるばかりでなく、急激に変化するリズムやメロディーに即時対応していく角野さんの技巧が冴えていました 角野さんに明るい未来あれ


     


         


藝大プロジェクト2019「クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて」(クラーラ・シューマンをめぐる3つのコンサートと3つの講座)が10月に開かれます 日程は下のチラシの通り 10月10日(木)、同12日(土)、同20日(日)ですが、チケットの発売・公演の詳細は近日中に藝大楽理科、藝大奏楽堂の各ホームページで公開されるそうです ブラームスの永遠の憧れクラーラ・シューマンの人と音楽はどんなものか、興味のある方は要注目です

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

芸劇ブランチコンサート「名曲リサイタル・サロン」で萩原麻未のショパン「ワルツ第1番、第9番、第6番、第7番、第3番、第14番」、モンポウ「歌と踊り第4番、第3番」、ラヴェル「ラ・ヴァルス」を聴く

2019年07月18日 07時16分27秒 | 日記

18日(木)。わが家に来てから今日で1749日目を迎え、とくにコメントすべきニュースもないので、大好きなリンゴジュースを細いシリンジから飲ませてもらっているモコタロです

 

     

     僕が病気になった時 リンゴジュースに薬を溶かして飲んだのが習慣になったんだ

 

         

 

昨日、夕食に「トマトと豚肉の重ね蒸し」と「パプリカとスナップエンドウのスープ」を作りました 「トマトと~」の材料はトマト、エノキダケ、豚ロース、青じそで、調味料は洋風チキンスープの素、白ワイン、塩、コショウです

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート「第2回名曲リサイタル・サロン」で萩原麻未のピアノ・リサイタルを聴きました プログラムは①ショパン「ワルツ第1番”華麗なる大円舞曲”」、②同「ワルツ第9番”別れのワルツ”」、③同「ワルツ第6番”子犬のワルツ”」、④同「ワルツ第7番」、⑤同「ワルツ第3番」、⑥同「ワルツ第14番」、⑦モンポウ「歌と踊り」より第4番、⑧同「同第3番」、⑨ラヴェル「ラ・ヴァルス」です

 

     

 

会場は1階席がほぼ満席に近い状況、2階席は後方が空いています 出演者の多い「名曲ラウンジ」シリーズの方が客の入りが良いようです

ピンクの鮮やかな衣装の萩原麻未さんが登場、フレデリック・ショパン(1810-1849)の「ワルツ第1番”華麗なる大円舞曲”」、「ワルツ第9番”別れのワルツ”」、「ワルツ第6番”子犬のワルツ”」を続けて演奏します 2曲目の「ワルツ第9番」は「別れのワルツ」という愛称で呼ばれていますが、ショパンのエチュード(練習曲)作品10-3「別れの曲」とは違います

ここでナビゲーターの八塩圭子さんが登場し、トークに入ります 萩原さんは2010年の第65回ジュネーヴ国際コンクール(ピアノ部門)において、日本人として初めて優勝した実力者です 演奏途中でトークが入るコンサートは今回が初めて、また午前11時に本番を迎えるソロの公演は中学校以来かも知れないとのことです この日のために1週間前からペースを整えたそうです

続いてショパンの「ワルツ第7番」、「ワルツ第3番」、「ワルツ第14番」を続けて演奏しました 前半の3曲に比べてメランコリックな印象の曲を集めた感じです さすがは明暗の弾き分けが鮮やかです

ここで再びトークに入り、八塩さんが毎日どのように過ごしているのかを尋ねました 萩原さんは朝は8時からのNHKの「朝ドラ」を観て、引き続き「あさイチ」を観て過ごすそうです 朝食はとくに決まっておらず、最近はキウイ、それもグリーンでなくゴールデン・キウイをよく食べるそうです 「練習はいつどれくらいされるんですか? ご主人の成田達樹さんもヴァイオリンの練習があるでしょうけど、重なることはないんですか?」という質問には、「練習はピアノを弾くだけではなく、頭の中で考えることも含まれます 昼間は調子が上がらないので、実際の練習は夕方になってからです。練習はそれぞれ自由にやりますが、二人で一緒にすることもあります」と答えていました

続いてフェデリコ・モンポウ(1893-1987)の「歌と踊り」から「第4番」と「第3番」が続けて演奏されます 私は初めて聴きましたがとても親しみやすい曲でした

さて、萩原麻未と言えばラヴェルです ジュネーヴのコンクールで弾いたのもラヴェルのピアノ協奏曲でした。「ラ・ヴァルス」はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1920年に完成した作品で、フランス語の「ワルツ」です ラヴェルはこの曲について「渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女が浮かび上がってくる」と書いていますが、萩原麻未さんの演奏は、厚い雲が次第に消え、雲の切れ目から舞踏会の様子が垣間見ることができるようになる有様を色彩感豊かな演奏で描き出していました まさに彼女らしいキレの鋭い演奏でした

私は2度目のカーテンコールまで拍手をして、そそくさと会場を後にしました 11月以降の3回連続チケットを取るため、先行発売のカウンターに早めに並びたかったからです ところが、ロビーに出たら、ホール内からピアノの音が聴こえてきました どうやらアンコールがあったようです 私は 経過時間からしてアンコールはあり得ないと勝手に思っていたのですが、結果的に損をしました  こういうのを日本では「後の祭り」とか「急いては事をし損ずる」と言います 私の場合は珍しいことではありません

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

井上道義 ✕ リュカ・ドゥバルグ ✕ 読売日響でラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、ホルスト:組曲「惑星」を聴く ~ 第624回名曲シリーズ / ヒンデミットの冗談音楽 ~ さまよえるオランダ人序曲

2019年07月17日 07時32分03秒 | 日記

17日(水)。昨日は新聞休刊日だったので、朝は本を読みながらFM放送を聴きました(逆か?)。NHK・FMの「クラシック・カフェ」という番組ですが、最後にヒンデミットの「朝7時に村の井戸端で二流のオーケストラによって初見で演奏された『さまよえるオランダ人序曲』」という長ったらしいタイトルの曲が演奏されました ワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲が(タイトル上はオーケストラとなってますが)弦楽四重奏で演奏される作品です 冒頭から大笑いしてしまいました ヴァイオリンもヴィオラもチェロも最初から最後まで音を外しっぱなしで、どうしたらこんな下手な演奏が出来るんだろう と思うほど、絵にかいたような「調子っぱずれ」な演奏です 演奏者は間違いなく楽譜を見て演奏しているはずですが、本来のまともな楽譜で演奏するよりも難しいのではないか、と思ったりしました これを聴いて、真っ先に思い出したのはモーツアルトが1787年に作曲した「音楽の冗談K.522」でした この曲は2つのホルンと弦楽のためのディベルティメント(喜遊曲)ですが、ホルンが外しまくり、弦が不協和音を奏でます 何よりも意外だったのは、あの真面目そうなヒンデミットが「冗談音楽」を書いていたことです まだまだ知らない曲がたくさんありますね

ということで、わが家に来てから今日で1748日目を迎え、トランプ米大統領は14日、祖先の出身地が外国の野党・民主党の女性連邦議員に対して「国に帰ったらどうか」とツイッターに書き込んだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        メラニア夫人はスロベニアの出身だったよね  祖国に帰ってもらうつもりかい?

