世の中の仕組みを教えてくれたウルトラ作品

 先日ウルトラマン列伝でOAされたグビラ編について扱ったのだが、このEPで
子供心に最も印象深かったのが海底公団の吉村総裁だ。


 最初は上機嫌で海底センターのスイッチを入れたりしていたのがグビラの襲撃
で施設内部が大変な事になると態度が一変し酸素が少なくなっているにも拘らず
葉巻を吹かすは、トランプで時間潰しをしていても‘こんなもので気は紛れん’
などと女の子ですら おとなしくしているのを尻目に見苦しい事この上なかった。


 吉村総裁は天下り役人のようなものだろうが子供心に‘こんな大人だけには
絶対になりたくない’と痛感していた。


 実際大人になって世の中に出ると吉村総裁のような大人はけっこういるもので
ウルトラの作り手は、いろんな‘大人’を見せて世の中に出る予習をさせてくれて
いたのだと思う。


 例えばザラブ星人。

 最初
‘やぁ諸君、我々の兄弟’などと妙に慣れ慣れしく近付いて来て親切な事ばかり
言っていたのだが実は・・・・というパターンだったのだが、ザラブ星人がやって
いる‘互いに争わせて疲弊させ・・・’というやり方はヨーロッパの列強がアジア
などに進出する時にやった手でもあるし これを見て妙に馴れ馴れしく親切過
ぎる者は心から信頼してはいけないという事を学習した。


 またメフィラス星人のように力のあるヤツほど穏便に事を運ぼうとするというのも
ウルトラで知ったわけだ。


 もっとも第2期になるとTACの高倉司令官のように自分の作戦に異を唱えた
北斗星司を有人弾道ミサイルの操縦者に指名し、切り離しに失敗すると自分の
設計ミスを隠蔽するために北斗を見殺しにしようとした上官の存在が印象的だ。


 更に帰ってきたウルトラマンでMATの長官が東京を焼き払ってでも怪獣を殲滅
するスパイナー作戦を発動しようとしたのを加藤隊長以下反対したのに受け入れ
られなかったのが、長官の甥っ子である岸田隊員が‘私からもお願いします’と
頼むと決定が翻るという理不尽さも社会に出ると よくある事だ。


 そんなワケで子供達にウルトラを見せるのは大事な事だと思ったしグビラ編を
見た息子達に‘こんな大人になったらダメだ’と言い聞かせたのは言うまでもない。

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