リアルとエンタメが交互のロッキーシリーズ

 先日ロッキーシリーズのロッキーのモデルは、1がチャック・ウ
エプナーで3がモハメド・アリだと記した。

 その理由として1で無名選手だったロッキー・バルボアが急遽世
界挑戦のチャンスを与えられ善戦し、3で奇跡的なタイトル奪取後
10度の防衛に成功し合間にプロレスラーとの異種格闘技戦を入れ
11度目の防衛戦で敗れるものの再戦でタイトルを取り戻すという
展開だ。

 ところが2では通常では起こりえないダブルノックダウンから先
に立ち上がったロッキーが勝ってタイトルを奪取したり、4ではラ
イバルだったアポロ・クリードをKOし殺したソ連の強敵イワン・
ドラゴとモスクワで戦って逆転KO勝ちするというエンタメ系の内
容になっていたのでフィクションとしては楽しく見られた。

 ちなみに5ではマイク・タイソンを篭絡したプロモーターとして
悪名高いドン・キングをモデルにしたとしか思えないジョージ・
ワシントン・デュークプロモーターが、引退したロッキーが自分を
訪ねて来たトミー・ガンを育てていたのを篭絡し世界王者にするも
のの観客はロッキーを裏切った男としてしか見ずにストリートファ
イトという結末だった。

 かつての教え子とストリートファイトというのは邪道かもしれな
いがガンをマイク・タイソン、ロッキーをカス・ダマトとするとリ
アルな雰囲気を醸し出す。

 実際ダマトはドン・キングを忌み嫌っており、ロッキーもデュー
クを‘骨の髄までしゃぶって捨ててしまう男’と酷評している。

 一方ファイナルでは引退したロッキーが現役世界王者とエキシビ
ションではあるが対戦し善戦するというのは45歳で世界王者に返り
咲いたジョージ・フォアマンがモデル的だが、いかんせん老境に入
ったロッキーが鍛え上げて現役世界王者メイソン・ディクソンと対
戦自体がファンタジーだ。

 つまり1がチャック・ウエプナー、3はモハメド・アリ、5はカス・
ダマトと実際のモチーフキャラがいるのに対し偶数の2と4に6はエン
タメに徹している感じ。

 リアル過ぎると面白味がなく、エンタメが過ぎると興ざめするの
だから上手くバランスが取れていたと思うのだ。

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