 

         

 

昨日、夕食に「ひき肉と野菜のドライカレー」を作りました 今や私の定番料理ですが、2週間に1度は食べたくなります 材料は豚ひき肉、玉ねぎ、トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニです。何度食べても飽きません

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第624回定期名曲シリーズを聴きました プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」、ホルスト:組曲「惑星 作品32」です ①のピアノ独奏=リュカ・ドゥバルグ、②の女声合唱=昭和音楽大学、指揮=井上道義です 

なお、指揮は当初ブラムウェル・トーヴェイの予定でしたが、癌のため来日できず、代わりに癌を克服した井上道義が振ることになりました

 

     

 

オケはいつもの読響の並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは小森谷巧氏です

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1900~1901年に作曲、1901年11月9日にモスクワで初演されました 1897年に発表した交響曲第1番の失敗によりどん底に落ち込んでから、起死回生の復活を遂げるキッカケとなった作品です 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります

1990年生まれのフランス人ピアニスト、リュカ・ドゥバルグが井上道義氏と共に登場、ピアノに向かいます ソリストの独奏により教会の鐘を模した序奏で曲が開始されます バックと務める井上氏はスケールの大きな演奏でソリストを支えます ピアニストともども、まさにロマンティシズムの極致をいく演奏と言うべきでしょう とは言うもののドゥバルグの演奏は彼の風貌のように極めて理知的で、整然と音楽を進めます これはこの楽章に限らず、すべての楽章に共通していました

盛大な拍手にソリストはミロシュ・マギーという作曲家の「ノスタルジー何とか」という曲を静かに演奏、聴衆のクールダウンを図りました


     


プログラム後半はホルスト:組曲「惑星 作品32」です この曲は女声合唱を伴う管弦楽曲で、グスターヴ・ホルスト(1874-1934)が1914年から1016年にかけて作曲、1920年11月15日にロンドンで全曲初演されました 第1曲「火星:戦争をもたらす者」、第2曲「金星:平和をもたらす者」、第3曲「水星:翼のある使者」、第4曲「木星:快楽をもたらす者」、第5曲「土星:老いをもたらす者」、第6曲「天王星:魔術師」、第7曲「海王星:神秘主義者」の7曲から成ります

オケのメンバーが拡大しフル・オーケストラ態勢となります 前半ではピアノの蓋の陰で見えなかったのですが、オーボエに新日本フィルを退団したばかりの金子亜未さんがスタンバイしていました 当ブログにコメントをくれた「ともさん」の指摘の通り、読響の7月号のプログラム冊子に、契約団員として「金子亜未(首席オーボエ。7月13日~)」の表記がありました また契約団員として他に首席トロンボーン・青木昴氏、ホルン・上里友二氏の名前があり、「入団のお知らせ」に「伊東真奈(ヴァイオリン奏者)が6月1日付で入団」と書かれていました さらに、「オーディションのお知らせ」として「フルート奏者1名」と記述されていました こうして、少しずつメンバーが入れ替わって世代交代していくのでしょうね

井上道義氏が再登場、さっそく第1曲「火星」の演奏に入ります 「スター・ウォーズ」のテーマ音楽を書いたジョン・ウィリアムスは、この音楽に影響されたに違いない、と思わせるようなダイナミックで攻撃的な音楽です 激しいリズムを主体とするこうした音楽は、井上氏の得意とするところです 私が彼の指揮で一番素晴らしいと思うのはゴジラでお馴染みの伊福部昭の音楽ですが、「火星」を聴いていると、どこからかあの巨大なゴジラが現われるのではないかと思ってしまいます

第2曲「金星」では冒頭の日橋辰朗氏のホルン独奏、それに続く金子亜未さんのオーボエ独奏、そして、富岡廉太郎氏のチェロ独奏が本当に素晴らしかったです 第4曲「木星」では推進力に満ちた力強い音楽が展開し、中盤から平原綾香が歌って人口に膾炙した「ジュピター」の美しくも雄大なメロディーが演奏されます

第6曲「天王星」の冒頭部分はポール・デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」のメロディーによく似ています 曲想はデュカスが軽快で、ホルストが力強いという違いがありますが 最後の第7曲「海王星」のフィナーレ部分でやっと女声コーラスの出番になりますが、最初はどこで歌っているのか全く分かりませんでした 左サイドから聴こえてくるので下手の舞台袖のドアを見たら閉まっています。そこで2階席の左サイドのドアを見たら、ちょっと隙間がありました。ああ、あの裏で歌っていたのか、と初めて分かりました 昭和音楽大学の女声合唱は素晴らしかったです

さて、全体を通して、指揮棒を持たず両手で指揮をする井上氏の後姿を見ていると、曲想に応じて目まぐるしく身体を動かしていて全く飽きません ひと言でいえば、大きな投網を空中に投げかけ、その中に音楽を閉じ込めて両手で手繰り寄せるといった指揮ぶりです ある時はバレエを踊り(彼はクラシック・バレエをやっていた!)、ある時はアイス・スケーターになり、ある時はソーラン節を踊ります 稀代の演歌テナー、じゃなくて、エンターティナーと言うべきでしょう

指揮台の上で暴れる指揮者ということでは、山田一雄氏(ヤマカズさん)を思い出します 彼は指揮に夢中になって指揮台から転落した というエピソードの持ち主です 何を隠そう井上道義氏も指揮台から落っこちたことがあります。私は目撃者です その”事件”が起こったのは1999年9月30日にトリフォニーホールで開かれた新日本フィルとのマーラー・ツィクルスの初日のことでした その日は2年間かけてマーラーの交響曲を全曲ライブ録音するという第1回目のコンサートでした 交響曲第1番の第1楽章が始まって間もなく、あろうことかケータイ着信音が鳴ったのです 井上氏はわざと指揮台から転げ落ちて、演奏を強制終了(録音を止め)させたのです。その時、私は「いよっ、落語者」とは叫びませんでした。林家三平師匠じゃないんですから。おくさん、どうもすいません 彼は舞台袖に引っ込んで、十数分後にあらためて出直して冒頭からやり直しました 残念ながら一度ケチがついたその日の録音は一部分が採用されず、当日の聴衆を2000年7月29日に無料で招待し改めてライブ録音に臨んだのです そのCDがこれです


