ヘスス‘キキ’ロハスを初めて見てから20年

 今から20年前の今日、90年12月6日は当時WBAフライ級王者だったレパード
玉熊が2代前の王者ヘスス‘キキ’ロハス相手に引き分けで初防衛に成功した
日で、この試合以降ロハスが7度も来日するとは思わなかった。

 もっともロハスは88年4月24日に横沢健二がレオ・ガメスの持つWBAミニマム
級タイトルに挑戦した時にスパーリングパートナーとして来日し、桜井康高を8Rで
KOしているのだが それから1年半後の89年9月に無敗だったコロンビアのフィデ
ル・バッサに判定勝ちしてWBAフライ級タイトルを奪取していたのだ。

 ところが90年3月に韓国で行われた初防衛戦では李烈雨から1-2の判定負
けでタイトルを失ったのだが、練習中に右肩を痛めた影響で左一本で戦っての
ものだから玉熊の初防衛戦の相手としては厳しいものがあった。

 試合は1Rに玉熊が攻勢に出たのに対し2Rにロハスが接近して左フックを決め
俄然接近戦の雰囲気が強くなり、以後は一進一退の展開で‘小差ながら玉熊が
勝っただろう’という内容で試合終了。

 判定は意外にも引き分けだったが1-0と分のいい形だったのだ。

 実は玉熊は既にこの頃 眼疾が進んで接近戦でないと厳しい状態だったようで、
実際に翌年3月のエルビス・アルバレス戦では距離を取られてなすすべなく完敗
していたのだからロハスの持ち味である中間距離での戦いになっていたら厳し
かったと思うのだが韓国でアウトボクシングをして敗れていたので‘敵地だから
前に出ないと’という意識が働いたのだろう。

 その後ロハスはタイでセーン・ソーンプルンチットに挑戦して敗れたものの井岡
弘樹に完勝したデビット・グリマンやホセ・ボニージャらをはじめ、渡久地隆人・
大場貴志ら日本のホープを血祭りに上げる活躍を見せる。

 そして98年12月に渡久地の代役として飯田覚士に挑戦し、飯田の右肩脱臼
というアクシデントにも恵まれ判定で勝って2階級制覇を達成したのだった。

 このタイトルは飯田の同門である戸高秀樹に負傷引き分けで初防衛したもの
の、再戦ではダウンを奪われ2度目の防衛に失敗。
 しかし00年にホープと言われた石原英康を7RでKOするなど衰えを見せず
01年9月にはセレス小林に挑戦し、際どい判定の末に敗れたもののロハス恐る
べしと印象付けたのだった。

 そういう意味では全盛時のロハス相手に眼疾がありながら分のいい引き分け
防衛に成功した玉熊も素晴らしかったという事だろう。

 

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
懐かしい (TK)
2010-12-07 19:11:37
こーじさん、こんばんは。

いやぁ~懐かしいですね。
この試合もハラハラドキドキしながら観戦したのを覚えています。
1-0の判定が出た時はガッツポーズでしたよ。

アルバレスに負けた試合は本当に一方的でしたね。
そのアルバレスは強い選手だなぁと思ったのですが、初防衛か次の試合であっさり負けてしまいましたね。

この頃までは、今みたいに変な判定はなかったですよね。
 
 
 
それがですね (こーじ)
2010-12-08 00:12:25
>TK様
 それがジョー小泉氏も書いていたのですが、引き分けというのは意外でした。

 とりあえず強敵でしたから、どんな形でも防衛に成功したので嬉しかったのですけど‘えっドロー’という感じでした。
 まぁ1-0が玉熊だったので救われましたけどね。

 やはりロハスはラウンドマストのポイントの取り方が上手かったですよね。

 このタイトルを現在持っているのが某兄弟の次男ですから価値も軽くなったものです。
 
 
 
あっ! (TK)
2010-12-08 19:02:21
再びお邪魔します(笑)

>それがジョー小泉氏も書いていたのですが、引き分けというのは意外でした。

いえいえ、そうですよ。
私の判定では確か2.3Pリードだったように思います。
引き分けとはいえ1-0で防衛できた事に喜んだガッツポーズでした、言葉足らずですみません。

あんな試合で大差で日本人が勝ったり、逆に負けにされる様な変な判定は少なかったですよね?
(ホームタウンデシジョンの酷い外国での試合は別として)

>このタイトルを現在持っているのが某兄弟の次男ですから価値も軽くなったものです。

全くその通りですよ。
あんなのが腰に巻いたモノなんて、ただの腰飾りでしかないです・・・。

しかし、それに坂田は負けたんだよなぁ・・・。
(あの試合も酷かった、、世界戦と言えるレベルのものではなかったですね)
 
 
 
いえいえ (こーじ)
2010-12-09 00:05:53
>TK様
 それは十分分かってましたので、気になさらないように。

 ラウンドマストの恐ろしいところは僅差でも片方が取り続けると大差の判定になってしまうので、採点傾向にアジャストできるかがカギになりますね。

 それを歯がゆいぐらい実行しているのが件の兄弟ですけど、現在のWBA王者は かつてのエディ・ガソですよ。
http://blog.goo.ne.jp/ue-kj/e/d50bb2e17d9e875bca4169ba19287142

 
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