お子さんの中には、さまざまな理由で 感情や言動のコントロールが難しい子達がいます
自我が芽生えた頃のお子さん達と関わる親御さん達は、ほぼ全員が子供の抱えるネガティブな気持ちや爆発するエネルギーを受け止めるのに疲労してしまう時がありますよね。
子供がごねる時、泣く時、ネガティブな感情を全力でぶつけられると、大人も心が乱れるし、自分が疲れているとイラッとすることもありますよね。
それはそれで、「嫌だな。困るな」と自分が感じた その時の気持ちであって、否定する必要はないと思います。
ただ、その気持ちを、どう子供に対して出すかは大事。
癇癪おこしている子供達は、私達を困らせようとしているのではなく 気持ちをうまく理解できず、伝えられず、処理できなくて困っているのは子供自身であって、むしろ助けを求めている。と思うと、少し冷静になれるかもしれません
わーって癇癪起こす子も、周りに迷惑をかけようと思って癇癪起こしてないのよね。
ある程度年齢がいけば、それが適切な表現方法でないことも頭ではわかっている。でもコントロールが難しい。
周りもストレスだけど、実は本人が一番ストレスを抱えているかもしれませんよ。
世間からの冷たい目は、日々悪戦苦闘頑張っている親御さん達には突き刺さりますよね。
我が子のその時だけを見た 不得意な部分しか見てない人達に、我が子を否定されたような、親の頑張りを否定されてるような気持ちになって、悲しくなりますよね。
でもそこは割り切って、きっとそういう共感力に乏しい冷たい目の方が少数かもしれないから。世間の目じゃなくて、子供の心をみてあげたいものです。
大人の中にも、感情コントロールが発達しきれていない人達、苦手な人達がいるくらいだから
子供だって簡単には習得できない。でも身につける事ができれば、自分自身のストレスを少なくできることでもあるから、情緒の発達はとても大切
そして情緒の発達に大切なことは
1、自分の感情を知ること
2、その気持ちを言葉で周りに伝えられること
3、顔の表情から それがどういう気持ちかを読み取ること
4、自分や誰かを傷つけずにその気持ちをコントロール/表現できること(これは時間のかかること)
5、状況から相手の気持ちに気がついて共感を示せること(これはかなり高度なので小学生以上かな)
これらのスキルを身につけることは、自分自身の感情をコントロールすることや、周囲の人と関わる社会性を身につける上でとても大切。
これらが苦手な子達は 時間が人一倍かかると思うけれど、早い段階から適切に働きかけることは その子が大人になった時に感情や言動をどうコントロールできるようになるかに必ずつながっていきます。
と、私も信じています。
0歳から3歳くらいの子達には、日々の声かけや働きかけからアプローチできます
まだ言葉で話せない年齢の子達には、日々の生活で喜怒哀楽に接したら「嬉しかったね。楽しかったね。びっくりしたね。こわかったね。さみしかったよね」などと、言葉にして代弁して伝える。これによって、その時感じた気持ちを言葉で認識する力が少しずつ身に付きます。
お話できるようになったら、気持ちを聞いて自分で伝えられるように導いてあげること。
もう少し話せるようになったら、「どんなところがそう感じたのか」を聞いてみること。言語の発達も含め、おすすめです。
こういったやり取りの繰り返しが、だんだんと自分の気持ちを理解することにつながります
その上で、例えば「叩く、物を投げる、癇癪をおこす」など不適切な言動としてネガティブな気持ちを表していた場合
「〜が嫌で怒っていたんだね(共感)。そういう時は、こう伝えたらいいよ」と、不適切な言動ではない、 適切な言動を伝える。
これもね、急にできるようにはなりません。それこそ、得意不得意やトラウマの有無もあるので、できる子はすぐに習得するかもしれないけれど、年単位でかかる子達もたくさんいます。
でも、小さい頃から、適切な対応で寄り添ってくれる大人が近くにいることは、良い支えになります。
頭ごなしに叱りつけたり、罰を与えたり、躾という名の体罰で対処しても
残念ながら、本人は大人が描いたようには学べず、負の感情が募っていきます
いけないことは、何がいけないかを伝えるのはもちろん大切だけど、本人なりに考えていたこと、思っていたこと、やろうと思っていたことがあって
その表現方法を間違えてしまった。。なんて事もあるので、怒りや癇癪が落ち着いたら 何が問題だったのか、困っていたのかを聞いて そこには共感。
そして、その思考に合う適切な言動を 代案として伝えること。この積み重ねで、すこーしずつ学んでいきます
感情スイッチが入っている状態では、おそらく周りの声は本人に届きません。
小さなお子さんで、抱っこする事で落ち着く場合は 抱っこしてあげるのがいいと思います。
暴れるとか、危険が生じる可能性がある場合は、「安全確保」第一です。
その子が、暴れても自分も周りも怪我をしない場所で、落ち着いたら話を聞くよ。と、本人が落ち着くまで待つ。 決して倉庫やトイレ、クローゼットに閉じ込めるような事はしない。
このレベルで感情爆発させてしまうお子さんの場合は、落ち着いている時に本人と確認をして、その子にとって落ち着ける何か(例えば大きなぬいぐるみ・クッションなど 怪我しないもの)、または場所を決めておくと良いと思います。
即効性はないけれど、本人が同じような状況で少しでも 意識しようとしていたと分かった時、頑張りが見えた時は、小さな事でもそこを認めること。
感情や行動のコントロールが難しい子は、どうしても注意される機会が多くなりがちなので、表には出さない子もいると思うけけれど 自尊心が低下しやすくなっています。
小さなことでも、結果的には最後までできなかったとしても、良い方へ頑張ろうとした姿勢や気持ちが見られた時は
肯定的に認めてあげる事は子供にとってとても嬉しい事になり、さらなる改善へのモチベーションにもなる事が期待できます
これは日々おうちでもできる事。
もしかしたら。。。。不適切な言動で世間に迷惑行為をしてしまう大人達も
認めてもらえない。。バカにされている。。そのような 思い込みかもしれない負の感情でいっぱいかもしれません
その人の良さを認めてくれる人が近くにいなかったのかもしれません。。
だからと言って、犯罪行為をして良いことにはならないけれど
将来の犯罪者を増やさないためにも、情緒の発達はとても大切。
そしてそこには、温かく共感して適切な方法へ導いてくれる、大人達の存在も必須。
子供と関わるというのは本当に大仕事ですね。