江津駅を起点とする三江線は、広島県三次市の三次駅を終点とする、103.1kmのJR西日本の路線です。
昭和5年に石見江津駅(現在の江津駅)・川戸駅間が開通した後、45年かけて昭和50年に全線が開通しました。
平成27年に全通40周年を記念して三江線改良利用促進期成同盟会・三江線活性化協議会の公募で「江の川鉄道」の愛称がつきました。
しかし、今年、平成28年9月。JR西日本が国土交通省に対して平成30年4月1日を廃止日とする廃止届を提出しました。
国鉄民営化後、100kmを超えるローカル線の全線廃止は本州で初めてとなります。
三江線改良利用促進期成同盟会・三江線活性化協議会がポスターやパンフレットを作ったり、イベントを開催したりして頑張ってきましたが、あと1年ほどで廃線を迎えます。
三江線改良利用促進期成同盟会・三江線活性化協議会では、「ぶらり三江線WEB」で色々な情報を発信しています。
1日上下合わせて17本。直通運転は1往復半というローカル線です。
三江線 普通 浜原行に乗って、途中の石見川本駅まで行きます。
使われている車両は、JR西日本のローカル線用小型気動車120形気動車です。
座席は、セミクロスシートとロングシートです。
ワンマン運転を前提にしていることから、運転台横に運賃箱とその上に整理券発行機が備え付けられています。
また、出入り口はバス用の2枚折り戸が採用されています。
江津 16:38発
江津駅を出るとすぐ、山陰本線と別れます。
その後、江の川に沿って進みます。
トンネルを抜けたところに、江津本町駅があります。
江津本町 16:41着 16:41発
JR三江線沿線には大元神楽、阿須那系石見神楽、高宮系神楽、備後系神楽等多様な神楽が存在していて、三江線は神楽が伝播したルートと重なり合うことから、三江線活性化協議会では各駅に「神楽愛称駅板」を設置しています。
江津本町駅は「恵比寿」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように書かれています。
「大人(立派な人・旅人)が出雲大社に参拝しようとする途中、美保神社に立ち寄ります。そこで宮人からいろいろといわれを聞きますと、ご祭神は「恵比須(事代主命)」で、今も波風静かなときは磯辺で釣りする姿が見られると語ります。大人が数日滞在すると、ついに恵比須様が姿をあらわし、立派な鯛を釣り上げます。恵比須様の鯛釣りの様子はとってもコミカル。釣りエサとしてまかれる飴は子供達に大人気です。」
江の川は、島根県と広島県を流れる中国地方で最大の川で、江川(ごうがわ)とも呼ばれ、また、中国太郎の異名を持つ川です。
千金 16:46着 16:47発
写真に納めることは出来ませんでしたが、ここは「日本武尊」。「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように載ってあります。
「日本武尊は父・景行天皇の命令により、吉備武彦を伴い東国・蝦夷平定に向かいます。途中、叔母である大和姫のもとに立ち寄り、村雲の宝剣と守り袋を授かります。
一方、武尊の進軍を聞いた蝦夷の兄ぎし・弟ぎしの悪者兄弟は大慌てで、親分の賊首に相談します。そして、焼き討ちにする謀略をめぐらし、武尊の到来を待ちます。武尊がやって来ると兄ぎしたちは「大きな野原に鹿がいて暴れるので作物が出来ず、年貢も納められないから退治してください。」と嘘をつき、大野に誘い入れ火を放ち、焼き殺そうとします。
しかし武尊は村雲の宝剣で草をなぎ払い、守り袋に入っていた火打石で迎え火を起こし難を逃れ、兄ぎしたちを退治し、東国を無事平定したのでした。
このとき「村雲剣」は「草薙剣」と名を変え、三種の神器として今に伝わります。」
三江線と江の川の間には、狭くても舗装されている道路が通っています。
川平 16:54着 16:54発
川平駅は「大江山」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように書かれています。
酒呑童子は多くの手下を従え、丹波国(京都府)大江山に立てこもり、夜な夜な都において女人をさらい、金銀財宝を掠め取るなど、悪逆の限りをつくしていました。都の人々は大変恐れ、その嘆き悲しむ声はついに帝に聞こえ、武勇に優れた源頼光に童子討伐の勅命
