金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

繕い完了

2017-02-23 12:23:06 | 陶器の繕い例
ベースを整えた後、漆を塗り銀の丸粉を蒔いて乾燥させていました繕い品。
その後の工程です。

次は粉固め。
生漆をテレピンで薄めたものを塗り、銀粉の表面を漆で固めます。
簡単なことですので、筆を使わずに綿棒を利用したりして。
この後、また湿気のある袋の中で漆を乾燥させて。

その工程を今回は2回繰り返して。


このポットも同様の処理をして。


そして、最後の工程です。


繕い箇所を木綿でしっかりと磨いて。


その後は鯛の牙で磨きます。


こんな風にあの白っぽいだけだった繕い箇所がぴかりと光ります。
丸粉をタップリと蒔いていますので、消し粉のように器を使っているうちに銀粉や金粉が剥げたりはしません。


ティポットも終了です。
生漆を粉固めの工程で使ったので、周りが少し黒ずんでいますが、使っているうちに綺麗になるでしょうね。

次の繕いの工程

2017-02-23 12:13:03 | 陶器の繕い例
補修箇所のベースが固まった後の工程です。

ポットの蓋受けの部分。
カッターナイフややすりを使っての成形です。


紙やすりで仕上げて。


お皿の方は少しカッターナイフで整形するだけでOKですね。
黒艶漆を塗って。


こちらも。


もう一枚の皿です。


次の工程へ。
銀の丸粉(3号)を蒔いていきます。


こんな風にして完了。


2枚の皿も銀粉を蒔いて。
この段階では、この白い部分が銀粉とは思えないですよね。
このあと、ムロに入れて漆を乾燥させますが、ビニール袋に塗れ布巾を入れるやり方で充分なんです。


続きます。

繕いスタート

2017-02-23 12:00:54 | 陶器の繕い例
久しぶりの金繕いです(2月中旬)。
立杭の丹文窯に立ち寄った時に大西雅文さんから依頼された作品です。

ご本人も少しは繕いをされるのですがね。
是非繕いの講習会を立杭で設定して下さいと依頼しておきました。

ブログでは、私は繕いの工程をすべてオープンしています。
カルチャースクールなどでは、結構高額の受講料を取っておられますよね。
私は、金繕いにチャレンジされる方が一人でも増えて欲しいと思っています。

お皿2点です。
1箇所ずつ亀裂が入った個所があります。


アラルダイトと地の粉を混ぜて。


こんな具合に充填して。


作業していると妻がこれもお願いと。
ポットの蓋受けの部分が欠けています。




こんなところには、プラスチック板の出番です。


そのプラスチック板を受け皿として、アラルダイトと地の粉を混ぜたものをのせて様子を見ます。


2枚の皿は少し成形して。


その裏側です。
この状態で、裏返したりしながら見守りながら補修部分を固めます。


続きます。


次の繕い

2017-02-23 11:48:53 | 陶器の繕い例
金粉を使いませんが、次の繕い予定の品物です。


左側のものはすでに繕いを終えて使っているものです。
登り窯の焼成時に作品を置く台なんです。
とても窯変が素晴らしいので、左記の登り窯焼成時に頂いて、水漏れもない状態まで繕いを終えたものです。
この場合は鉢カバーの使い方ですが、花も活けられます。
そして、右側はその時に頂いていたもう一つ。
少し傷み方がひどいですが、これも窯変が素晴らしいものです。

繕ったものを個展でも使いましたが、とても評判がいいので、先日陶芸美術館に行った時に、登り窯の横に廃棄されているものから、また3つ頂いてきました。



先に頂いたものはとても良かったですが、あとはあまりいい状態ではありませんでしたね。
でも、これらの3つも繕って使えるようにしたいものです。
先に頂いているもう一つはたぶんいい仕上がりになるでしょうね。
出来上がりましたら、またアップしますね。