金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

繕いがいろいろとあります その2

2016-09-16 06:37:09 | 陶器の繕い例
二つ目の繕いは私の愛用している青銅釉の酒器です。

なぜかこんな風に口辺が欠けて。
良く使うものなので早く繕わないとね。


いつものアラルダイト地の粉でベース作りをして。


最後の仕上げのヤスリ掛けです。


艶黒漆を施して。
この漆、空チューブを入手して詰め替えたので、使いやすくなりました。
少しづつで長期間使い続けていますので、キャップの部分が傷んでしまいます。


すぐに銀の丸粉(3号)をたっぷりと蒔いて。
このあと湿気のある容器で乾燥です。


その後、生漆をテレピンで薄めたもので粉固め処理をして。
今から仕上げの磨きです。漆を塗ってからここまでは4日ほど。
途中で持ち出して使いましたが。
先ずは木綿でしっかりと磨いて。


最後の仕上げは鯛の牙です。


完成です。
この酒器、何かい繕っていることか。
次の機会には、錫粉を使って全部蒔き直そうと思っています。

繕いがいろいろとあります その1

2016-09-16 06:28:35 | 陶器の繕い例
妻が世話になっているヨガ教室の先生から依頼されたと、割れた器を持ち帰ってきました。

可愛い絵柄が描かれた小鉢。
買ってきたばかりだのに落としてしまって、木端微塵ですね。


アラルダイトのみで接着開始です。


ガムテープで留めて。
1箇所、割れのひどい所は地の粉を混ぜたもので補填しています。


一日たって、接着完了です。


装飾をどうしようかと考えて、絵柄を考慮して銀粉や金粉を蒔かない手法としました。
「新うるし」の本透明を面相筆で置いていきました。


絵の部分はこんな感じ。


そして、「新うるし」の処理して乾燥させた後、絵の上下の部分は本漆の「赤呂色」を置きました。
「赤呂色」は顔料を入れずに生成した本漆で、乾燥すると丁度絵柄と同じ茶色に変色します。
絵の邪魔をしない処理ですね。


裏側は「新うるし」の本透明のみで。
こういう手法もいいかもね。
預かって1週間後のこの水曜日にヨガの先生にお渡ししました。銀粉や金粉を後から蒔くこともできますが、この手法で気に入ってくださったとのことです。