上原正三作品の特徴の一つとして

 ウルトラセブンはSFメカものというジャンルに位置付けられる
作品だからか、ヒーローであるセブンと異形の侵略宇宙人や怪獣
との派手な戦いのシーンは前作のウルトラマンに比べて少ない。

 もともとSFメカ作品は予算がかかるという事情からか予算不足
に苛まれており、神戸ロケで有名なキングジョー編などを除くと
緊縮予算の作品が目に付く。

 特に33話・侵略する死者たち、37話・盗まれたウルトラアイ、
43話・第四惑星の悪夢の3作品は異形の侵略宇宙人が登場しない
というのが特徴で子供の頃に見た時は不人気だったしセブンは
OPのラストに登場する敵キャラの名前が出ないのでサブタイト
ルを覚えるしかなかった。

 33話と43話は上原正三が37話は市川森一が担当しているわけ
で、共に当時の両者は円谷プロ所属の若手ライターだったため
予算がかからない作品を書くようにされていたようだ。

 上原正三は円谷作品ではウルトラQのボスタング編とゴーガ
編からスタートしているのだが、ウルトラマンは多々良島編を
金城哲夫と共作した後にキーラ&サイゴ編を担当したのみ。

 ところがセブンになるとメインライター金城哲夫がマイティ
ジャックの制作に絡んだ事から、上原正三や市川森一ら若手ラ
イターに出番が回って来たわけで特に上原正三は共作も含めて
約1/4にあたる12話を担当している。

 そんな中で予算をかけずにドラマ性を高くするテクニックと
していたのが、正体不明の敵の存在だろうしボスタング編の要
素を流用しているようだ。

 つまり地球を守ろうとするルパーツ星人だけを人間体として
登場させ、地球侵略の尖兵としてボスタングを送り込むしキー
ル星人の存在を語らせていた。

 セブンではユートムが動き回る謎の地底都市を作った者は謎
のままだったし、恐竜戦車を送り込んだキル星人も人間体は登
場するものの異形の正体は描かれず。

 またリッガーがコントロールする強力電磁波島を送り込んだ
のも、侵略する死者たちの死者の霊魂を操っていたのも正体が
分からない。

 つまりセブンに登場する正体不明の敵のEP4話は、全て上原
正三作品だったというわけで氏の得意芸というワケだろう。

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