27日(土)。わが家に来てから今日で1578日目を迎え、トランプ米大統領は25日のFOXニュースの電話インタビューで、北朝鮮による同日の飛翔体の発射について「彼らは核実験はしていないし、小さいミサイルしか発射していない」と述べ、問題視しない立場を示した というニュースを見て金正恩委員長の立場になって本音を漏らすモコタロです
ほら 友だちのトランプ君は怒らなかったでしょ じゃあ何のために発射したんだ?
昨日、夕食に「梅ポンおろしステーキ」と「わさび枝豆」を作りました 「梅ポン~」は鶏もも肉をベースに、梅干し、だし汁、ポン酢醤油、青じそ、大根おろしなどで味付けしますが、初挑戦にしては美味しく出来ました
東京藝大主催のチケットを2枚取りました 1枚目は11月1日(金)午後7時から東京藝大奏楽堂で開かれる「ロシア室内楽の夕べ」です プログラムは①チャイコフスキー「なつかしい土地の思い出 作品42」、②グラズノフ「エレジー ト短調 作品44」、③ショスタコーヴィチ/L.アウエルバッハ編曲「24の前奏曲 作品34」(ヴィオラとピアノ版)より第1曲 ハ長調、第14曲 変ニ長調、第16曲 変ロ短調、第17曲 変イ長調、第20曲 ハ短調、④プロコフィエフ「ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 作品94bis、⑤ショスタコーヴィチ「チェロ・ソナタ ニ短調 作品40」、⑥同「ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57」です 演奏はヴァイオリン=渡辺玲子、小林美恵、ヴィオラ=市坪俊彦、チェロ=河野文昭、ピアノ=青柳晋、東誠三、有森博、江口玲です
2枚目は、11月21日(木)午後7時から東京藝大奏楽堂で開かれる「東京藝大シンフォニーオーケストラ 第6回定期演奏会」です プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56」、②ベルリオーズ「幻想交響曲 作品14」です 出演は、①のピアノ独奏=東誠三、ヴァイオリン=植村太郎、チェロ=中木健二、管弦楽=東京藝大シンフォニーオーケストラ、指揮=迫昭嘉です
中島京子著「長いお別れ」(中公文庫)を読み終わりました 中島京子さんは1964年生まれ。2003年「FUTON」でデビュー、野間文芸新人賞候補となる。2010年「小さいおうち」で直木賞を受賞し、2014年に山田洋次監督により映画化 2015年刊行の「長いお別れ」で中央公論文芸賞と日本医療小説大賞を受賞
中島京子さんの作品を読むのは「小さいおうち」以来で、2冊目です その時の感想は2012年12月29日のtoraブログに書きましたので、興味のある方はご覧下さい
この小説は「全地球測位システム」「私の心はサンフランシスコ」「おうちへ帰ろう」「フレンズ」「つながらないものたち」「入れ歯をめぐる冒険」「うつぶせ」「QOL(クオリティ・オブ・ライフ」の8つの物語が連作短編として展開しています
かつて中学の校長だった東昇平は、ある日、同窓会の会場に辿り着けず自宅に戻ってきてしまう 認知症と診断された昇平は、迷い込んだ後楽園遊園地で幼い姉妹に頼まれて一緒にメリーゴーランドに乗ったり、入れ歯を次々と無くしたり(本当は隠したり)と、妻の曜子、長女・茉莉、次女・菜奈、三女・芙美を混乱に貶める 長女の茉莉は生物学者の夫・今村新、15歳の潤、小学1年生の崇と共にサンフランシスコ近郊で暮らしている 次女の菜奈は夫・林葉健次と8歳の息子・将太と共に暮らしている 三女・芙美は30代独身でフード・コーディネーターをしていつも忙しく働いている 娘たちがそれぞれの生活を営む中、認知症の夫の面倒を看ていた妻の曜子が網膜剥離の手術のため数週間入院しなければならなくなり、その間、だれが昇平の面倒を看るのか、と大騒動になる その間にも昇平の病状は少しずつ進行していく 3人の娘たちは、それまで父親の介護を一手に担っていた母親の入院によって、いかに認知症の親の介護が大変かを自覚するようになる
それから数年後、カルフォニア州で中学生になった崇は学校をさぼっていたため、校長室に呼ばれる 校長から「なんでもいいから君のことを話してほしい。学校に来なかったのはなぜだか話してくれてもいいし、なんでもいい」と言われ、崇は答える。「祖父が死にました。ずっと病気でした。ええと、いろんなことを忘れる病気で」「認知症だね」「十年前に、友達の集まりに行こうとして場所が分からなくなったのが最初だって、おばあちゃんはよく言ってます」「十年か。長いね。ロング・グッドバイ(長いお別れ)だね。その病気をね、そう呼ぶんだよ。少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行くから」
昇平は家にいても、気に入らないことがあるとすぐに「家に帰る」と言い張り、後に引きません 無理に何かを食べさせようとしたり、入れ歯を入れようとしたりすると、口をつぐんで絶対に開こうとしません 昇平と家族あるいはヘルパーさんとのやり取りは可笑しくて、つい笑ってしまいますが、現実に認知症の人を相手に何かをしてもらおうとして拒否されたら、いくら家族でも「もういい加減にして」と堪忍袋の緒が切れるでしょう それでも、妻と3人の娘たちはそれぞれが、記憶が薄れていく昇平のことを思い懸命に尽くします
ところで、「入れ歯をめぐる冒険」は、東家の物語とは関係のない工藤晴夫が主人公となる話から始まり、東家の入れ歯騒動の話を挟んで、最後は工藤晴夫の話に戻って結ばれます それは工藤晴夫が認知症の母親からハンカチに包んだ何かをもらうが、「包みを開き、そこにあるものを目にして、口を半開きにし、目を逸らし、もう一度、その物体を凝視する」という文章で結ばれているのですが、母親がくれた「あるもの」とは何かという疑問が湧きました 文章のタイトルからすれば「入れ歯」だと思いますが、果たしてそうなんだろうか
この作品は映画化されているので、読んでから観るのも良いし、観てから読むのも楽しいと思います 認知症と介護の問題をユーモアを交えて描いた優れた小説としてお薦めします