3位決定戦の重要性

　一昨日行われたFIFA世界クラブ選手権で、浦和はアフリカ
大陸代表のエトワール・サヘルと2-2で引き分け、PK戦では
4-2で勝って3位に入った。
　これは、ある意味大変な事である。
　サッカーではヨーロッパと南米がトップ2で、それ以外の
地域は格下に見られていた。
　その第2グループの中でのトップという事なのだ。
　
　ただ3位決定戦の位置付けは、各国によって微妙に異なる。
　例えばオランダのような強豪国にとって、3位とは屈辱だ。
　だからファイナルに残れなかった時点で、気持ちが切れて
いるケースが多い。
　‘優勝できなかったら2位も4位も関係ない’という感じだ。
　日本でも、72年のミュンヘンで優勝した男子バレーが76年の
モントリオールでは4位に終わったのだが、連覇のみを狙って
いた日本男子にとってSファイナルで世界選手権で優勝したポー
ランド相手に3時間を越えるフルセットの死闘の末に敗れた後の
3位決定戦は、モチベーションが下がってしまっていた。
　一方その日本に勝ったキューバにとってみると、キューバの
バレー界初のメダル獲得だから金を失敗した日本に対し銅でも
万々歳のキューバではモチベーションからして違う。
　これは98年のサッカーW杯の3位決定戦で、オランダがクロア
チアに敗れたパターンではある。

　ただ考えなければならないのは、76年に日本を破ったキューバ
は77年に行われたバレーのW杯で日本から完敗したものの、それ
以降はキューバに殆ど勝てなくなってしまった。
　いくらモチベーションが下がっていたからといって、完敗して
いては対戦相手に勇気付けてしまうケースが多々ある。
　このバレー日本男子のEPは、他にいくらでも転がっている。
　
　考えて見ると、2位は表彰台に上ったチームでは唯一負けてなる
順位なのに対し、3位は基本的に‘3位決定戦’というイベントで
勝てば3位だ。
　1位と2位は雲泥の差、2位と3位はレベルはともかく‘終わりよけ
れば全てよし’という感覚だが3位と4位の差は、天と地の差である。
　これで負けると表彰台は無理だし、勝てば‘最後は勝って終わる’
という満足感がある。
　アテネ五輪の野球が、オーストラリアにSファイナルで敗れた後の
3位決定戦でカナダ相手にモチベーションを切らずに戦った姿が印象
深い。

　3位決定戦は、そういう意味で消化試合ではないのだ！