が下ります。
頼光は家来の四天王と共に山伏姿となって山中に分け入り、童子の岩屋にたどり着き、一夜の宿を求めます。童子は本当の山伏かどうか疑いますが、問答の末、すっかり疑いは解け、頼光が持参した「人便鬼毒の神酒」に酔い伏してしまいます。
時を得た頼光主従は、一斉に切りかかり、童子も妖術を使って応戦しますが、ついに討ち取られてしまいます。
この演目は鬼が多く登場する豪華版。蜘蛛の妖術の様々な仕掛けにはワクワクします。」
ここでも四角い警報灯を見ます。
大きい河川であることが想像つきます。
川戸 17:08着 17:08発
川戸駅は「鈴鹿山」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように書かれています。
「鎮守府将軍・坂上田村麻呂が伊勢の国(三重県)鈴鹿山に住む鬼人の退治に向かいます。途中出会った里人から山の様子を聞き、その里人の案内によって山中に攻め入り、見事鬼人を退治します。
六調子神楽ならではのこの演目。三江線をさらに進んだ安芸高田市周辺では同じ「鈴鹿山」でも登場人物が増え、ストーリーもドラマティックに。沿線の神楽の様々な違いにもぜひご注目。」
車窓だけ見ているとまだ明るく見えます。
しかし、車内灯が明るく感じるようになってきました。
田津 17:19着 17:20発
田津駅は「羯鼓・切目」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように書かれています。
「紀伊の国(和歌山)熊野権現・切目王子に仕える神禰宜(神官)が、高天原から降りた「羯鼓太鼓」という宝物を、よく鳴る所に工夫して据えようと、さまざまに試行錯誤する様を滑稽に舞います。しかし気難しい切目王子は「高い」「低い」となかなか納得しません。
ようやくちょうどいいところに据え置くと、切目王子と天女が出現して、天地の根本について問答をし、太鼓を打ち鳴らして天下泰平、国家安泰を祈ります。」
写真撮影もここまでが限界です。
石見川越 17:25着 17:26発
ここは「頼政」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように載ってあります。
「平安時代、帝の住む御殿の上を、毎夜黒雲が覆い、怪しい魔物が奇妙な声で鳴くので、まだ幼い帝はおびえてしまい、心身が弱ってしまいました。そこで源頼政が召され、家臣・猪早太とともに退冶に向かい、見事黒雲の中に魔物を射止めます。その正体は頭猿・体牛・手足虎・尾蛇の「鵺」という化鳥でした。
途中で登場する着ぐるみの猿たちはイタズラが大好き。客席に乱入して観客を沸かせます。」
鹿賀 17:33着 17:33発
ここは「道返し」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように載ってあります。
「世界万国を荒らしまわる大魔王が日本に来たので、武甕槌命が退冶に向かいます。はじめは和歌による戦い、その後、刀を持って激しく戦い、ついに魔王を降参させます。魔王は「これからは人を食べず、稲を食べます。」と誓い九州高千穂に逃げ去ります。
珍しく鬼が退治されず、道の途中で引き返し、また、悪道から善道に返る、というのが演目名の由来とされています。」
因原 17:39着 17:40発
ここは「剣舞」。
「ぶらり三江線WEB」の「神楽愛称駅名演目解説」には、次のように載ってあります。
「四方を清め、神々が集うことを願う儀式舞。小幣を手に持ち、それを笠に見立てて舞う四人舞で、袖を優雅にひるがえして舞う姿は美しい。
「四神」とも言われ、四人の舞手は、東西南北それぞれの神をあらわしています。」
石見川本 17:46着
駅舎はイルミネーションで飾られていました。
今日の宿は、駅から数分の所にある「旅館みかみ」。
「花月の間」。
夕食。
十割そばが付きました。
懐かしい!電気敷き毛布です。
明日の朝は7前に出るため、朝食は付きません。
1泊夕食付き、一人6,400円也。ちなみに、ビール大瓶1本が680円でした。
つづく