俳優・加藤剛さん死去「大岡越前」「砂の器」など出演 80歳
俳優の加藤剛氏が胆のう癌のため6月に80歳で亡くなっていたと
いうニュースが昨日流れた。
個人的に加藤剛といえば何といっても大岡越前で大岡忠相を演じ
ていた印象が強いし、76年の大河ドラマ・風と雲と虹との主役・
平将門役といった時代劇俳優というイメージが強い。
ところが演劇・マクベスでマクベス役を演じている記事が載って
いたので、舞台俳優である事を初めて知ったのだった。
一方現代劇では映画・子育てごっこで栗原小巻との夫婦を演じて
おり里見浩太朗同様、時代劇役者のイメージが強かっただけに髷が
ないのには正直違和感があったのを覚えている。
というのも我が家では月曜20:00は祖父が好きな水戸黄門を必ず
見ていたのだが、合間に江戸を斬ると入れ替わるようにして大岡越
前がOAされて大岡忠相を演じていたのでそのイメージが強いのに
もってきて大河ドラマでの平将門だから時代劇俳優のいう形で認知
されていたのだ。
もっとも73年版の剣客商売では秋山大治郎を演じたのだが父親の
秋山小兵衛を演じたのは水戸黄門の柳沢吉保をはじめとした山形勲
だったので、悪役系の父親とヒーロー系の息子という親子には違和
感をもったのだった。
里見浩太朗や萬屋錦之介など普段時代劇の主役を演じていると時
代劇俳優のイメージが強く現代劇に出演し髷がないと凄い違和感を
感じるのだが、加藤剛の場合は後に時代劇以外の映画などで見る機
会があったため徐々に違和感がなくなったわけだ。
それにしても‘この子を残して’の永井隆博士や吉田松陰に山本
五十六、杉浦千畝にチンギス・ハーン、極めつけは昭和天皇まで
演じるというのは素晴らしい存在感と演技力があったと実感する。
こういった昭和を代表する名優が亡くなるのは本当に惜しい。