ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
スペクトルマンが‘蒲生譲二’に別れを告げて40年
今から40年前の今日71年3月25日はスペクトルマンが終了した日である。
当初は宇宙猿人ゴリというタイトルでスタートしたものの‘悪役が番組のタイ
トルを飾るのはおかしい’などの批判があり21話から宇宙猿人ゴリ対スペクトル
マンに変更され40話からはスペクトルマンと2度もタイトルが替わった珍しい
作品だった。
ゴリのIQ300を持つ天才科学者ゆえの葛藤というのが当初のテーマで悪役
ながら十分に主役を張れるキャラだったし、ヘドロやスモッグなどを養分として
育つ怪獣を送り込むなど当時社会問題になっていた公害問題を取り上げた意欲
作だった。
特筆するべきなのは68年9月にウルトラセブン終了後、一旦終焉したと思われ
た怪獣ブームの中で71年4月から始まった帰ってきたウルトラマンよりも先駆ける
事3ヶ月前の1月から放送を始めた事。
しかも番組のタイトルを2度も替えながら実に1年3ヶ月で63話も制作されている
のだから1年から半年が通常のヒーロー作品では異例だろう。
正義のヒーロー・スペクトルマンは超能力を持ったサイボーグだが遊星ネヴュラ
の指令がなければ変身できないという特徴があるのに対し、己の感情の赴くまま
行動するゴリの方が確かに存在感が強く主役らしい。
最終回は唯一の部下であるラーを改造手術して最後の決戦をスペクトルマンに
挑む。
善戦空しくラーはスペクトルフラッシュを受けて爆死。
一方ゴリは‘その頭脳を地球の発展のために役立てる事こそ地球に対する償い’
というスペクトルマンの説得にも拘らず‘ラーが死んだ今、私の希望は失われた’
と言って爆弾を抱えて崖から飛び降り自爆して果てるのだった。
通常ならラスボスであるゴリ自らスペクトルマンに挑んで・・・・・となりそうなのを
あえて戦わずに自爆したのは天才科学者であって武闘派ではないというプライド
があったのではないかと推測するし、実際にスペクトルマンと取っ組み合いの
戦いをして果てたならゴリの世界をぶち壊してしまう可能性が高いので素晴らしい
幕引きだったと思う。
宇宙猿人ゴリの枠は以前 円谷の戦えマイティジャックがOAされていたが、裏
番組の巨人の星に視聴率で完敗し半年で打ち切りになっていた。
それがゴリの放送開始3ヵ月後に帰ってきたウルトラマンと仮面ライダーが始まり
ヒーローブームが起きて72年~73年は全盛になるのだが、何とゴリは視聴率で
終盤に差しかかった巨人の星を逆転するという快挙を演じているのだ。
戦えマイティジャック1話の監督はゴリの監督も務めた土屋啓之助だから戦え
マイティジャックの仇をゴリで討った事になる。
悪役を主役にするという斬新な発想を含め2度もタイトルが変わった本作は永遠
に語り継がれる作品だと思うのだ。
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最終回の、譲二の台詞。
譲二がどちらかと言えば、コミカルな感じだったのと、遊星ネヴィラのゴーマンさ加減が、今思うと斬新でした。
許可を得ないと変身できないヒーローなんて、この作品ぐらいしかないでしょう。
ゴリとラーの悪役コンビも良かったし、怪獣のバラエティさも円谷・東映系にはないタイプでした。(けっこー、グロいシーンが印象に残ってマス)
悪役の名前がタイトルだっただけではなく、エンディングの曲も『宇宙猿人ゴリなのだ』がまたまた斬新でした。
ピープロはこの後、大傑作の『ライオン丸』を放つワケで、こういう変化球的なヒーロー物が、また見たいものです。
マグマ大使のカラー化といい公害を扱ったゴリといい最終回のセリフもエースの最終回の‘さようなら北斗星司’よりも先ですからね。
ホントにピープロ作品は心に残る物ばかりですから
何とか新作を見たいものですね。
とはいえライオン丸Gはチョッと・・・・