     


     


ケータイの着信音一つが いかに小さなレコード会社にとって大損害だったか、想像に難くありません 20年前ですでにそうだったのですが、今なお演奏中にケータイ着信音を鳴らしているバカ者がいます 世の中は進歩してもマナーは進歩していないようです

コンサートの話に戻ります。満場の拍手とブラボーを浴びた井上氏は、楽員をセクションごとに立たせ、女声コーラスを賞賛し、最後に1枚のチラシを持って登場し指揮台の上に置きました 「皆さんよろしく」と言っています それは7月31日にミューザ川崎で開かれる「フェスタサマーミューザ」の井上氏の指揮による読響コンサートのチラシでした ブルックナーの「交響曲第8番」を演奏します。読響、今年は本気ですね

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新交響楽団でベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」、プロコフィエフ:バレエ君曲「ロメオとジュリエット」、バーンスタイン「ウエストサイドストーリー」~シンフォニックダンスを聴く

2019年07月16日 07時18分19秒 | 日記

16日(火)。わが家に来てから今日で1747日目を迎え、英ノッティンガム大などの研究チームが コーヒーを飲むことで脂肪の燃焼を活発にする効果がみられることを突き止め、英科学雑誌サイエンティフィック・リポーツに発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       コーヒー飲むより 脂肪だけ取り出して燃焼させた方が早くね? 志望届けが必要?

     

         

 

昨日、夕食に「鶏手羽元と野菜のスープ」を作りました 材料は鶏手羽元、大根、人参、玉ねぎ、ジャガイモ、ホウレンソウです。味付けは日本酒と醤油だけで極めてシンプルですが、優しい味です

 

     

 

         

 

昨日は、まだ風邪が抜けきらなかったのですが、いつまでも家に閉じこもっている訳にもいかないので、予定通り池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団の第246回演奏会を聴きました プログラムは①ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」より、プロコフィエフ:バレエ君曲「ロメオとジュリエット」より、バーンスタイン「ウエストサイドストーリー」よりシンフォニックダンスです 指揮は矢崎彦太郎です

新交響楽団は1956年に創立されたアマチュアオーケストラです 矢崎彦太郎は上智大学数学科で学んだ後、東京藝大指揮科に再入学したという異色の経歴の持ち主で、フランス音楽を積極的に紹介し、フランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエ、同オフィシエ勲章を受勲しています

 

     

 

自席は1階L列12番、左ブロック右通路側です

オケはいつもの通り、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです 名簿から推察するとコンマスは内田智子さんか中島美樹さんのどちらかです

1曲目はベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」より第1部「序奏:争い、騒動、大公の仲裁」、第2部「ロメオただ一人、哀しみ、遠くから聴こえてくる音楽会と舞踏会、キャピュレット家の饗宴」、第3部「愛の場面」、第6部「キャピュレット家の墓地におけるロメオ、ロメオの祈り、ジュリエットの目覚め、狂気、絶望、最期の苦しみと愛し合う2人の死」です

劇的交響曲「ロメオとジュリエット」は、「幻想交響曲」「イタリアのハロルド」に次いでエクトル・ベルリオーズ(1803-1869)が作曲した3番目の交響曲です ベートーヴェンの「第九」を意識した独唱、合唱を伴う意欲的な交響曲ですが、作曲にあたり資金の援助をしたパガニーニに献呈しています

この日の演奏は、独唱や合唱を伴わない部分の楽曲を抜粋していますが、オーケストラの魔術師ベルリオーズならではの管弦楽法で、聴きどころ満載です

矢崎彦太郎の指揮で第1部の序奏に入りますが、冒頭のトロボーンとファゴットを中心とするアンサンブルが実にいい音を出していました また、第2部ではオーボエのソロが素晴らしい演奏を展開していました 「ロメオとジュリエット」というと、次に聴くプロコフィエフやチャイコフスキーの楽曲を思い浮かべますが、初めて聴くベルリオーズは彼らとは一味違った魅力に満ちており、ベルリオーズのDNAがしっかりと音楽に表れていました


     


プログラム後半の1曲目はプロコフィエフ:バレエ組曲「ロメオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」「少女ジュリエット」「修道士ローレンス」「ティボルトの死」「別れの前のロメオとジュリエット」「ジュリエットの墓の前のロメオ」です

バレエ組曲「ロメオとジュリエット」はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)が1935年から36年にかけて作曲、1938年にブルノで初演されました 4幕10場からなる作品ですが、第1組曲と第2組曲が編まれています この日の演奏は第1組曲から1曲、第2組曲から5曲が選ばれています

コンマスが堀内真美さんに代わって演奏に入ります この曲では第2組曲第2曲「少女ジュリエット」におけるチェロのソロとそれに続くテナーサックスのソロが素晴らしい演奏を展開していました また、第1組曲第7曲「ティボルトの死」のおけるオーケストラ総力を挙げての劇的表現力は特筆に値します

後半2曲目はバーンスタイン「ウエストサイドストーリー」より「シンフォニック・ダンス」です 「ウエストサイドストーリー」はレナード・バーンスタイン(1918-1990)が1957年に作曲したミュージカルです ニューヨークの下町ウエスト・サイドを舞台に、対立する非行少年グループの間の男女の恋をテーマとした「ロメオとジュリエットの現代版」とでも言うべき作品です 「シンフォニック・ダンス」はミュージカルの中の主要なダンスナンバーを組曲として編んだもので1960年に完成しました 第1曲「プロローグ」、第2曲「どこかに」、第3曲「スケルツォ」、第4曲「マンボ」、第5曲「チャチャ」、第6曲「出会いの場面」、第7曲「クール~フーガ」、第8曲「乱闘」、第9曲「フィナーレ」から成ります

矢崎彦太郎の指揮で演奏に入りますが、「プロローグ」におけるフィンガースナップ(指をパチンと鳴らす)はもう少し音量が欲しかったと思いましたが、弦楽器奏者は右手に弓を持っている関係で左手の指を鳴らさなければならないので力の入れように限界があるのかもしれませんね 「マンボ」は金管楽器と打楽器が派手に活躍して、全員で「マンボ」と叫んだりするので御機嫌な音楽です。とても楽しい演奏でした

