楽しい日本シリーズだった

　08年の日本シリーズは3勝3敗で迎えた最終戦でライオンズが 3-2と
逆転勝ちし、見事に4年ぶりの日本一に輝いた。

 　ライオンズのみなさん、おめでとうございます！

　ジャイアンツのみなさん、お疲れ様でした！

　王手をかけてホームに戻ったジャイアンツが有利と思われていたが、
私は先日アップしたようにホームではDHが使えないので頼りになる阿部
慎之介が使えないからG6で決めないとライオンズに勢いが付くのでは・・・・
と思っていた。

　東京ドームに戻ってライオンズはレギュラーキャッチャーの細川が
使えず、3番の中島もケガでベストコンディションではない。
　だからというわけではないだろうが、ライオンズは‘まさか’と思われる
事をやってきた。

　G6ではG4で150球近く投げた岸を4回1アウトから登板させ最後まで投げ
させた。　

　G7ではベテランの西口を先発させている。
　日本シリーズで0勝5敗で東京ドームでの相性が悪い西口をよりによって
最終戦で登板させるとは・・・・・
　案の定1回に2つの四球と暴投で先制されると、2回にも先頭の坂本から
HRを打たれ あっさり0-2となる。
　ここで3回に打順が回ると代打を出し石井が登板、ここまでは分かるの
だが2イニング投げた後に涌井まで登板させたのだ。
　しかも石井の代打・ボカチカが2アウトランナー無しでHRを放ち1点差に
していた。　

　そして迎えた8回に先頭の片岡が死球で出塁し初球で盗塁成功。
　バントで1アウト3塁から中島の3塁ゴロで追いつくのだが、片岡のスタート
が まるでスクイズのようなスタートだった。
　通常1点ビハインドのチームが8回にノーアウト1塁で盗塁というギャン
ブルを仕掛けるのは稀だし、中島の3ゴロの時のスクイズ並みのスタートも
ギャンブルだ。

　いずれが失敗しても負けだろう。

　この2つのギャンブルが若い越智を動揺させ、2アウトランナー無しだった
にも拘わらず2つの四球の後にラッキーボーイの平尾が2-3から勝ち越し
タイムリーを許したのだ。
　2塁ランナーは決して俊足ではない中村だったが、2アウト2-3では投球と
同時にスタートを切る。

　ラッキーボーイの平尾に0-3までいくと本来なら歩かせたいところだが、
既に2人を歩かせているので越智が2-3からボールを投げきれなかった
と思われる。

　強力なブルペンを誇ったジャイアンツだが唯一不安視されていたのが、
クローザーのクルーン。
　1点差では厳しいかな・・・・と思っていたから本来8回は豊田で行くと思わ
れたのに越智を続投させたのは最終回をクルーン1人では危ないとベンチ
が判断したからかもしれない。

　共にホームランと機動力という武器を持ったチーム同士が7試合をフルに
戦ったシリーズだったので随所に勝負のアヤが隠されていたし、ちょっと
した事で流れが変わる楽しいシリーズだった。

　ライオンズがジャイアンツ並みのブルペンだったら昨日のように岸を中
2日で5イニング以上投げさせたり、今日のような西口ー石井ー涌井と
いった豪華リレーはやらなかっただろうと思う。　

　ライオンズの勝因はギャンブルを仕掛ける勇気がだったと思うし、フル
スイングがジャイアンツの投手陣にジワジワとプレッシャーを与えていた
のだろうと思う。

　保守的な評論家達から何かと目の敵にされやすいフルスイングだが、
ジャイアンツ以上にバットを振りまくったライオンズの優勝で主流になる
ことができるだろう。

　これは日本野球のレベルアップには

絶対に必要な事である。