金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼

2023-03-05 17:32:44 | 磁器の繕い例

次の繕いの依頼です。

 
依頼者は着物のお店のセールスの方。
いつも妻とのやり取りですので、私はお名前も知りませんでしたが、息子さんの保育園卒園の記念品ですって。
 
こんな風に口辺が欠けてしまって。
欠片も大切に保存されていて。

 

底のあたりにも小さいですが、いくつか欠けていて。

息子さんはこの「かいせい」君ですって。

 

今回は簡易法で、2液混合の接着剤に強力粉を混ぜたもので。

 

底の部分も手入れして。

 

接着剤が硬化した翌日以降に、漆と金属粉の処理です。

黒艶漆を面相筆で塗って。

 

そして錫紛(ゴールド)を蒔いて。

このゴールド色の錫粉、金の消し粉のようでいい感じ。

 

3日ほど湿気のある容器の中で温めて、漆の乾燥です。

錫粉ですので、仕上げは真綿できれいにするだけで、そしてカッターナイフでラインも整えて。

 

仕上がりです。

 

底の部分の仕上げは、白の本漆だと次第に色が黄色っぽくなってしまうので、「新うるし」の白を使っています。

「かいせい」君、大切な記念品が蘇って良かったですね。