次回は10月13日(日)で、ドヴォルザーク特集です

 

     

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ギヨーム・ミュッソ著「ブルックリンの少女」を読む ~ アンソニー・ホロヴィッツ著「カササギ殺人事件」以来の傑作ミステリー / 鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」、大島渚監督「儀式」を観ざるの記

2019年07月15日 07時16分47秒 | 日記

15日(月・祝)。昨日も風邪が抜けず絶不調が続いていたので、観たい映画を諦めて 今週コンサートで演奏される楽曲のCDを聴きながら読書をして過ごしました

ということで、わが家に来てから今日で1746日目を迎え、吉本興行の芸人らが会社を通さない「闇営業」で振り込め詐欺グループや暴力団幹部らの宴会に参加した問題で、グループトップの大崎洋・吉本興行ホールディングス会長が朝日新聞の取材に応え、「業務上のことではなく、会社外のこと。(経営責任は)考えていない」と明確に否定した という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

       安い給料でこき使ってるからアルバイトに走るんじゃないの? 闇上がり決死隊も

 

         

 

ギヨーム・ミュッソ著「ブルックリンの少女」(集英社文庫)を読み終わりました ギヨーム・ミュッソは1974年フランスのアンティーブ生まれ。高校卒業後にニューヨークに渡りアイスクリーム売りのアルバイトなどを経験。ニースとモンペリエの大学で経済学と社会学を学んだ後、2003年まで高校教師を務める。2004年に発表された「Et apres・・・」が大ヒットし、ベストセラー作家となり、これまでに刊行した作品は42の言語に翻訳され、その総売り上げは3000万部を超えるとのこと

 

     

     

フランスの人気小説家のラファエル・バルテレミは、婚約者で小児科研修医アンナ・ベッケルと南フランスの貸別荘で休暇を楽しんでいた なぜか過去をひた隠しにするアンナに、結婚式を挙げる前に本当の過去を教えて欲しいと迫ると、観念したアンナは「これが、私がやったこと」と言い 1枚の衝撃的な写真を差し出した   ラファエルがその悲惨な写真に呆気にとられえているうち、アンナは別荘を飛び出して、そのまま行方不明になってしまう ラファエルは、友人の元警部マルク・カラデックに捜索の協力を求め、調査を進める   すると、アンナが実は別の名前の女性であり、過去に起きた少女誘拐事件の被害者であることが分かる   さらに、その当時、彼女の母親がニューヨークである事件に巻き込まれ、殺されていたことが判明する 事件の裏にはアメリカ大統領選の候補者が絡んでいた。ラファエルとマルクはそれぞれ手分けをして過去の事件を掘り返していくが、その間にアンナは何者かに誘拐され幽閉されていることが分かる 果たして二人はアンナを救い出すことが出来るのか? そして、そもそもアンナとはいったい何者なのか 最後にどんでん返しが待っている

この作品は、昨年の「マイベスト」に挙げたアンソニー・ホロヴィッツ著「カササギ殺人事件」以来の傑作ミステリーでした たった3日間のことしか書かれていないのに、過去へのワープなど複層的にストーリーが展開していくので、まるで何年も経っているように錯覚します

読み終わった後に感じたのは、この物語にはまだ続きがあるのではないか、ということです 中でも一番の関心事は、アメリカ大統領選の共和党候補者タッド・コープランドと選挙参謀のゾラー・ゾアキンはどうなってしまうのだろう、ということです

同じフランスのベストセラー作家ピエール・ルメートルの作品(「その女アレックス」「悲しみのイレーヌ」など)と比べると、ルメートルの小説が残虐な行為がこれでもか、と続くのに対し、ミュッソの小説はそういう描写はほとんどありません それだけに眉を顰めて読み進めることはありません。それと、何より感心したのは、非常に読みやすいということです これは吉田恒雄さんの翻訳が優れていることが大きいとは思いますが、全体的にストーリー展開に無理がなく、過去にワープしてもまた現在に戻るのに違和感がほとんどありません 多分、ミュッソは文章が巧いのだと思います

吉田恒雄氏は「訳者のあとがき」で、「冒頭の恋人同士の諍いの場面から凄まじいスピードで絶えず何かが起こっているので、私たちはページから目を上げるタイミングを見つけられない 読者各位に、ぜひとも金曜日の夕方から読み始めるようお勧めする所以である」と書いていますが、まったくその通りです 470ページを超える大作ですが、私はあまりの面白さに一気読みしました

 

         

 

冒頭に書いた通り、昨日は映画を観る予定でしたが、風邪の悪化を恐れて、自宅で大人しく過ごしました 観ようと思った映画は池袋の新文芸坐で上映中の「ツィゴイネルワイゼン」と「儀式」です せっかく作品を予習しておいたので、昨日同様、内容をご紹介しておきます

「ツィゴイネルワイゼン」は鈴木清順監督による1980年製作映画(144分)です

ドイツ語学者の青地豊二郎(藤田敏八)と友人の中砂糺(原田芳雄)の二人が海辺の町を旅している 二人の周囲を老人と若い男女二人の盲目の乞食が通り過ぎる。老人と若い女は夫婦で、若い男は弟子だという。青地と中砂は宿を取ると、小稲(大谷直子)という芸者を呼んだ。その後、中砂は旅を続け、青地は湘南の家に戻る。歳月が流れ、青地の元へ中砂の結婚の知らせが届く 中砂家を訪れた青地は、新妻・園(大谷直子・二役)を見て驚く。彼女は旅の宿で呼んだ芸者の小稲と瓜二つだったのだ その晩、青地は中砂からサラサーテが自ら演奏している1904年盤の「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを聴かされる この盤にはヴァイオリン奏者のサラサーテが伴奏者に喋っているのがそのまま録音されている珍品だという 中砂は青地にサラサーテが何を言っているのかを尋ねるが、青地にも分からなかった 中砂は再び旅に出る。その間に、妻・園は豊子という女の子を生む。中砂は旅の間しばしば青地家を訪ね、青地が留守の時も妻・周子(大楠道代)と談笑していく そして、周子の妹で入院中の妙子を見舞うこともあった。ある日、青地は中砂から、妻・園が死に、うばを雇ったという報せを受ける 中砂家を訪れた青地は、うばを見てまた驚いた。うばは死んだ園にソックリだったのだ うばはあの芸者の小稲その人だった その晩は昔を思い出し、三人は愉快に飲んだ 中砂は盲目の三人の乞食の話などをした。数日後、中砂はまた旅に出たが、麻酔薬のようなものを吸い過ぎて旅の途中で事故死したという連絡が青地の元に入る その後、中砂家と青地家の交流は途絶えがちになっていく。ある晩、小稲が青地を訪ね、生前に中砂が貸した本を返してほしいと言う。2,3日すると、また小稲が別に貸した本を返してほしいとやって来る。それらの書名は難解なドイツ語の原書で、青地は芸者あがりの小稲が何故そんな本の名をスラスラよめるのか訝しがった そして2、3日するとまた小稲がやってきて「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを返してほしいと言う 青地にはそれを借りた記憶はなかった。小稲が帰ったあと、妻・周子が中砂ならそのレコードを借りて隠していたこと判明し、数日後、青地はそれを持って小稲を訪ねた。そして、どうして本を貸していたのが分かったのかを尋ねた 小稲が語るには、それは豊子が夢の中で中砂と話すときに出てきた話だという 家を出た青地は豊子に出会った。豊子は「おじさんいらっしゃい。生きている人間は本当は死んでいて、死んでいる人が生きているのよ。おとうさんが待ってるわ。早く、早く・・・」と青地を迎えるのだった

