ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
嗚呼!スモーキン・ジョー、ガンに死す
ジョー・フレージャー氏死去=ボクシング元ヘビー級王者―67歳(時事通信) - goo ニュース
今日ネットを検索していたら東京五輪の金メダリストで元世界ヘビー級王者の
ジョー・フレージャーが肝臓ガンで亡くなったという記事が載っていた。
数日前の新聞に末期ガンでホスピスに入院しているという記事が載っていて
驚いたのだが思ったよりも早く死去したわけで67歳とは早死にだし、パーキン
ソン病を患っているモハメド・アリよりも先に逝くとは思わなかった。
ジョー・フレージャーといえば‘スモーキン’の渾名の通り蒸気機関車のような
力強い突進で追い詰め必殺の左フックを叩き込んで倒すというのが必勝パターン
でライバルのモハメド・アリと3度に亘って激闘を演じていた。
東京五輪のヘビー級金メダルを手土産にプロ入りしたフレージャーは24戦全勝
で70年2月に世界ヘビー級タイトルに挑戦しジミー・エリスを5RでTKOして王者
になると67年に徴兵検査を拒否してライセンス停止のため王座剥奪の憂き目に
遭っていたアリの挑戦を71年3月に受け激戦の末に最終ラウンドにはダウンまで
奪い2度目の防衛に成功すると共にアリに初めて黒星を付けたのだった。
ところがアリ以上に深いダメージを負ったフレージャーは1年近いブランクを作り
4度の防衛に成功した後に5度目の防衛戦でメキシコ五輪・金メダリストのジョージ
・フォアマンからジャマイカのキングストンで2Rに6度も倒されるという惨敗でタイト
ルを失う。
その後アリとの再戦に敗れた後にアリが‘キンシャサの奇跡’でフォアマンをKO
して王者に返り咲いたため75年10月にフィリピンのマニラで3度目の対戦を行う。
この試合も過去2試合同様激戦となったものの14Rにアリの右ストレートでマウス
ピースを吹っ飛ばされてダメージを被ると最終ラウンドにコーナーから出ずアリの
TKO勝ちとなった。
マイク・タイソンが登場した時に私は
‘フレージャーの突進力とフォアマンの破壊力にアリに匹敵する時代を作る’と
思っていたのだが、アリと違うのがタイソンにはフレージャーのような‘宿敵’とも
言えるライバルがいなかった事。
やはりライバルの存在が互いを磨くと言われるようにアリもフレージャーという
ファイトスタイルも対照的なライバルがいたからこそ記録と記憶の両方を併せ持つ
スーパースターになったのに対し、本当の意味でのライバルと言われる存在が
なかったタイソンは やがて堕落してキャリアの後半は才能を生かしきれなかった。
これを考えるとアリとフレージャーは互いの存在があったからこそ光り輝けたと
考えるのだ。
今頃はマニラでのアリ戦で致命的なダメージを負って迎えた最終ラウンドを棄権
させた名トレーナーのエディ・ファッチと天国で再会しているのではないだろうか。
« 子供達での‘天... | 合体怪獣に つ... » |
しかし、お話を伺うと、勝ちも壮絶なら負けも壮絶な人でしたね。
そしてそのことが、重複しますが、ヘビー級の黄金時代と最強の格闘技であることを、私たちに知らしめたわけですね。
何でも片目がほとんど見えなかった状態で君臨したわけですから、仮にその片目も見えていたら、アリでもフォアマンでも手も足も出なかったのでは。
謹んでご冥福をお祈りします。
片目の視力が殆どなかったとは初耳でしたけど、それでもアリやフォアマンと激戦を演じたのは凄い事ですよね。
特にマニラでの第3戦はファイター=根性型という
固定観念を吹き飛ばすようなパンチのかわし方でしたよ。
あれは相当なテクニックがないと無理ですね。