サイドストーリーは大事

 今日12月14日は赤穂浪士討ち入りの日という事で以前は忠臣
蔵の映画が必ずOAされていたのだが、最近では少なくなっている
中BS12で三船敏郎が大石内蔵助を演じた大忠臣蔵がOAされてい
る。

 10年ほど前にTV東京系で午前中にOAされていたので見るのは
2度目だが浅野内匠守と吉良上野介の松の廊下事件や討ち入りだけ
でなく、脇の人物の描写を丹念に扱っている形だから見応えがある
し登場人物のキャラが掘り下げられており感情移入できるわけで映
画では無理な形だから個人的には忠臣蔵はドラマでと思っている。

 こうしてみるとメインだけでなくサイドストーリーを丹念に追った
作品というのは見応えがあるわけだ。

 例えば八つ墓村は萩原健一主演の77年劇場版以降では多治見要蔵
による32人殺しのシーンは欠かせないのだが、考えてみると32人
殺しのシーンは全体の流れからは関係ないので例えば辰弥と春代の
会話のみで済ませればいいわけだ。

 ところが殺戮シーンが必ず入るというのは77年版の山崎努演じる
多治見要蔵のインパクトが強く、作品全体の中でも欠かせないシーン
になってしまったと思われるし32人殺しのシーンなしでは語れなく
なっている。

 また母をたずねて三千里では原作は短編ながらアニメ版にした時に
原作には登場しないベッピーノ一座が出てきて、そのメンバーである
フィオリーナとマルコの友情などの話や酒場・イタリアの星で励まさ
れるシーンに現地の住民パブロ兄妹との交流などが描かれているので
コチラの方が見応えがある。

 どうしても原作のある映画は時間的な観点からサイドストーリー
が省かれるケースが多々あるわけで、それが物足りなく感じるケー
スが出てくるため最近はスピンオフという形でサイドストーリーを
映像化しているのではないかと思う。

 それを考えると放送時間枠に収めるためにカットしてOAする地上
波TVの映画番組が廃れたというのは、DVDなどでノーカット版が
見られる現在では当然ではないだろうか。

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