津軽鉄道株式会社が6月4日・5日に、青森県・函館デスティネーションキャンペーン特別企画「奥津軽いまべつ駅開業記念!新幹線で昭和の津鉄へタイムトラベル!」を開催するとのことで初日の4日に出かけてきました。
津軽鉄道は津鉄(つてつ)とも呼ばれる青森県にある私鉄で、青森県五所川原市のJR五所川原駅に接続する津軽五所川原駅から北津軽郡中泊町の津軽中里駅までの20.7kmを結ぶ津軽鉄道線を運営する会社です。
まずは晴天に恵まれ、8時23分発の青い森鉄道で青森駅に向かいました。
青森駅までの普通運賃は1,040円ですが、今日は土曜日なので「青い森ホリデーフリーきっぷ」が使える日なので、往復僅か20円ですがお得です。
今だと、「青い森鉄道FREEツアーBOOK」をもらうことができます。このことについてはまた後日。
青森駅手前で、遠くに岩木山の全容を見ることができましたが、雲が広がっているのが気になります。
青森駅からは9時34分発奥羽本線津軽新城行に乗ります。
今回は、「奥津軽いまべつ駅開業記念…」なので、新青森駅で9時52分発北海道新幹線はやぶさ1号に乗り換え、奥津軽いまべつ駅に向かいます。
徐々に雲が厚くなってきました。
奥津軽いまべつ駅に到着しました。雨降りです。
ホームと駅舎が高いところにあるため、エレベーターと階段がある昇降塔を結ぶ通路には、奥津軽いまべつ駅で見ることのできない施設の説明板があります。
奥津軽いまべつ駅からは、北海道新幹線「奥津軽いまべつ駅」から津軽半島の観光地に足を伸ばす交通手段二次交通として開業日の3月26日から運行している津軽鉄道の津軽中里駅前行の路線バスに乗車します。
運行ルートは奥津軽いまべつ駅を出発し、県道14・12号・国道339号を経由し、終点の津軽中里駅に抜ける約34キロ。所要時間は約1時間10分で、1日4往復しています。運賃は1,200円です。
運行主体は3市町と運行会社、県などで構成する「奥津軽いまべつ駅・津軽中里駅間バス運行協議会」で、運行は弘南バスに委託しています。協議会では1便当たりの利用客数を4人と想定。その場合、年間2千万円弱の赤字が出る見込みだそうです。赤字の2分の1を県が、残りの3分の1ずつを3市町が負担し、1年間の実証運行後、赤字の2分の1を上限とする国の補助金交付を見込む。当面は2020年度までの運行を予定し、その後は未定だそうです。
津軽鉄道のイベントの一つに「ゆるキャラ達と新幹線連絡バス出迎えセレモニー」というのがあり、東京・新函館北斗からの一番列車に接続するこの奥津軽いまべつ駅10時40発津軽中里駅11:50着の路線バスの到着にあわせ、ゆるキャラや関係者が出迎えます。そのこともあってか、20の座席に17人が乗車していました。
奥津軽いまべつ駅を定刻に出発したバスは、県道14号を津軽線に沿うように南下します。
途中で津軽線と別れ北海道新幹線をくぐり、大平で津軽線を渡り県道12号に入り西に向かいます。
津軽半島の山間部を進むこと30分、今泉に入りました。この先に、十三湖が広がっています。
今泉から、国道339号を南下します。
このバスの途中の停留所は、大平、今泉、薄市の3箇所ですが、津軽中里駅前行は降車専用ですので、降りる方がいなければ停まりませんので、実質ノンストップです。
この日も降りる方がいないので、津軽中里駅に25分ほど早く着きました。
「ゆるキャラ達と新幹線連絡バス出迎えセレモニー」。あいにくの雨降りです。それでもゆるキャラに加え、津軽鉄道の社長さんの出迎えてくれました。
津軽中里駅には、元「スーパーストア」のスペースが、物産販売施設などを備えた交流施設「駅ナカにぎわい空間」として活用されていました。
物産販売コーナーでこんな物を見つけました。
「はなぽん」
マカロニのお菓子でした。
この建物の中で、ゆるキャラ達との握手会や写真撮影会が開かれました。
左から、中泊町イメージキャラクター「イカりん」、津軽鉄道のイメージキャラクターつてっちー」、青森県のご当地キャラクター「いくべぇ」、弘南鉄道マスコットキャラクター「ラッセル君」、中泊町イメージキャラクター「米ケルJr(マイケルジュニア)」
このほか駅舎では、鉄道グッツや乗車券の即売会が行われていました。
弘南鉄道も参加していました。
中泊町の無形民俗文化財に指定されている金多豆蔵人形芝居の「津軽伝統 金多豆蔵人形芝居劇場」もこの中にあります。
金多豆蔵人形芝居とは、酒呑みで失敗ばかりする「金多」と、おっちょこちょいだが情にもろい「豆蔵」による掛け合い漫才のほか、津軽民謡にあわせた人形の手踊りなど数十種類の演目を持っており、津軽の風俗や社会の世相を取り入れるなど、バラエティに富んだ内容になっているそうです。
開催は毎月第1土曜日で、午前の部は10:30、午後の部は13:00だそうです。
イベントに合わせて、津軽鉄道のフリーパスが発売されていました。4日と5日デザインが違うというので、明日は乗らないのですが記念に2日分買いました。こうして記念に買うことも、経営厳しい鉄道にとっては支援の一つになるそうです。
