40年前にタイガース戦で天国と地獄を味わった末次利光

 今から40年前の今日76年9月7日に甲子園球場で行われたタイ
ガースvsジャイアンツ戦でジャイアンツの末次利光は8-6で迎え
た8回裏2アウト満塁から平凡なライトフライを落球しただけでな
く、落球したボールを蹴っ飛ばしたため走者一掃となって8-9で
ジャイアンツは逆転負けする。

 この年は前年の最下位からの優勝を目指すジャイアンツがタイガ
ースと熾烈な優勝争いをしていたのだが、その中でタイガース戦で
強かったのが5番を打っていた末次だ。

 特に印象深かったのは6月8日に後楽園で行われたタイガース戦。

 この年に江夏豊とのトレードで入団してきた江本孟紀に8回まで
完全に抑えられ0-2で迎えた9回裏にようやく江本を捉え、2アウ
ト2・3塁のチャンスで登板した山本和行から王貞治が四球で歩いて
満塁から末次が起死回生の逆転サヨナラ満塁HRを放ったのだった。

 この勝利で勢いに乗ったジャイアンツは後楽園でのシリーズを3連
勝するのだが、シーズン終盤になって迎えた甲子園でのタイガース戦
では先述したような末次の落球で逆転負けする。

 この日は台風余波の強風が吹き荒れており名手・末次のミスもその
影響だと思われたのだが、ジャイアンツにとって幸いだったのは翌日
からの2試合がいずれも雨で流れたという事だろう。

 落球からの逆転負けといえば85年4月のタイガース1回戦でショート
・河埜和正の落球から逆転負けしたのを皮切りに翌日はバース・掛布・岡
田のバックスクリーン3連発で逆転負けし、最終的に3連敗してタイガ
ースが勢いに乗って日本一に輝いた事があった。

 そういう意味では この年のジャイアンツは翌日から雨で残り2試合を
流したというのはジャイアンツにツキがあったという事だろうし、翌週
からの後楽園でのタイガース3連戦では1勝1敗1分で星を分ける事に
なる。

 この年のジャイアンツは14連勝と13連勝があった反面、引き分けを
挟んだ7連敗と5連敗が1度づつあるなど波乱のシーズンで天国と地獄を
味わった1年だったのだが末次自身もそれを象徴するようなシーズンと
なった。

 その末次だが翌77年3月に後楽園でのオープン戦開始前の練習で柳田
真宏の打った打球が目を直撃してシーズンを棒に振っただけでなく、その
影響で視力が低下し77年限りで引退する事になったのだから76年は末次
にとってもファンにとっても忘れられないシーズンだったわけだ。

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