BGMがないのも効果的な演出

 今から50年前にウルトラセブンの敵キャラとして初登場したぺ
ダン星人が送り込んだロボット・キングジョーは、セブンのエメリ
ウム光線やアイスラッガーという必殺技が通じない強敵だった。

 4機の飛行物体が合体し強力なロボットになるわけだが光線技を
使わずに力のみでセブンを圧倒し、組み伏せてグロッギーに追い込
むなど相当な強さを発揮する。

 面白いのがキングジョー編の前編ではセブンとキングジョーの対
決の時にBGMが全く入らずキングジョーの出す機械音のみが響く
演出法で、これは後に恐竜戦車との戦いでも恐竜戦車の出すキャタ
ピラ音のみが響くスタイルで異彩を放っている。

 セブン以前に戦闘場面でBGMを使わなかったといえばウルトラ
マンの最終回のゼットン戦で、やはりウルトラマンとゼットンとの
戦いではゼットンの出す音のみが響くという演出をしていた。

 こうしてみると普段勇壮なBGMをバックに戦うヒーローの姿を
見慣れた視聴者にとってBGMがないというのは対戦キャラの不気
味さを表しており、ただならぬ雰囲気を醸し出しているのでヒーロ
ーの苦戦を予感させるものだろう。

 理由の1つにヒーローにはテーマ曲があるのだが基本的に敵キャ
ラにはないわけで、怪獣映画ならば共にモチーフテーマがあるため
優勢に戦いを進めている方のテーマが流れるのに対しウルトラで最
初に敵キャラのオリジナルモチーフテーマが使われたのはガッツ星
人ぐらい。

 この時はガッツ星人のモチーフテーマとして最大で3曲もあって
特に前編で星人がセブンを圧倒するシーンでは星人のテーマがガン
ガン流れていたのが印象深い。

 ちなみに第2期になるとウルトラマンが優勢に戦いを進めている
BGMと同時にピンチに陥ったテーマが作られて、流れるテーマで
優勢か苦戦かが分かるようになったわけでBGMなしという演出の
インパクトが薄れてしまった感が強い。

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