「儀式」は大島渚監督による1971年製作映画(123分)です

 「テルミチシス テルミチ」という奇妙な電報を受け取った桜田満州男(河原崎健三)は立花輝道(中村敦夫)のかつての恋人・律子(賀来敦子)と共に急きょ打電地の南の島に旅立つ。その道行で、満州男は過去に桜田家で行われた数々の冠婚祭の儀式と、その時にだけ会うことのできる親戚の人々のことを想い起こしながら、この電報の意味を考え続けた 昭和8年 満州事変の余波さめやらぬ頃、満州で生まれた満州男が、昭和22年 母親のキクと共に命からがら引き揚げて九州の桜田家に辿り着いた日は、満州男の父・韓一郎の一周忌の日だった。韓一郎は敗戦の年、満州から東京に渡ったが、日本の前途に絶望して自殺した その法事の席には、内務官僚だったため追放中の祖父・桜田一臣(佐藤慶)、祖母・しづ(音羽信子)、曾祖母・富子、祖父の兄嫁・ちよ、ちよと一臣との間に生まれた守、父親の腹違いの弟・勇、もう一人の腹違いの弟・進の子・忠、叔母・節子(小山明子)とその子供・律子、しづが可愛がっている立花輝道などが列席した 幼い弟を満州で失い、これから母と二人で生き抜こうと決心した満州男であったが、祖父の命令で桜田家の跡継ぎとして、この複雑な血縁関係の中に引き込まれていった 昭和27年夏、全国高校野球大会に東京代表チームの投手で4番打者として活躍していた満州男は、準々決勝戦の前夜、母の危篤を知らされた 翌日の試合で満州男が致命的な失投をした頃、母は息を引き取った 追放が解け、ある公団の総裁に就任した祖父の力もあってキクの葬儀は盛大に行われた。その通夜の晩、満州男は節子から父の遺書を手渡されたことにより、父と節子が愛し合っていたこと、そして、二人が祖父によって引き裂かれ、節子は祖父の政治的野望の犠牲になったことを知った その夜 満州男は、自分の憧れの的だった節子が、輝道の愛撫を受けているのを見てしまった。その翌年、輝道が祖父の秘書として上京したのと入れ替わりに、満州男は京大に入学し、再び野球の世界に没頭していった   昭和31年、日共の党員である叔父・勇(小松方正)の結婚式が行われ、その席には中国から戦犯として刑期を終えて帰国した叔父・進(渡辺文雄)の顔があった。その夜、満州男は好きだという自分の気持ちを律子に言い出せず、輝道が律子を抱くのをただ呆然とながめていた。夜明けに節子が死んだ   原因不明のまま自殺として盛大に葬られた節子の死を、満州男は祖父が殺したのだと思った   昭和36年、政財界人を集め祖父の命令で行われた自分の結婚式で、忠(土屋清)は花嫁の失踪を隠した虚飾に満ちた披露宴に怒りをぶつけるが、その忠は事故死する そして輝道は家を出る。その後 満州男は、輝道が自分の父の許婚と祖父との間に出来た子であることを知った そして、偉大な祖父の死など様々な出来事の思い出が満州男の脳裏を横切っていった。南の島への旅の終わりが近づいていた 満州男と律子を乗せた船は、紺碧に輝く南の海を、輝道のいる島へと進んだ。そして、そこで見たものは、全裸で横たわる輝道の死体だった。生きる意志を失った律子は、満州男の目前で自ら手足を縛り薬を含んだ

なお、音楽は武満徹が担当しています

「ツィゴイネルワイゼン」は2度ほど観ましたが、鈴木清順監督の独特の美学が強烈で 忘れられません 大島渚監督の「儀式」は一度も観たことがないので、やっぱり観たかったぁ~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京藝大「フランス室内楽の名曲を探してー名手ドンスク・カンとに日本の仲間たち」のチケットを取る / 木下恵介監督「楢山節孝」、今村昌平監督「神々の深き欲望」を観ざるの記

2019年07月14日 07時20分50秒 | 日記

14日(日)。昨日朝から風邪気味で喉と鼻が絶不調です 昨日は映画を観に行く予定でしたが、ここで無理をすると月曜からの連日のコンサートが総崩れになる恐れがあるので、外出は買い物だけに止めておきました

ところで、昨日の日経朝刊・別刷り「NIKKEI プラス1」に「何でもランキング『いくつ知ってる?野菜クイズ』」が載っていました 全10問ありますが、間違った人が多い順に5問ご紹介しますので、自己採点してみてください

【第1位】家庭で消費される生鮮野菜(主要な13品目)の国産比率は?

※主要13品目=キャベツ、ホウレンソウ、レタス、ネギ、玉ねぎ、白菜、キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、大根、人参、里芋。

①ほぼ100%、②80%、③60%、④50%以下

【第2位】小松菜にホウレンソウの3倍含まれる栄養素は?

①ビタミンE、②鉄分、③葉酸、④カルシウム

【第3位】次のイモ類のうち、最もカロリーが低いのは?

①サツマイモ、②ジャガイモ、③長芋、④里芋

【第4位】アスパラガスについて、正しいのは?

①横に寝かせて保存する、②買ったらすぐ食べるのがよい、③旬は冬、④グリーンとホワイトは種類が違う

【第5位】鉄分が最も多いのは?

