来シーズン以降の渡部暁斗のモチベーションは

W杯総合優勝に輝く渡部暁斗が、五輪金メダルを渇望する理由。

 先週の月曜日に全日本スキー連盟が17~18年シーズンの表彰式を
行い、荻原健司以来のノルディック複合W杯総合優勝を果たした渡部
暁斗がMVPに選出されたとの事。

 五輪イヤーである17~18シーズンのスキー界は渡部以外では女子
ジャンプの高梨沙羅がW杯総合3位で五輪でも銅メダルだった他は、
五輪のメダリストやW杯総合上位に入った選手がいないため渡部の
MVPは当然だろうが仮に平昌五輪で金メダリストが出ていたら果た
してどちらがMVPになっていたか大いに興味がある。

 とりあえずNumber webの松原孝臣氏の記事を読めば渡部のMVP
は間違いなさそうだが、果たして‘なぜ金メダリストが選ばれない’
という見当外れの意見を出すマスゴミも出るのではと思ってしまう。

 基本的にスキー選手はW杯総合優勝を目指して戦うワケで五輪や
世界選手権以上に重要視しており、選手達や関係者に通常のファン
には理解されているが五輪至上主義に毒されているライトなファン
には不思議がられる事態ではないか。

 実際に渡部がシーズン終了後に凱旋パレードを行っていた時の
肩書は‘W杯総合優勝者’ではなく‘平昌五輪銀メダリスト’と
いうもので、銀メダルを首からぶら下げていたがW杯優勝カップ
は持ってなかったと思う。

 つまりパレードの観衆にはW杯総合優勝よりも五輪のメダルの
方が、ありがたみがあるという事になる。

 そんな中で渡部が‘国内のライトなファンにW杯総合優勝の凄さ
を知らしめるには五輪の金メダルが必要’と語っていたのは両方を
取って初めて‘W杯総合優勝の方が五輪の金メダルより上と言える’
との事で、五輪の金メダルを取らずにW杯総合優勝の方が上と言っ
ても負け犬の遠吠えに過ぎないという理屈だ。

 これを聞いて76年2月に柳済斗との再戦に挑む輪島功一が‘前回
の敗戦はラウンド終了後の反則パンチが原因と人は言ってくれるが
俺がそれを言ったところで所詮は負け犬の遠吠え、今回勝てば反則
パンチが原因で負けたという証明になる’と語っていたのを思い出
す。

 また岡田武史元日本代表監督も一時期高校サッカーでフィジカル
勝負の国見が黄金時代を築いていた一方‘高校レベルではテクニッ
クを磨くべきで、目先の勝ちに拘る国見のスタイルは邪道’的な論
調に対し‘国見のスタイルに関しては決して感心できはしないが、
文句があるならテクニカルな戦い方で国見に勝ってから批判するべ
き’と語っていたのを思い出す。

 確かに高校野球でも‘ノーアウトor1アウトランナー3塁では4番打
者でもスクイズが当たり前’という常識に支配されていたが、打ち
まくるスタイルのチームに勝てなくなっているから今では4番にス
クイズをさせると‘何のための4番か’と批判されるようになって
いる。

 何事も勝ってからでなければ説得力がないわけで、それを考える
と五輪の金メダルこそ渡部の来シーズン以降へのモチベーションに
なっていると思うのだ。
 

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