駅構内では、混合列車の撮影会が雨の中開かれていました。ディーゼル機関車DD352を先頭に無蓋車(屋根のない貨車)トム1形2両、タンク車タム501、ストーブ列車に使用されている客車オハフ331、オハ462の編成です。
昭和5年の開業の津軽鉄道。北海道の私鉄が廃止されたため、現在日本最北の私鉄です。
津軽中里駅12時32分発津軽五所川原行に乗って、芦野公園駅を目指します。
今日は、雨がやみそうにありません。
深郷田駅を出ると、津軽平野の水田が広がります。
現在は無人駅の大沢内駅。有人駅時代の駅舎が残っています。
霞んではいますが、遠くに岩木山が見えてきました。
芦野公園駅手前、桜のトンネルで有名な区間です。今日は雨にも負けず何人ものカメラマンがいました。
芦野公園駅には新旧二つの駅舎があります。
現在の駅舎です。
ホームからも入ることができる旧駅舎です。
正面はこのようになっていています。
旧駅舎は津軽鉄道で開業時からの建築物で最後に残ったもので、太宰治の小説『津軽』にも登場したところです。現在は、NPO法人「かなぎ元気倶楽部」が喫茶店「駅舎」として利用されています。
平成26年には国の登録有形文化財に登録されました。
ここで昼食です。おすすめ名物カレーから「激馬かなぎカレー」を選びました。
付け合わせは福神漬けではなく、高菜の漬け物を刻んだもので、なかなか相性の良いものです。ポーションミルクは好みでかけると、味がマイルドになると言われました。半分食べたところでかけてみました。マイルドになりますが、辛さはちゃんと口に残りました。
芦野公園駅からは、昭和時代によく見られた客車と貨車の混合編成による臨時列車に乗り、隣の金木駅に向かいます。
切符は、「駅舎」でも購入できます。
臨時列車の時刻は、津軽中里駅13時21分発、津軽五所川原駅13時59分着としか発表されていないので、通常の運転時間から予想して13時32分と予想したのですが、ディーゼル機関車が5両の客車と貨車を引っ張ってくるので、通常より時間がかかっていました。
13時39分、撮影会を行っていた混合列車がディーゼル機関車DD352を先頭に客車オハフ331、オハ462、無蓋車トム1形2両、タンク車タム501に編成順序を変えてやってきました。
客車は、ストーブ列車として使われるものです。
通常2分かかるところを3分かけて金木駅に着きました。
金木駅は、津軽鉄道線の中で唯一列車交換可能な駅で、現在でもタブレットを使用しています。このようなタブレット交換風景は昭和の半ばまでは単線区間でよく見ることができましたが、現在では津軽鉄道の他には熊本県のくま川鉄道、秋田県の由利高原鉄道でしか見ることはできなくなりました。
構内には腕木式信号機も健在でした。
ホームには「津軽鉄道レールの変遷」として実物が置かれていました。
金木駅は途中駅では唯一終日有人駅で「金木交流プラザ」が併設されていました。
金木駅からは、14時45分発の津軽五所川原行に乗り、終点を目指します。
現在、津軽鉄道からJR五能線の川部駅・鰺ケ沢駅間と奥羽本線の青森駅・碇ケ関駅間までは、連絡切符といって通しの切符が販売されていますが、来年平成29年3月で取り扱いが廃止されるということで、今回はその切符を買いました。ずいぶん前から使われている切符のようで、運賃の所には運賃変更のゴム印が押してありました。
隣の嘉瀬駅は現在は1面1線の駅ですが、かつては列車交換ができたところで、残された線路からその面影が見られます。
嘉瀬駅には、平成9年「SMAP×SMAP」で香取慎吾さんが地元の子供達と絵を描いた、夢のキャンバス鉄道が今も保管されていました。平成12年に引退していますから、痛みも激しいようで保存留置と言うには余りにも痛々しい物でした。
雨も小降りとなり、またカメラマンの姿が見えます。
毘沙門駅は、「聞きこみローカル線 気まぐれ下車の旅」でも紹介された、津軽鉄道線内で乗降客が一番少ないという駅です。
津軽飯詰駅は元々島式1面2線で、無人駅となった現在は旧2番線を使用しています。
吹雪からポイント部分を守るため、覆いが設置されていました。
傘を差しながら写真を。遠くにはつがる克雪ドームの屋根が見えます。
フリーパスを使って、全駅下車を目指す人も少なくないようです。
終点、津軽五所川原駅の一つ手前は十川駅。待合室が傾いているのか、ワイヤーで固定されていました。
雨脚が強くなり、はっきりしませんが津軽五所川原駅が見えてきました。
五所川原では5分の待ちあわせで、五能線快速リゾートしらかみ3号弘前行に乗ります。
単線の五能線ですので、快速リゾートしらかみ4号秋田行の到着を待って発車します。
本日の快速リゾートしらかみ3号の車両は、今のところ一番新しいハイブリットの青池編成です。
先頭車にあるカメラの映像が、車内のモニターに映し出されます。
快速リゾートしらかみ3号では、陸奥鶴田駅と川部駅間で津軽弁語り部実演が行われ、モニターにも映し出されます。
林崎駅付近。リンゴの収穫時期はさぞやきれいなことでしょう。
乗車時間24分で川部駅の到着しました。
この後、川部駅15時38分発奥羽本線普通青森行に乗り、青森駅で17時発青い森鉄道不通八戸行に乗り換え、17時47分野辺地駅に到着しました。
おしまい