①枝豆、②ネギ、③パセリ、④ホウレンソウ

答えは以下の通りです

【第1位】①ほぼ100% 主要13品目の国産比率は2000年度以降で98%以上を維持しているとのこと 正答率は約5%の低さ

【第2位】④カルシウム  約45%の人が「鉄分」と回答したそうです

【第3位】④里芋  カロリーの高い順にサツマイモ、ジャガイモ、長芋、里芋の順とのこと

【第4位】②買ったらすぐ食べるのがよい どの野菜も早く食べた方が良いが、アスパラガスは特に鮮度の劣化が早いとのこと なお、アスパラにはグリーンとホワイトがあるが、これは種類の違いではなく栽培方法の違いとのことで、盛り土をして日光に当てずに育てたのがホワイトアスパラだそうです

【第5位】③パセリ  鉄分が多い順にパセリ、枝豆、ホウレンソウ、ネギの順とのこと

いかがでしたか?何問正解したでしょうか? ちなみに私は1勝4敗でした

ということで、わが家に来てから今日で1745日目を迎え、高級スイカで有名な北海道のJA当麻町の「でんすけすいか」が、6月の初セリで1玉75万円の過去最高値で落札された というニュースを見て注意を促すモコタロです

 

     

     いくら1玉75万円のスイカでもJRの自動改札は通過できませんのでご注意下さい

              

         

 

10月14日(月・祝)午後3時から東京藝大奏楽堂で開かれる「フランス室内楽の名曲を探してー名手ドンスク・カンと日本の仲間たち」のチケットを取りました プログラムは①ミヨー「2つのヴァイオリンのための二重奏曲」、②ロパルツ「チェロとピアノのためのソナタ第1番ト短調」、③ショーソン「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調作品21」です ショーソンのコンセールは名曲だと思います。演奏はピアノ=津田裕也、坂井千春、ヴァイオリン=ドンスク・カン、漆原朝子、玉井菜摘、野口千代光、ヴィオラ=川崎和憲、チェロ=中木健二、河野文昭です

 

     

     

 

         

 

冒頭に書いた通り昨日は映画を観に行くつもりでしたが、風邪の悪化を恐れて控えました 観ようと思っていたのは池袋の新文芸坐で上映中の「楢山節孝」と「神々の深き欲望」です

せっかく作品を予習しておいたので、ストーリーだけでもご紹介しておきます

「楢山節孝」は木下恵介監督・脚本による1958年製作映画(カラー・98分)です

「舞台は山奥の寒村。耕地にも気候にも恵まれないその村には3つの掟があった。①結婚し、子孫を残せるのは長男だけ、②他家から食料を盗むのは重罪、③70歳を迎えた老人は『楢山参り』(姥捨て)に出なければならないーというものだ 翌年に楢山参りに出る定めの老女・おりん(田中絹代)の家では、家族がそれぞれ問題を抱えていた 長男の辰平は前年妻を事故で失い、侘しく暮らしていた。そんな辰平は母親思いゆえ、とてもおりんを「楢山参り」に出すことができない 次男の利助は頭が弱くて口臭がひどく、村人から「くされ」と呼ばれ蔑まれている。村の掟で結婚が許されず、家の奴(下人)として飼い殺しの運命の利助は女を知る機会もない 辰平の息子・けさ吉はおりんの歯が33本あることをからかいながら、村のふしだらな女・松やんと遊び惚けていた そんな折、向こう村の若後家・やん玉やんが辰平の後妻として家に入る。一方、けさ吉も松やんを妻として家に迎え入れるが、利助は辰平と玉やんの性行為を覗き見てはあらぬ妄想を深めていく。松やんは手癖が悪く、貴重な食料を好きなだけ食い散らかし、挙句は盗み出した馬鈴薯などの食料を実家へ持ち出していく 松やんはほどなく妊娠し、食糧事情は一層ひっ迫することが予感された 家の中に波が立ち始める中、せめて家族の悩みを解決してから楢山に旅立ちたいと願うおりんだった。そんな中、松やんの実家である「雨屋」が、食糧窃盗の咎で村人全員の制裁を受けることになる

 

「神々の深き欲望」は今村昌平監督・脚本による1968年製作映画(カラー・175分)です

「大樹の下で里徳里が蛇皮線を弾きながらクラゲ島の創世紀を語っている この島は今から20余年前、4昼夜にわたる暴風雨に襲われ津波に見舞われた。台風一過、島人達は根吉(三國連太郎)の作っている神田に真っ赤な巨岩が屹立しているのを発見する。神への畏敬と深い信仰を持つ島人たちは、この凶事の原因を詮索する。そして、兵役から帰った根吉の乱行が、神の怒りに触れたということになった 根吉と彼の妹ウマ(松井康子)の関係が怪しいという噂が流布する。区長の竜立元は、根吉を鎖でつなぎ、穴を掘って巨岩の始末をするよう命じる。その日からウマは竜の囲い者になり、根吉の息子・亀太郎(河原崎長一郎)は若者たちから疎外された そんな折、東京から製糖会社の技師・刈谷が、水利工事の下調査に訪れた。文明に憧れる亀太郎は、叔母のウマから製糖工場長を務める亀に頼んでもらい、刈谷の助手になる 二人は島の隅々まで水源の調査をしたが、随所で島人の妨害を受けて、水源発見への情熱を喪失していった 刈谷はある日、亀太郎の妹で知的障害のある娘トリ子(沖山秀子)を抱いた。トリ子の魅力に惹かれた刈谷は、根吉の穴掘りを手伝い、クラゲ島に骨を埋めようと決意するのだった しかし、会社からの帰京命令と竜の説得で島を去った。一方、根吉は穴を掘り続け、巨岩を埋め終わる日も間近に迫っていた。ところがそこに竜が現われ、仕事の中止を命じた。根吉は20余年も打ち込んできた仕事を徒労にしたくなかった。根吉は頑として竜の立ち退き命令を聞き入れなかった 豊年祈祷の祭りの夜、竜はウマを抱いたまま死んだ。その後、根吉は妹ウマを連れて島を脱出した。小舟の中で二人は抱き合ったが、島から逃れることは出来なかった。根吉は亀太郎を含めた青年たちに殴り殺され、海中の鮫に食いちぎられる。ウマは帆柱に縛られたまま、いずことも知れず消えていった 5年後、クラゲ島は観光客で賑わっていた。亀太郎は一度東京へ行ったが、いつの間にか島に戻り、今は蒸気機関車の運転手をしている。トリ子は岩に化身して刈谷を待ち焦がれているという。里徳里が今日もまたクラゲ島の創世紀を観光客に蛇皮線で弾き語りしていた

