たまには業界ネタを
髪型には流行り廃りがあるわけで時代が変わると流行のヘアスタ
イルも変わるわけだが、平成の30年が終わって目立つのは坊主頭
の人が増えた一方でバーコード頭の人が激減し今ではほとんど見る
事はなくなった。
バーコード頭とは頭のてっぺんが薄くなった人が片方の髪を長く
伸ばして薄くなった部分に被せる事により薄い部分を隠そうとする
髪型で、この髪型をトレードマークにしているのが中曽根康弘元総
理大臣や俳優の角野卓造ら。
私が高校を卒業して業界入りした80年代前半頃は この髪型のお
客さんは、それなりに多かったのだ。
ところがバーコード頭というのは手入れが大変で長く伸びた毛を
アイロン仕上げなどで頭頂部分に被せると、さらにスプレーなどで
固める必要があるため洗い髪のままだったら収拾が付かないのだ。
しかも頭頂部はそれなりに隠せても、いかにも‘頭が薄いです’
と言わんばかりの状態になっており正直言って‘そこまでして隠さ
なければならないのか’と思っていた。
そんな中で平成に入ると頭が薄くなってきた人達が坊主頭にする
ケースが昭和の時代より格段に増えてきたわけでバーコードヘアー
より数段いいし、むしろ清々しいと思うのだ。
考えてみると私が業界に入った頃は頭に傷がある人は刈り上げの
ような短いスタイルはやりづらく、お客さん自身もなるべく隠そう
としていた。
それが最近では‘傷があってもいいから刈り上げてくれ’という
人がほとんどだし、以前なら出川徹郎のように顔の大きい人はなる
べく顔の大きさが目立たないようにしていたのが今では顔の大きさ
を強調するような髪型が流行っているのが現状だ。
バーコード頭が激減した一方で坊主頭が増えたというのも髪が薄
いのを恥じる事なく、むしろ個性と捉えている人が増えたという事
になるのではないだろうか。