ウルトラセブンの39話でセブンの能力を徹底的に分析し狡猾な
戦い方で活動停止にして処刑寸前まで追い込んだガッツ星人だが、
40話のではウルトラ警備隊からマグネリウムエネルギーを注入さ
れ復活したセブンに対し混乱するばかりで全く反撃できず最後は
アイスラッガーにエネルギーを注入して打ち出すウルトラノック戦
法で宇宙船を破壊され敗れ去った。
特撮ヒーローものは突っ込みどころ満載なので今回のセブン暗殺
計画も‘夜明けと共にセブンを処刑’と言っていたのに、セブンを
フルハシが発見した時には既に日は高く上っていたなどというのが
あるが何より不思議なのはガッツ星人の混乱ぶりだ。
‘用意周到に計画を立て完璧に遂行する者に限って一旦それが崩れ
ると大いに混乱する’というのが文献などで語られている理由だが、
個人的には星人がセブンを破った泉ヶ丘は対セブン用のバトルフィ
ールド状態ではなかったかと思うのだ。
ガッツ星人のデータにはセブンがプロテ星人との戦いで最後まで
星人の幻影攻撃に手こずり正体を看破できなかった事が記されてお
り、セブンをエネルギー切れに追い込むのに分身能力や瞬間移動能
力があるにも拘らず幻影を投影できる装置を仕込んでいたのではな
いか。
その証拠としてセブンが初手から出したアイスラッガーを星人は
縦斬りだけでなく、横斬りにコントロールしたにも拘らず通用しな
かったあたり分身なら横斬りされれば手応えがあると考える。
一方で光線技は吸収されたり跳ね返されるなどのシーンがあるの
に対し、後編でワイドショットやエメリウム光線よりも威力のなさ
そうなハンディショットで処刑用宇宙船を撃破し母船も地上に追い
立てるのだから最初の対戦時にセブンの光線攻撃に対する何らかの
装置をも設置していたのではないか。
更に戦う時間帯も最初に市街地で挑戦した時は夜だったし泉ヶ丘
での戦いも時間的に夕方と思われるので、太陽エネルギーを活力源
とするセブンには不利な時間帯だったというのもある。
つまり戦う時間帯や自分達有利なバトルフィールドにセブンを誘
い込む事により勝つ事ができた星人だが、逆に言えばそれらのアド
バンテージなしでは勝てないためセブンの復活は計算外だろうから
慌てふためき最終的に敗退したと考える。