観たかったです。せっかく予習したんだから

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「第22回読響アンサンブル~鈴木康治プロデュースによる室内楽」でブラームス「弦楽五重奏曲第2番」、ルクレール「2つのヴィオラのためのソナタ第4番」、ヒンデミット「弦楽三重奏曲第2番」を聴く

2019年07月13日 07時25分27秒 | 日記

13日(土)。高校時代のクラス会の通知が届きました 10月19日(土)午後3時から西武線・所沢駅近くの会場となっています。幸いコンサートの予定が入っていないので出席します 前回が2014年11月だったので約5年ぶりです それ以降、2016年7月末に担任のY先生が亡くなられたので、先生なしで初めてのクラス会となります 前回は女性の出席がゼロでした(親の介護等)が、今回はどうでしょうか。楽しみです

ということで、わが家に来てから今日で1744日目を迎え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうへの2回目の着陸に成功したことを受け、米航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機オシリス・レックスのチームは11日、ツイッターで「やったね!おめでとう」と祝福した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      着陸シミュレーションが10万回に及んだという抜け目のNASAに脱帽したらしい

 

         

 

昨日、夕食に「鶏とブロッコリーの炒めもの」と「カレー風味のキャベツスープ」を作りました 「鶏と~」は新聞の「料理メモ」のレシピですが、調味料は塩と胡椒だけです 両方とも初挑戦ですが、何とか美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、よみうり大手町ホールで「第22回読響サンサンブル~鈴木康治プロデュースの室内楽」を聴きました プログラムは①ルクレール「2つのヴィオラのためのソナタ第4番ニ長調作品12-4」、②ヒンデミット「弦楽三重奏曲第2番」、③ブラームス「弦楽五重奏曲第2番ト長調作品111」です 出演はヴィオラ=鈴木康治、正田響子、ヴァイオリン=長原幸太、外園彩香、チェロ=富岡廉太郎です

 

     

 

1曲目はルクレール「2つのヴィオラのためのソナタ第4番ニ長調作品12-4」です この曲はジャン=マリー・ルクレール(1697-1764)が1747~49年頃に作曲した「2本のヴァイオリンのためのソナタ集」の1曲をヴィオラ用に編曲した版で演奏するものです プレトークで鈴木康治氏が説明したように、「なぜヴィオラ2挺で演奏するかと言えば、2挺のヴィオラのためのソナタがないから」です この曲は4つの楽章から成ります

ヴィオラの鈴木康治氏と正田響子さんが登場し、演奏に入ります 全曲を聴く限り、全体的に明るく宮廷音楽のような趣があり、ヴァイオリンとは一味違ったヴィオラならではの音色の楽しみが味わえました なお、どうでもいいことですが、プレトークによると、ルクレールは殺されたそうで、今なおミステリーだそうです 中山七里あたりが小説にしたら(たとえば「永遠にさよならルクレール」とか)ベストセラーになるかも

2曲目はヒンデミット「弦楽三重奏曲第2番」です この曲はパウル・ヒンデミット(1895-1963)が1929年に自らヴィオラを務める弦楽三重奏団のために作曲した3楽章から成る作品で、シモン・ゴルトベルク(Vn)、エマヌエル・フォイアマン(Vc)、ヒンデミット(Va)により1933年3月17日にアントワープで初演されました

ヴァイオリン=長原幸太、ヴィオラ=鈴木康治、チェロ=富岡廉太郎により演奏に入ります プレトークで鈴木氏が語ったように、長原氏は頭がモヒカン刈りっぽいエキセントリックな髪形で、ヤクザのようです 彼の周りでは、いま野球の話はタブーだそうです。長原氏はオールスター戦を前に11連敗を喫した赤ヘル軍団のファンとして知られています 現在セリーグ首位を走る読売ジャイアンツの事務局が入居する読売新聞東京本社ビル内の よみうり大手町ホールで演奏するのですから大胆素敵と言うべきでしょう あるいはヤケクソか

第1楽章では鈴木氏のヴィオラが深い音色で響き、ヴィオラの音色の美しさを知らしめていました ヴィオラ奏者でもあったヒンデミットならではの曲想だと思いました また、第2楽章のスケルツォにおける3つの楽器の丁々発止のやり取りが面白く聴けました


     


休憩時間に、当ブログの読者Nさんとホワイエでコーヒーの飲んで歓談しました Nさんは是非観たかった神保町「岩波ホール」で上映の「ニューヨーク公共図書館」を見逃したことを残念がっていました その後は伊福部昭や武満徹の映画音楽の話題等で盛り上がりました 席が比較的近いことが分かったので、今後も休憩時間はNさんと歓談することになりそうです

プログラム後半はブラームス「弦楽五重奏曲第2番ト長調作品111」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1890年に作曲しましたが、彼はこの曲を最後に引退するつもりでいました それだけに、最後の霊感に満ちた素晴らしい作品に仕上がっています その後、彼はクラリネットの名手ミュールフェルトと出会い、新たな霊感を得てクラリネットのための作品を世に送り出すことになります

この曲は第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ウン・ポコ・アレグレット」、第4楽章「ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ・プレスト」の4楽章から成ります

第1ヴァイオリン=長原幸太(鯉さん11連敗)、第2ヴァイオリン=外園彩香(趣味は食品サンプル。女子高生が鞄にぶら下げてるアレ)、第1ヴィオラ=鈴木康治(愛猫ルークが目覚まし時計代わり)、第2ヴィオラ=正田響子(今年こそビアガーデンに行きたい!)、チェロ=富岡廉太郎(趣味は洗濯。ほかに洗濯の余地はないのか?)により演奏に入ります この曲の魅力は何と言っても、中声部の充実です 弦楽四重奏にヴィオラを追加することによってその効果が発揮されています プレトークで鈴木氏が指摘していたように、この曲は「メインメロディーが奏でられている裏側で、他の楽器が別のメロディーを奏でている」ところが面白いと思います それはCD等によって耳で聴いているだけでは分かりませんが、実際に演奏者を目で見て音を耳で聴くと、同じヴァイオリン同士、あるいはヴィオラ同士でも別々のメロディーを弾いていることが少なくないことが確認でき、「ああ、これがブラームスの室内楽の魅力の根源か」と気が付いたりします

