バランは人気が出そうなキャラなのだが・・・

　以前ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃の登場怪獣が当
初の予定ではバラゴン・モスラ・キングギドラではなく、バラゴン
・バラン・アンギラスが護国聖獣だったという事を扱った。

　とりあえずバラゴンが狛犬の基となった地の神・婆羅護吽でモス
ラは鳳凰の基で海の神・最珠羅、キングギドラは魏怒羅として地・
海・空を制する怪獣という設定になっていたのだが正直言ってモス
ラはインファント島の守護獣ではあるものの海の神というのは正直
言って無理があると思う。

　仮に当初の予定通りにバランとアンギラスを登場させていれば、
バランは北上川上流の湖底に棲んでいるという設定や婆羅陀魏山神
という形で地元の集落では神様として崇められているのだから護国
聖獣に相応しいと思う。

　さらにムササビのような飛膜を広げて空を滑空する事もできるし
ゴムのような柔軟な皮膚に覆われているので、砲弾などを跳ね返す
事ができるという特徴を持つ。

　製作が58年という事からゴジラ・アンギラス・ラドンに次いで
作られたため映画のポスターでは‘ゴジラ・ラドンを凌ぐ’という凄
く強い設定だったわけだから、ある意味メジャーになっておかしく
ない怪獣ではなかったか。

　護国聖獣がアンギラスやバラゴンにバランだった場合はバランが
湖に生息している事から海の神になるのか、空を飛べる事から空の
神になるのか迷うところだが3体の怪獣の中で唯一飛行能力を持つ
怪獣としてゴジラとそれなりに戦えるのではないかと思ったりする。

　造形的にも筋肉質で顔の周りの角と背筋に並ぶ透明な長いトゲが
特徴的だからビジュアル的にも悪くないし‘大怪獣’という呼称は他の
東宝怪獣では見られず、他には大映のガメラぐらいという貴重な呼
称の怪獣なのだ。

　残念ながら光線技や火炎放射といった飛び道具の武器がないのと
光る物を飲み込むという生態を利用され、藤村博士が作った特殊爆
薬を照明弾と共に飲み込んでしまい内側から爆破されて倒されると
いう結末だったので微妙な存在になってしまい怪獣総進撃でも着ぐ
るみが劣化していたという事情から富士山麓の決戦などに参加せず
存在感も薄かった。

　そういう意味では令和の時代に何らかの作品で復活させてやりた
い怪獣だと思うのだ。