50年前のジャイアンツに対する違和感

 今から50年前野球に興味を持ち始めた私は本格的にプロ野球中継
を年間通じて見たのだが、違和感を感じたのはジャイアンツの基本
メンバー。

 それまでジャイアンツは1番・柴田勲、2番・土井正三・3番・王
貞治、4番・長嶋茂雄、5番・末次利光・6番・高田繁、7番・黒江透
修、8番・森昌彦というのが基本オーダーで野球に詳しい友達など
空で言えるぐらい定着していた。

 ところが74年はキャッチャーを吉田孝司&矢沢正でショート河埜
和正らが基本になり、長嶋は打席終わると富田勝に交代するなど当
時としては不思議に思っていたのだ。

 つまり森・土井・黒江らのベテランの出場が激減し上田武士や槌
田誠といった聞きなれない名前や、柳田利郎に淡口憲司といった代
打要員のような選手が高田や末次に代わって度々スタメンで出場し
ていたのだ。

 これについて後年ヘッドコーチだった牧野茂氏が自著‘巨人軍かく
勝てり’で、翌年から長嶋が監督になるのだから力の衰えたベテラン
と実戦経験不足の若手といったメンバーを押し付けては気の毒とい
う事から若手に実戦経験を積ませるべくこんなオーダーで臨んだと
の事。

 だから川上哲治監督が監督就任14年目にして初めて勝つ事より育
成を重視して臨んだシーズンで、前年までの固定オーダーで戦えば
10連覇も可能だったが敢えて準レギュラー選手に実戦経験を積ませ
るのを目的のシーズンにしたという事だろう。

 素人の私などそんな事情を知らずに見ていただけに、レギュラー
を外して戦うのに違和感を感じていたわけだ。

 落合博満監督時代のドラゴンズがキャッチャーの谷繁元信と2塁手
・荒木正博&遊撃手・井端弘和を起用せずにシーズンを通して戦う
ぐらいの措置で、そのようなオーダーで戦ってドラゴンズを上回る
勝利数を上げたうえで2位だったのだから川上&牧野の凄さが分かる。

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