演奏は、とにかく長原氏と鈴木氏が滅茶苦茶に巧いし、セカンドの外園さんと正田さんがピタリとつけているし、チェロの富岡氏が一人でしっかりと低音を支えているし、見事なアンサンブルでした プレトークで鈴木氏がヴィオラの良さをアピールしたこともあって、全体的にヴィオラの音色の魅力が前面に出た演奏だったように思います

5人はブラームスのアンコール・ピースとしては定番の「ハンガリー舞曲第5番」を演奏しましたが、ヴァイオリンとヴィオラがそれぞれ第1と第2が入れ替わり、外園さんが第1ヴァイオリンを担いました 冒頭、彼女のソロでイントロ部分が演奏されますが、日本の演歌でいう「こぶし」を効かせたような技巧的な演奏を見せたため、隣のモヒカン長原氏がチラッと彼女の方を垣間見て「おおっ、なかなかやってくれるじゃん」という顔でニヤリとしました。その後5人は、緩急をつけたメリハリのある演奏を展開し、会場割れんばかりの拍手を浴びました

アンコールの話で盛り上がる「打ち上げ」の様子が目に浮かぶようでした

なお、この曲を聴くにあたりアマデウス四重奏団+セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)のCDで予習しておきました


     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藝大モーニングコンサートでマーラー「さすらう若人の歌」(Bar:片倉旭)、ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」(Pf:飯塚健之介)を聴く / 藝大オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」のチケットを取る

2019年07月12日 07時12分07秒 | 日記

12日(金)。昨日の日経朝刊「東京・首都圏経済面」に、総務省が10日発表した2019年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査の結果が掲載されていました

それによると、首都圏1都3県(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)の外国人住民比率は6年連続で上昇して初めて3%に達し、市区町村別では東京都新宿区が12.4%(43,068人)で最も高く、次いで豊島区が10.4%(30,223人)、埼玉県蕨市が8.9%と続いているとのこと 新宿区は新宿歌舞伎町からJR新大久保駅の周辺までを見れば納得できます。また、私の住んでいる豊島区は、池袋駅北口が「新チャイナタウン」と呼ばれるほど中国人が多くなっているし、地元・巣鴨駅の近くにはネパール料理店がオープンしたり、道を行き交う人に外国人の姿を多く見ます 実感としては10.4%どころではないのではないか、と思います

先日のブログにも書きましたが、外国人と共生していくためには、ゴミの分別など外国人にも「生活のルール」を守ってもらうことが必要になります 私が住むマンションでは、分別ごみは「瓶」「缶」「ペットボトル」「発泡スチロール・トレイ」「牛乳パック」の別に、「日本語」「英語」「中国語」「韓国語」の4か国語で表示していますが、それでもルールを守らない人は守りません マンションの定時総会では、ゴミ置き場の中に監視カメラを設置したらどうか、という意見も出ましたが、犯人捜しのようなことは気乗りしません 今後ますます外国人居住者が増える傾向にある中、どのように共生していけば良いのか、模索を続けています

ということで、わが家に来てから今日で1743日目を迎え、トランプ米大統領を「無能」などと批判したとされるダロック駐米英大使は10日、職務を続けることが難しくなったとして辞任した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      他の国でも駐米大使の本音がリークされたら辞任するケースが後を絶たないと思う

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉とナスのポン酢炒め」「スナップエンドウとパプリカの彩スープ」「生野菜サラダ」を作りました 「豚肉~」は新聞の「料理メモ」に載っていたレシピで作りました。スープはCOOKPADのレシピです。どちらも初挑戦ですが、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「第9回藝大モーニングコンサート」を聴きました   プログラムは①マーラー「さすらう若人の歌」(バリトン:片倉旭)、②ブラームス「ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15」(ピアノ:飯塚健之介)です 管弦楽は藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮は高関健です

 

     

 

全席自由です。1階11列12番、左ブロック右通路側を押さえました。会場は9割くらい入っているようです

指揮者が高関健氏のため、弦楽器は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは植村太郎です

1曲目はマーラー「さすらう若人の歌」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1883年から85年にかけて作曲した連作歌曲です 第1曲「大切な人が婚礼を挙げるとき」、第2曲「今朝野に出ると」、第3曲「僕は灼熱のナイフを負う」、第4曲「大切な人の2つの青い瞳が」の4曲から成ります

バリトン独唱は藝大修士課程2年の片倉旭君です 全曲を通して聴いた感想は、片倉君はどちらかと言うと明るいバリトンで、第4曲で一部 高音部が厳しかった点を除けば、失恋した若者の心情がよく歌われていました

 

     

 

プログラム後半はブラームス「ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1854年から1858年にかけて完成させた作品です 第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

この曲は6月27日のモーニングコンサートで藝大4年の山中惇史君が演奏しています 翌28日のブログにも書きましたが、この曲は当初2台のピアノのためのソナタとして作曲され、その後、交響曲に改編、そして最後にピアノ協奏曲の形で完成した作品です そういう経緯もあってか、ピアノと管弦楽が混然一体となって、まるでピアノ付交響曲のようなスケールの大きな作品になっています

藝大3年の飯塚健之助君が登場します 多くの演奏者がカチカチになって笑顔がない中、彼は笑顔で会場に一礼しました 余裕でしょうか? 大物でしょうか

高関健氏の合図で第1楽章が力強いテーマで開始されます ピアノが出てくるまでの長い序奏を聴いているだけで、高関健氏の指揮がいかに魅力のあるものかが分かります。オケが締まっています

ピアノ独奏の飯塚君と高関健指揮藝大フィルハーモニアの演奏は、重心が低くどっしりと大地に根を張った大木のような演奏で、聴きごたえがありました

ジャニーズ事務所の「嵐」の相場君のような風貌の飯塚健之助君は、プログラム掲載のプロフィールによると、今年10月に公開される恩田陸原作の映画「蜜蜂と遠雷」で風間塵役:鈴鹿央士のピアノ演技指導を担当したそうです 映画の方も楽しみです

 

     

 

         

 

藝大オペラ第65回定期公演:モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」のチケットを取りました 10月5日(土)と6日(日)のうちコンサートの予定のない5日(土)午後2時からの部(東京藝大奏楽堂)です

出演はフィオルディリージ=山原さくら、ドラベッラ=上久保沙耶、フェッランド=岸野裕貴、グリエルモ=外崎広弥、デスピーナ=高橋慶、ドン・アルフォンソ=後藤駿也。管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=東京藝大音楽学部声楽科3年生、指揮=佐藤宏充、演出=今井伸昭です 藝大オペラは毎年観ていますが、レヴェルが高いです

 

     

 

     

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする