祝！星野ジャパン北京出場権獲得

　まずは、いやぁ～よかった。
　今日敗れると、昨日の韓国戦の死闘での勝利が意味を
なさない。
　ダルビッシュは、クライマックスシリーズをはじめと
したシーズンの疲れからか、壮行試合のオーストラリア
戦でも調子がイマイチだったのが気にかかる。
　だから山場の韓国戦に、安定感のある成瀬を起用した
のかと思ったが、その成瀬が初めての国際試合ならではの
プレッシャーに負けたのか結果的に5回もたなかった。
　やはり‘戦争’といわれる国際試合の修羅場をくぐった
事のない成瀬やダルビッシュには、荷が重いのかという懸
念が頭をよぎった。

　試合は1回に青木が際どいプレーでアウトになるし、新
井は死球をファールと判定される始末。
　それでも直後に新井のタイムリーが出た。
　ただ、それ以降は3回の2アウト1，2塁、4回と6回は併殺
打で追加点が取れずに嫌なムード。
　決して本調子でないダルビッシュが3人で終わらせたのは
3回と5回だけ。それも3回は先頭打者の打球を川崎がファイ
ンプレーでアウトにしたというもの。
‘1点だけではヤバイ’と思っていたら、6回に2アウトラン
ナー無しから3番のヒットと4番の2ランで逆転された。
　これは最悪の展開だ、このままズルズル行く危険性があっ
たのだが・・・・
　ただ台湾も勝ち慣れてないからか、逆転した直後に先頭の
村田が死球で出塁。稲葉がヒットで続いたところで何とPRに
宮本が起用された。
　ここで里崎がバントし、相手投手は間に合わない3塁へ送球
してオールセーフ。
　TVでも言っていたが、宮本はベースへのスライディングだ
けでなく3塁手の足払いにいってゲッツーを阻止しようとした
のだ。
　直後に大村が、まさかのスクイズで同点。
　昨日の韓国戦も1点リードされた直後に、2アウト3塁で同点
タイムリーを打っている。
　そういう巡り合わせを考えると‘何とかしてくれる’と思っ
ていたが、スクイズとは驚いた。
　失敗したら西岡以降にプレッシャーがかかるケースだ。
‘チャンスとピンチは紙一重’というが、ノーアウト1，2塁の
チャンスを潰すと最悪の展開になるところだった。
　まさかのフィルダースチョイスとスクイズで、追い付かれた
台湾は恐らくパニックになったのだろう。
　憑き物が落ちたかのように、日本は西岡・川崎・新井・阿部
の4安打で一挙に6点を挙げて勝負を決めた。

　結局、星野ジャパンの‘つなぎの野球’が実を結んだ。
　この予選を振り返ると、涌井・成瀬・ダルビッシュといった
若手投手陣が、川上・岩瀬・藤川・上原らベテラン投手陣を
バックに投げられたのが大きかった。
　ただ韓国戦、台湾戦とリードされた直後に逆転できたので
よかったのだが、あのまま打線がつながらずにズルズル行く可
能性があった事は否定できない。
　3連戦で終わるアジア予選は、これでもよかったが本番の北京
では11日間に9試合行われる。
　つなぎの野球が封じられた時のための手を早く見つけていか
ないと、悲願の金メダルは危ないと思われる。

　とはいえ今日は、アウェーでの大会を制して優勝できた事を
ただ素直に喜びたい。