ヒロタとアオキ

 28日にOAされたウルトラセブン36話・必殺の0,1秒はウルトラ
警備隊きっての射撃の名手ソガ隊員が主役で、同期の友人であり
射撃ではライバルのヒロタ隊員との確執が描かれている。

 ‘30話・栄光は誰れのために’や‘最終話・史上最大の侵略’の中で
アオキやクラタのセリフにあるようにウルトラ警備隊というのは
防衛軍のエリートという位置付けで多くの隊員の憧れの的のよう
だが、それ以上の存在が参謀本部のようで先述したアオキは参謀
本部の推薦でウルトラ警備隊の候補生になったしソガの同期のヒ
ロタもアオキ同様に自信満々でエリート然としていた。

 アオキがダンをライバル視して出し抜こうとしていたのと同様、
ヒロタも射撃の腕でソガと肉薄しており‘どんな手を使っても勝ち
たかった’という思いからペガ星人に付け込まれる。

 ライバルのソガとの射撃大会の前夜‘優勝できるなら友人を裏切
っても悪魔に魂を売ってでもいい’という思いを受け、星人はソガ
との同点決勝に干渉しヒロタは見事に優勝するのだが代償として
催眠術をかけられペガ星人の陰謀に加担させられる事に。

 それは不本意ながら友人のソガを仲間に引き入れる事だったの
ではないかと思われ、実際ペガ星人の宇宙船内でソガが催眠光線
を浴びせられる姿を見ながら複雑な表情を見せるのが象徴的。

 それを考えるとヒロタは催眠術にかかっておらず単に脅迫され
ての行動だが、とはいえすべてを星人からバラされるというのは
命を落とすより屈辱的だったのかもしれない。

 だから最後はリヒター博士の暗殺を指示されていたにも拘わら
ずソガとの決闘のための人質として利用しただけで、最終的にソ
ガから撃たれて死ぬというのは自分の野心がとんでもない事を招
いてしまった責任を取るという形だったのだろう。

 これを見るとアオキも瀕死の重傷を負いながら骨格になって襲
いかかって来るプラスチク星人を撃ち倒したのもエリートならで
はの責任の取り方だったと思えるし、プライドが高く自らの失敗
をも許せないエリート最大の弱点なのかもしれない。

 

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