30日(火)。昨日午前、買い物からの帰り道、巣鴨地蔵通り商店街を歩いたのですが、商店街の入口近くで若い女性ばかり50メートルほどの行列が出来ていて、「何じゃこれ」と思いました 店から出て来た女性が手にしている大きめのプラスチック・カップを見て、どうやら今はやりの「タピオカドリンク」のショップがオープンしたことが分かりました 「おばあちゃんの原宿」と呼ばれて久しい地蔵通り商店街も、これを機に愛称を返上して「コギャルの巣鴨」になるのか、と一抹の不安と期待を覚えましたが、「この流行、いつまで続くことやら」とも思いました。取りあえず、彼女たちの背中に向かって「そのカップ、その辺に捨てんじゃねーぞ」と念力ビームを送りつけておきました
ということで、わが家に来てから今日で1581日目を迎え、北方領土返還に関して「戦争」に言及した丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名)は29日、自らのツイッターで「NHKから国民を守る会」に入党する意向を表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「捨てる神あれば拾う神あり」だろうけど 丸山議員を選んだ選挙民は救われない
昨日、夕食に「牛タン塩焼き」と「トマトとスナップエンドウとレタスの卵スープ」を作りました 私がコンサートのため外食だったので娘のために作りました
昨日、ミューザ川崎で東京都交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ヴォルフ「イタリア風セレナーデ ト長調(管弦楽版)」、②レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア(第3組曲)」、③同:交響詩「ローマの噴水」、④同:同「ローマの松」です 指揮は都響首席客員指揮者のアラン・ギルバートです
午後7時からの本番に先立って、3時半から約2時間公開リハーサルが開かれました 前日と同じ3階センターブロックの席で聴きました。アラン・ギルバート(黒のTシャツ)も団員もカジュアル・スタイルです リハーサルは本番とまったく逆の順序で演奏されました 最初に「ローマの松」のフィナーレ部分をおさらいしましたが、3階席左右にバンダ(トランペット)がスタンバイしていて、ステレオ効果を確かめていました あとの3曲は、演奏しては止めて注意を促し、また演奏を再開し、という形をとりました さすがと思ったのは、ギルバートは母親が日本人ということもあって、団員への指示はすべて日本語で通していたことです もちろん都響メンバーは英語でOKなのですが、ギルバートはより親密なコミュニケーションを図るという意図があるのでしょう 都響にとっては得難い指揮者です
さて本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び。コンマスは四方恭子さん、隣席には矢部達哉氏が控えています
1曲目はヴォルフ「イタリア風セレナーデ ト長調(管弦楽版)」です この曲はフーゴ・ヴォルフ(1860-1903)が1892年頃に書いた作品で、元々弦楽四重奏曲として作曲されました その後、マックス・レーガー(1873-1916)が独奏ヴィオラを伴うオーケストラ用に編曲しました
アラン・ギルバートの指揮で演奏に入ります。ヴィオラ独奏は首席の鈴木学です この曲はベルリオーズの「イタリアのハロルド」ほどシンフォニックではないし、ヒンデミットの「白鳥を焼く男」ほど協奏曲的でもないし、微妙な曲だと思いますが、曲名の「セレナーデ」のごとく、軽快で親しみやすい曲だと思いました 途中で首席・古川典生のチェロがツッコミを入れるところが面白いと思いました
2曲目はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア(第3組曲)」です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が、16~17世紀の様々な作曲家のリュート曲を用いて、各4曲から成る3つの管弦楽組曲(1917年、1923年、1931年)を作曲したものです この日の演奏は第3組曲で、弦楽器のみで演奏されます 第1曲「イタリアーナ」、第2曲「宮廷のアリア」、第3曲「シチリアーナ」、第4曲「パッサカリア」の4曲から成ります
この曲を聴いていて思い出すのは第3曲「シチリアーナ」です この曲はNHK・FMの「クラシックアワー」という番組のテーマ音楽として使われていました 最近FM放送を聴く機会があまりないので、今でもこの番組があって、この曲が使われているのかどうかは分かりませんが、とても穏やかで心和む曲です 都響の弦楽セクションで聴く「第3組曲」は、ルネサンスに生まれ、20世紀前半に蘇らせた音楽を21世紀に花開かせたような趣がありました
プログラム後半の1曲目はレスピーギ:交響詩「ローマの噴水」です この曲は1914年から1916年にかけて作曲された作品で、ローマの4つの噴水が夜明けから夕刻まで、一日の時の移ろいを追って描かれています 第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」、第2曲「朝のトリトンの噴水」、第3曲「昼のトレヴィの噴水」、第4曲「たそがれのメディチ荘の噴水」の4曲から成ります
ギルバートの指揮で第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」の演奏に入ります。色彩感溢れる表現に惹きつけられますが、特にオーボエとフルートが素晴らしい演奏を展開していました 「おやっ」と思ったのは、中盤でリヒャルト・シュトラウス(1864-1894)の歌劇「ばらの騎士」の下降音型によく似たメロディーが管楽器によって演奏されたことです レスピーギは明らかにリヒャルト・シュトラウスの影響を受けていることが分かったのが、今回の大きな収穫でした
最後はレスピーギ:交響詩「ローマの松」です この曲は1925年に作曲された作品です。第1曲「ボルゲーゼ荘の松」、第2曲「カタコンブ付近の松」、第3曲「ジャニコロの松」、第4曲「アッピア街道の松」の4曲から成ります
この曲を聴いていて特に素晴らしいと思ったのは第3曲「ジャニコロの松」におけるクラリネット首席のサトーミチヨさんの演奏です そして、公開リハーサルで最初に取り上げた第4曲「アッピア街道の松」のフィナーレにおける3階のバンダ(トランペット)を含むステレオ効果抜群のスケールの大きな演奏です
今回の演奏は、首席客員指揮者アラン・ギルバートの名前を、普段クラシックに馴染みのない聴衆にまで知らしめたコンサートになったのではないか、と思います