ウルトラマンネクサスEP33&34のメガフラシ編は冷徹で、
目的のためには手段を選ばない的なキャラだった松永管理官の
人となりを描いた作品だった。
TLTの管理官として常に任務に忠実に行動できるのは5年前に
妻が新宿に出かけウルトラマンネクストとビースト・ザ・ワンとの
戦いに巻き込まれ命を落としていたので、その悲劇を繰り返さない
ようにという思いから心を鬼にして任務を遂行していたという事が
描かれていた。
任務に忠実であるがゆえに代償として家庭を顧みず娘の葉月との
軋轢を抱えていたのが偶然、今回の事件に巻き込まれてしまい結果
的に葉月が父の仕事を見て大変さを知り理解するという展開だ。
父のファイルから落ちた憐の写真を見て存在を知った葉月は憐に
近づいてアタックをかける事により、憐を見張っていた瑞生への気
持ちを確認させるのだがメガフラシが出現し街の人々を的確な措置
で指示している姿を葉月は見る。
葉月にしてみれば月に1度しか帰宅しない父が何をしているのか
興味を持つのは当然だが、その一方で管理官は常に極秘任務に就い
ているのだから娘に自分の働いている姿を見せるわけにはいかない
というジレンマがあったのだろう。
だが見せてはいけない姿を見られる事により娘が自分を理解して
くれたのだから嬉しくないわけがなかった一方で、跡から必ず娘の
記憶処理を行わなければならないという苦悩も垣間見えるのだ。
最後にMPに葉月の記憶処理を頼むシーンは仕方ない事とはいえ
大いに切ない場面だし、人間・松永要一郎の本当の姿が描かれてい
ると思う。
とはいえ次回のEPで管理官は通常モードの非情な指揮官に戻る
のだから、そういうところがリアルなネクサスの面目躍如だろう。