昭和ヒーローとアストロ球団

 先週アストロ球団の記事を上げると‘のぶ’さんという方からの
コメントで作者の故・中島徳博氏の息子さんが、父を語ったインタ
ビューが載った記事を見た。

 その中で‘アストロ球団の1試合完全燃焼という言葉同様アスト
ロ球団こそ父が魂を注ぎ込んで作り上げた作品’と息子さんが語って
いたのだが、確かにアストロ球団はブラック球団戦からスタートし
ロッテ戦を経てビクトリー球団戦に進むにつれ狂気の度合いが増し
ていたのは子供心にも分かっていた。

 ビクトリー球団戦だけで3年以上も費やしていた事から個人的に
‘ビクトリー球団戦が終わったら次の試合はどうなるのか’と心配に
なるほどだったが、案の定ビクトリー球団戦が連載では最後の試合
となったのだ。

 アストロ球団という作品は野球に詳しくなればなるほど呆れて
しまうムチャクチャな設定が多いのだが、それを差し引いても読
者を引き付けるオーラのようなものが伝わってきたのは作者の魂が
こもっていたという事ではないか。

 思えばウルトラQから始まった第1期ウルトラや仮面ライダー
などが映像など現在からすればチャチに見えるし、突っ込みどころ
満載にも拘らず未だに評価されるのと似ていると思う。

 ウルトラでいえば円谷英二を中心にしたスタッフが子供達に夢を
与えるために採算を度外視して作っていた事が映像を通じて分かる
し、仮面ライダーなどの等身大ヒーローも近くで爆発が起きる中で
の撮影は文字通り命を張っていたのが伝わってくる。

 余談ながらウルトラマンのアボラス&バニラ編では旧国立競技場
でのアボラスとバニラの戦いだけは円谷英二が撮ったと云われてい
たのだが、ウルトラマンでは他にもレッドキング絡みをはじめ怪獣
同士の戦いはあるもののアボラスとバニラの戦いだけは雰囲気が違
うというのを感じていたのを思い出す。

 ちなみに本郷猛を演じた藤岡弘は最近の撮影に参加した時に打ち
合わせがろくろくなかったので詳細を尋ねると‘失敗したらCGで
フォローするから’と言われてガッカリしたという記事が載っていた。

 確かにCGが普及し主流になったおかげで映像的には素晴らしい
作品が次々に出て来たのだが、今でも54ゴジラや第1期ウルトラを
越えたと言われないのは作り手の魂が最近の作品以上にこもってい
るという事ではないだろうか。

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