ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
昭和の時代‘科学’は憧れだった
今から50年前は第2期変身ブームの真っ最中でヒーロー番組も百
花繚乱状態だったのだが円谷系作品で、よく使われたキーワードが
‘科学’だった。
考えてみれば最初の円谷ヒーロー作品であるウルトラマンの防衛
チームは科学特捜隊で、ウルトラ警備隊を挟み怪奇大作戦ではSRI=
科学捜査研究所が主役が所属する組織になっている。
ウルトラでは第2期になると科学=SCIENCE=Sが付く防衛チーム
はないが、一方ミラーマンの SGMはSCIENCE GUARD MEMBERSだし
ファイヤーマンのSAFはSCIENCE ATTACK FORCEで円谷作品ではない
がスーパーロボット・レッドバロンのSSIはSERET SCIENCE INSTITUTE
というのが正式名称。
ところが平成になると‘科学’の名が付く組織は見なくなるのだ。
考えてみると戦後から60年代まで科学万能思想が日本では支配的
で、その様子は57年公開の地球防衛軍あたりで窺える。
平田昭彦演じる天才科学者・白石亮一博士は地球の旧石器時代に
既に水爆を持っていたミステリアンの優れた科学力に憧れ、技術供
与する代わりに富士山麓の半径5㌔の土地を要求するミステリアン
のスポークスマンになってしまう。
つまり白石博士はミステリアンの優れた科学を供与してもらえる
ならば半径5㌔の土地ぐらい与えてもいいじゃないかという考えを
持っていたのだが、最終的にミステリアンは地球侵略を狙っていた
のに気付き要塞ミステリアンドームを内側から破壊するわけだ。
一方50年前にOAされていたミクロイドSの主題歌では‘心を忘れた
科学には幸せ求める夢がない’などという科学万能を否定する歌詞が
あるわけだから、この頃から防衛チームに‘科学’のネーミングが外れ
ているのを考えると時代の流れかと思ったりする。
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割と半世紀以上前の日本は未来に対して純粋に憧れを抱いていたし、科学が未来を明るくすると信じていたと思います。
けどやがて科学の発達の裏で湧き出てしまった公害問題などの影響で科学万能・科学万歳にストップがかけられたのも一因してますね。
科学批判の一番の象徴は、科学万歳のピークだった1970年に開催された大阪万博の太陽の塔でしょうね。
本来パビリオンというのは未来の調和を謳った建造物なのに太陽の塔はその未来の逆を行ってしまい、過去を映して現代の人々に警鐘を鳴らしたという、言わば万博史上最も“未来を調和していない”パビリオンなのであります。
しかし日本人はすっかり“万博及びパビリオン=太陽の塔”と思い込んでいるため、製作者の岡本太郎氏の思惑がどこまで響いたかは分かりかねますがね。
話は変わるが、「地球防衛軍」のミステリアンのヘルメット、なんか“ダルマみたいなメット”にしか見えないw
ミステリアンについて初めて見た私の妹はゴレンジャーみたいと言ってました。
映画・地球防衛軍こそ科学万能に警鐘を鳴らした作品かもしれませんね。
意外に日本の特撮映画は科学万能に警鐘を鳴らしてますからね。
本多猪四郎監督も白石亮一が言う「地球を支配するのは人類でもミステリアンでもなく科学だ」というセリフを否定し「地球を支配するのは人類の知恵」と語ってました。