キングコング対ゴジラとメカゴジラの逆襲

 BS‐12で昨日から3日間ゴジラ映画が昭和・平成・ミレニアムと3
日連続で1日2本づつOAされているが、昨日は昭和でキングコング
対ゴジラとメカゴジラの逆襲。

 この2本は今から40年前の83年にゴジラ復活オールナイトで私が
見に行った時に続けて上映されており凄い偶然だなと思ったのだが、
共に監督・本多猪四郎&音楽・伊福部昭コンビで昭和ゴジラの歴代
最多と歴代最少入場者を記録した作品という特徴だ。

 まぁ映画全盛時で東宝創立30周年として莫大な予算を投入された
キングコング対ゴジラと、邦画低迷期にオイルショックの煽りを受
けて大幅に予算が削られる中でシリーズ一旦打ち止め作品として作
られたメカゴジラの逆襲は対照的である。

 40年前も実感したのがキングコング対ゴジラとメカゴジラの逆襲
までの間は実に13年のインターバルがあるのだが、この間に車のデ
ザインや登場キャラの髪型など随分時代が進んだなと実感する。

 キングコング対ゴジラではファロ島のシーンなど原住民が大勢登
場しキングコングを眠らせる踊りを集団で踊るシーンなど、今では
難しそうだし大勢の群衆シーンも然り。

 一方メカゴジラの逆襲は予算の削減は戦車などの攻撃シーンを過
去作品のライブフィルムで補填しており、メカゴジラのフィンガー
ミサイルによる横須賀市街地攻撃シーンなどに特撮予算を集中して
いるなど工夫が見られるのは職人・本多猪四郎監督ならではか。

 さらに両作品に共通して出演しているのが平田昭彦・佐原健二と
いった看板俳優だけでなく、沢村いき雄のような60年代特撮映画の
バイブレイヤーも出演しているのは嬉しいものがある。

 こうしてみると対照的な興行収入となった両作品だが、しっかり
本多猪四郎イズムが入っているのを実感するので両作品をチョイス
したBS-12 スタッフは素晴らしいと思う。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
俺は好きだけどね (tamutamu)
2023-05-03 22:20:03
2010年代と2020年代のファッションや車・流行もよく見ちゃ違いますからね。

本多猪四郎監督の最後の監督作品となった「メカゴジラの逆襲」。
すっかりヒーロー然とした1970年代のゴジラの存在に相反する存在として創られたメカゴジラにかつて恐怖の存在として君臨したゴジラを再現していたと思います。
マンネリ化していた子供向きな内容に一石を投じるかの如く、また同作の企画当初から一旦休止が通告されていた為か、シリーズ最初期のシリアスで重厚な展開に回帰した事は個人的には嬉しかった。
ゴジラシリーズでは珍しく恐竜型のチタノザウルスを“Mr.ウルトラマンレオ”こと現在「相棒」シリーズの殺陣師を担当している二家本辰巳氏が演じているのも見物だし、当時「レオ」出演中の関係でMAC隊員服のままオーディションに参加したという藍とも子さん演じるサイボーグ少女・桂の美しくも悲しい存在に、ほぼ悪役専門であった内田勝正氏が正義のインターポール捜査官を演じていたのが個人的にキモでした(途中で寝返るんじゃないかと思ったくらいw)
久々のシリアス内容に久々の都市破壊シーンの描写を既にオイルショックの影響で予算削減を余儀なくされた状況のなかで上手く見せていたのはやはり本多監督のノウハウが生かされたためでしょうね。
リアルタイム時は受けなかったけど、後年見てみると前作以前および直近前のシリーズに比べたらクオリティー高めです。現に昨日BS12にて放映されたのが何よりの証拠ですよ。
 
 
 
何度も見ているうちに (こーじ)
2023-05-04 23:34:35
>tamutamu様

 メカゴジラの逆襲は最初見た時はラブストーリー的な扱いが気に食いませんでしたが、何度か見ている間に魅力が分かって来まして むしろゴジラ対メカゴジラよりも面白いと実感するようになりました。

 40年ほど前にレンタルビデオが普及される前に出版されていたゴジラシリーズのフィルムブックスでは、南海の大決闘・モスラ対ゴジラ・メカゴジラの逆襲がゴジラ対メカゴジラを差し置いて扱われてました。


 そういう意味で事実上の昭和ゴジラ最後の作品に相応しかったと思いますね。
 
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